嶋﨑英治のブログ「いのちが大事~日々の思い」

私たちの日本国憲法は、日本の侵略戦争の反省から、前文と9条で戦争をしないことを世界中の人々に約束しました。非武装・不戦を謳った9条は究極の安全保障です。原発の惨事は全ての命にとって脅威になっています。世界中の子どもたちが安心して陽の光を受け・遊び、夜は暖かい夜具の中で安心して眠ることができるように、1日でも早く、実現したい。その思いを日々綴って生きます。

2018年05月

高度プロフェッショナル制度<残業代ゼロ制度>で考える。

高度プロフェッショナル制度<残業代ゼロ制度>で考える。

 三鷹市社会福祉協議会の学童保育所指導員のMさんから相談を受けた(1982年)。「10年働いても新人と1000円しか差がない8万円程……」、1年間憲法の学習を積み重ね、労働組合を結成した。現在の自治労三鷹市社会福祉協議会労働組合だ。処遇改善を求めて団体交渉を積みかさねた。その結果、安田養二郎・三鷹市助役(当時と当時三鷹市職員労働組合書記長の私との間で「6時間正規労働者」にすることで合意、その後労使間交渉を重ね、均等待遇の6時間正規労働者制度が確立した。
 両者の生み出す成果を1時間当たりに換算すると8h/8h<6h/8h×8/8……6時間正規労働者のほうが大きい。
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「エドワード・ヒースの❝奇策❞ 労働を週3日に限定 1974年1月1日」

...

▼雇用者はエネルギーの貯蔵が回復するまで、週3日以上の電力使用を禁じられた。
▼鉄鋼業界の大御所らは、工業生産高は半分に落ち込むと予測した。
▼閣僚は、経済が破たんするのでは、と恐れた。

 1974年3月、再び週5労働に戻ったとき、
▼政府は、週3日労働の間に生産がどこまで落ち込んだかを調べた。
▼その結果に彼らは目を疑った。生産高はわずか6パーセントしか減っていなかったのだ。

 フォード、ケロッグ、ヒースが発見したのは、生産性と長時間労働に相関性はない、ということだ。
▼1980年代、アップル社の従業員は「週90時間労働、大好き!」というプリントされたTシャツを着ていた。
▼後に、資産性の専門家が推計したところによると、もおし彼らの労働時間がその半分だったら、世界の人々は画期的なコンピュータ「マッキントッシュ」を1年早く楽しめたかもしれないそうだ。

 以上出典は「隷属なき道」ルトガー・ブレグマン 著 文藝春秋刊 P144~145より

 ここまでで、「8h/8h<6h/8h×8/8」の意味をお分かりいただけっと思いますが、アベシンゾウシや財界のお偉いさん方にはお分かりいただけないと思うので、続きをいんようします。
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<同書P145>
 現代の知識を基盤とした経済では週40時間労働でも多すぎる、と示唆する強い証拠がある。調査によれば、つねに創造力を発揮している人が生産的でいられるのは、平均で1日6時間に満たないようだ。想像力に富み、教育水準の高い人々が住む富裕国ほど、週の労働時間を短縮してきたのは偶然ではない。
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「リニアが大深度地下を走る」? 大丈夫か~環境・法的諸問題~

「リニアが大深度地下を走る!」~環境・法的諸問題~ 

★講師:横山 聡 弁護士(ストップリニア訴訟、弁護団事務局長)

★報告:池田あすえさん・東京外環道訴訟を支える会、 藍場崇之さん・日本消費者連盟

★日時/6月10日、13:30~16:00

★会場/:Luz(ラズ)大森4F 大集会室 

    JR大森駅東口 徒歩1分 http://www.luz-omori.com/info/

★参加費/500円

★主催/リニア・市民ネット東京

http://www.gsn.jp/linear/index.html 

英治:「リニア」の裏で何が動き・何が走るのか…

東京地検特捜部と公取委、独占禁止法違反容疑で
リニア不正受注 鹿島と清水建設の2社を捜索」毎日新聞2017.12.18
全文はこちらから⇒https://mainichi.jp/articles/20171218/k00/00e/040/111000c
関連blog 

http://blog.livedoor.jp/yukomuko69/archives/73671652.html



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辺野古米軍新基地建設 土砂投入の重大局面へ 本土からの連帯行動を

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トップ 今週の新社会 2018.05.15
http://www.sinsyakai.or.jp/sinsyakai/archive/00_pickup/2018/1800515/180515.html
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 辺野古米軍新基地建設 土砂投入の重大局面へ 本土からの連帯行動を

