2009年11月13日
ヤマハ岡山店 モーツァルト講座
昨日岡山に到着。
ホールで練習をさせていただき、夜は、ホテル近くの地元のお魚が美味しいお店に行きました。
ヤマハ岡山店でモーツァルトの講座ですが、講座受講予定の先生数名が、インフルエンザでキャンセル。全国的猛威をふるっていることを実感しました。そんな中、いらしてくださった先生方とともに、モーツァルトについてしばしひととき。
講座のとき、いつも感じるのは、愛好家の方とレスナーの方の興味の違いです。やはり具体的な内容、ノウハウ、演奏やレッスンに直結するような具体的内容を要求されることが多いのがピアノの先生です。
今日のように、専門家の方が集まることを前提とした講座のときには、専門用語を使ってもOK,マニアックなこともOK、けれど具体的に直結していかなければ意味がないわけで、愛好家の方が喜んでくださるようなエピソードは、ただの雑談、無駄話になってしまいます。
そのあたりの切り替えを心していかねば。。。と思った次第です。
岡山は、とても美しい街並みでした。
シンフォニーホールのビル2階にあるヤマハさんのお店も広いスペースに楽器コーナー、楽譜コーナー、防音室コーナーなど様々に分かれており、ひとつの階でいろいろ見渡すことができるのは、ユーザーにとってありがたいと思った次第です。
全国の楽器店さん、すべてを知っているわけではありませんが、その土地の雰囲気や場所柄が出ていて、同じ品物が置いてあっても、イメージがだいぶ変わってきます。
お世話になりましたスタッフの川上さんたちとお昼をご一緒したあとは、飛行機の時間までしばし観光タイム。
まずは、ホテルの隣にあり、すごく気になっていた建物、禁酒会館で 珈琲を静かにいただきました。http://ww61.tiki.ne.jp/~kinsyukaikan/index.html。
大正時代にタイムスリップしたような趣きで、こういった建物が残り、また老舗のお店が多い岡山の商店街の奥行きを感じました。
その後、名勝後楽園に足を伸ばし、岡山藩主池田綱政公による美しい庭園を散歩し、リフレッシュ。
緑のえさを池に投げるとすご〜い数の見事な鯉が集まってきました。
2009年11月08日
東京アカデミーオーケストラ第36回定期演奏会
お聴きくださいましたたくさんの皆様にお礼を申し上げます。
今日のプログラムは、
ハイドンの「マリア・テレジア」で始まり、
モーツァルトのピアノコンチェルト21番。
後半は、メンデルスゾーンの「イタリア」です。
ハイドン没後200年、メンデルスゾーン生誕200年でもある今年にふさわしいプログラムでした。
指揮者なしの室内オーケストラであるTAOは、セッションを重ね、お互いの息を感じる中でひとつの音楽をつくっていきます。共演させていただいていも、室内楽をしているような、そんな気持ちで弾かせていただくことができました。
リハーサルでステージに出ると、ピアノとオーケストラの位置がとってもくっついていて、まるでコタツを囲んで皆でお話をするくらいの趣きです。
あかの他人だったら、もうちょっと離しましょうよ、という距離なのですが、一緒に音楽をさせていただくうちに、あかの他人ではなく、それどころか、家族、友人、フレーズによっては恋人?!のような親しい気持ちになっていて、距離が近いことが自然で、それぞれの皆さんの息を感じながら、心強い思いで弾かせていただきました。
ハ長調に始まり、さまざまに色合いを変える第1楽章から、美しいカンティレーナの第2楽章、はじけるような溌剌とした第3楽章まで、あらためてこの曲の魅力と各楽器の音色を生かしたモーツァルトの天才を再発見しました。
フィリアホールの響きは温かく、ふわりと包むような音響。
ピアノはスタインウェイの3年選手の楽器を使わせていただきましたが、調律師小谷さんの調整のおかげで、重さを感じずに、軽やかなモーツァルトの音に挑戦できました。
合わせと準備を経て、今日の日を一緒に迎えさせていただきました。
TAOの皆様、本当にありがとうございました。
2009年11月04日
原稿を仕上げ、口癖を知る
来春に出る本の原稿の締め切りが今日です。
なんとか間に合い、メールで送信しました。
読み返してみると、自分の言葉遣いの「癖」というのも気になります。
なるべく同じ言葉を使わないようにしたい・・・と常々思っているのですが、
好きな言葉は、つい使ってしまうようです。
人の口癖は、気づきやすいのですが、自分では、無意識に言ってしまうことが、原稿を読み返してみるとよくわかります。
