ヨーロッパ映画

2017年07月08日

「ヒトラーへの285枚の葉書」5

172071_01久々に「シネ・リーブル梅田」に行ってきました。ベルリンでヒトラーへの抵抗の葉書を285枚置き続けた実在にいた職工夫婦のお話です。

映画のエンドロールになっても衝撃的な最後に息をのんでしまいました。こういう良質な映画を見たら、映画好きでいてよかったと思いました。


ミュンヘン大学での白バラ抵抗運動を描いた「白バラの祈り」を見た時のゾフィー・ショルに打ちのめされました。
この映画の主人公の実在のハンベル夫妻は全く知らない人たちでした。
オットー(ブレンダン・グリーソン)とアンナ(エマ・トンプソン)のもとに一人息子の戦死の知らせが届く。これがオットーの怒りを駆り立て、メッセージを書く。「総統は私の息子を殺した。あなたの息子も殺されるだろう」このカードをある建物の階段におく。そこから彼のメッセージはどんどん総統批判になり町のあちこちに置かれる。アンナも協力するようになるが、ゲシュタポの担当警部(ダニエル・ブリュール)が段々と網をはっていくのです。
夫婦の住むアパートにいる反体制的な判事、身を隠して住むユダヤ人女性、密告者、その妻で郵便局員の女性はユダヤ人女性を助ける・・・。

285枚でオットーは捕まる。けれど悪あがきはしない。自分の罪を認める。裁判の場で夫婦だけは「ハイルヒトラー」の敬礼をしない。普通に工場に勤める職工がヒトラーに手向かう。そして刑事に285枚のうち回収できなかったのは18枚だけだというが、オットーはそれでも満足しているのだ。
平凡な夫婦がヒトラーに抵抗し、最期斬首されるという事実が私を震わせた。この時代にどしてこう清く生きれたのだろうか。たいていは同じアパートに住む判事のように、抵抗はしないはずだ。
何かに抵抗するという歴史はヨーロッパに深く根づいているのだ。
正しいと思うことを堂々とぶつけたこの勇気ある夫婦のあり方に、心洗われました。
最後の最後も意外な結末でしたが、これは映画的な終わり方でしょうね。
3人の俳優さんたちのぶつかり合いがドイツ語でなくて英語で話していても気にはならなかったです。
ダニエル・ブリュールを最初に見たのは2004年「青い棘」でした。美しい青年だった彼もドイツを代表する渋い役者になっています。
今年見た中で一番!




yukipy1954 at 20:16|PermalinkComments(0)mixiチェック