私の祖母の口癖は
「大丈夫、大丈夫」
でした。何が大丈夫なのかわからなかったのですが、祖母が
「大丈夫よ」
というとなんだか安心していていいのだ、というような響きがありました。満州からの引き揚げるときの苦労、戦後子供4人を育てた苦労、病を得て病魔と闘う苦しみ、、、、そういった決して大丈夫ではなかった人生の中で、自分を励まし、それが口癖になったのかもしれません。
口癖は、言葉に限りません。モーツァルトの節回し、シューベルトの香り、ベートーヴェンの語法、、、、、それらは、紛れもなく、その作曲家の口癖のようなものであり、楽曲の一節を聞いただけで、その人のものとすぐにわかる個性です。
無調の音楽であっても優れた作曲家の作品には、その作曲家の「音」と紛れもない「響き」の個性があるものです。
若い頃、間宮芳生先生の曲を続けて演奏させていただくことがありましたが、先生独自の世界、先生でなければ出てこない音、それらが、楽譜から「響き」として立ち現れることを知り、感動したことを思い出します。
2009年10月29日
講座「モーツァルトを美しく弾くために」第2回
普段、ピアノ・レッスンの現場で実際にモーツァルトを教えていらっしゃる先生方が対象の講座なので、指使いの話をすれば、皆さんの指が動き出し、ペダルの話になると全員の足が動きだす・・・という、とても一体感のある雰囲気です。
前回の第1回の日は、台風で中央線がストップしたため来場予定なのに、来れなくなってしまった先生方が数名おられました。
前回の形式感のお話をまじえながら、
「生き生きしたモーツァルト演奏」
ということで、演奏をまじえながらお話しさせていただきました。
ヤマハの講師さんだけでなく、プライベートでレッスンをされている先生方も会場にはいらしているのですが、そういう垣根をとっぱらったところで、皆様とても結束が固く、コミュニティがすでに出来上がっている感じです。お互いのお教室の発表会には、お手伝いに出かけたり、悩みなどを相談したり、コンサートや講座の情報交換をしたり、ということが普段自然に行われているそうです。
ピアノというのは、他の楽器に比べると孤独な楽器で、一人で完結してしまうこともできるのですが、そういう音楽の輪が出来ることによって、独りよがりになるのを防ぐことができたり、さらなる発展のための刺激になったり、と素晴らしいことだと思います。
会場では、新譜のCDや来年のコンサートのチケットをお求めくださったり、感謝しております。
終了後は、ショップ長さん、スタッフの岡野さんらとランチしながら、音楽談義に花が咲きました。楽器店を拠点に音楽家が集まり、音楽の輪が広がり、それぞれの生活の中で音楽が生かされている、そんなことを感じました。活気ある楽器店の生き生きとした姿を感じました。
2009年10月27日
アペルト弦楽四重奏団
電車の中は、狭い机、ガッタンゴットンという雑音など悪条件なのに、何故か能率と集中力があがるのが不思議です。
東京駅に着き、軽く食事をすませ、JTアートホールへ。
アペルト弦楽四重奏団は、芸大の楽友が構成メンバー。
それぞれオーケストラで活躍する弦楽器奏者4人です。
ヴァイオリンは、広島響のコンサートマスターの田野倉雅秋さんと東フィルのフォアシュピーラー近藤薫さん。ヴィオラ、チェロはそれぞれN響の坂口弦太郎さんと西山健一さん。
ヴィオラの坂口弦太郎さんとは、先日、トリオで演奏させていただいたばかりですが、今日は、客席からの応援です。
若き貴公子4人組が颯爽と舞台に登場すると、客席にも「待ってました!」という雰囲気が漂います。
今日は、ハイドン72番、プロコフィエフ1番、メンデルスゾーン2番という時代も個性もまったく違う3人の曲を並べたプログラム。
それぞれの時代の音を感じることができた一晩でした。
弦楽四重奏は、作曲家にとって、もっとも「音楽」の中身が出るジャンルかもしれません。その時代の美学、使われる音、作曲家の個性の差異が如実に出るように思えるのです。
真摯にそれぞれの音楽に向き合う4人が、若さとエネルギーと友情によって築き上げていく時間は尊く美しい。
これから、さらに年輪と経験を積みながら、アンサンブルを磨いていかれることを期待したいと思います。
会場では、坂口さんのお母様にお目にかかることができました。「楽しいクラシックの会」以来の再会でした。
美しい鈴の音のようなお声で、パッと明るいオーラを発するお母様。
おなかにいるときからそんな美声を聞きながら育った弦太郎さん。
その美音の源に触れさせていただいたような気がしました。