辺野古新基地建設許すな!~連続6日間の500人行動~

  沖縄・辺野古の新基地建設は護岸工事着工から1年、初めての土砂投入という緊迫した情勢を迎える。4月23 日から「連続6日間500人集中行動」の呼びかけに応えて、新社会党は岡﨑ひろみ委員長を団長とする9名の代表団を現地に派遣した。
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  集中行動の6日間、キャンプシュワブゲート前には連日500人を超える仲間が座り込んだ。ダンプによる搬入を完全にストップすることはできなかったが、通常の半数から3分の2に抑えた。
  25日にはカヌー83艇と抗議船11隻による海上座り込み行動も行われた。何より大きかったのは、ゲート前の現場の果たす決定的役割を、全国の沖縄に心を寄せる人々とともに再確認できたことだ。

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  行動初日、座り込みの排除に5時間半を要した県警は、翌日から200人体制へ倍増。キャンプシュワブの金網とエンジンをかけたままの機動隊車輌を並べて作った歩道上の空間に、ごぼう抜きした人々を長時間拘束した。さらに、ダンプ運転手を説得する活動に対しては道交法による逮捕で応じた。
  県警の暴力的排除によってオール沖縄会議の高里鈴代共同代表が鎖骨を骨折するなど、負傷者も続出した。県知事の指導・要請を無視し、非暴力で抗議する権利に対しては暴力的排除で応えたのだ。
  長期の闘いを支えてきたのは、現場の力だ。沖縄戦占領期体験、今日に連なる基地被害の現実、そして現場を鼓舞する歌声、これらゲート前テントでの交流は、世代と地域を超えて人々の心をつないできた。
Henoko-18-座り込んだ人々を排除する機動隊員-4.27-NSP
  愛知県機動隊の沖縄派遣違法を問う住民訴訟について報告した副団長の保田泉中執は、女性を暴行から守ろうとして警官が米兵に射殺された1945年の事件など、沖縄県警の持つ独自の歴史に触れながら、米軍基地建設の走狗と化した警察権力を批判した。
【保田さんのスピーチ動画⇒https://www.facebook.com/100005256631651/videos/808328609352353/ 】
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  最終日の4月28日は、沖縄現代史の中で特別な日だ。2年前、米軍属によって20歳の命を絶たれた女性の命日でもある。ゲート前では「屈辱の日を忘れない県民集会」が開かれ、参加した1500人は追悼と反新基地の決意を新たにした。 
  「連続6日間500人集中行動」を呼びかけ成功させた皆さん、長期の闘いを支えてきた「ヘリ基地反対協」「オール沖縄会議現地闘争部会」をはじめとする皆さんに、心からの連帯を表明したい。
  11月知事選に向けて、翁長雄志知事による埋立承認「撤回」の動きも加速することになる。今回の沖縄からの呼びかけによる集中行動から、今度は本土自身の呼びかけによる沖縄連帯行動をどう作りあげていくか、そのことが問われているのを強く自覚した。

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美ら海壊すな!土砂で埋めるな5月26日  

  国会包囲 政府は沖縄県民の民意を踏みにじり、県の許可を得ないで、辺野古新基地建設のために違法な護岸工事を強行している。
  6月には浅瀬の海を護岸で囲い込み、土砂を投入する方針との報道がある。土砂が投入されれば、美しい辺野古の海は取り返しがつかなくなる。
  「絶対に食い止めなければ!」と5月26日(14時から15時30分)には国会包囲行動が取り組まれる。「基地の県内移設に反対する県民会議」など8団体が共催する。

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 国家としての「恥」を背負えない人たちによる国家運営は、歴史に対するテロ


週刊新社会連載 辛淑玉さんのコラム・たんこぶ『歴史に対するテロ』第532回 2018.05.15
http://www.sinsyakai.or.jp/sinsyakai/tankobu/tankobu.html

『歴史に対するテロ』

 経済学者の金子勝氏が国会前で「安倍はバカだ!」と吠えていた。正しい。そして、安倍政権が

強いのは、支持者の強固な「無知」という基盤の上に立っているからだ。善悪の区別がつかない人

たちが安倍政権を支えている、と言ってもいい。辛淑玉連載 たんこぶ
  安倍政権とは、政治の運営能力はないが悪巧みにだけは長けている者たちの集団である。一族で

私利私欲を貪っていることの異常さもさることながら、夫が総理だからといって、選挙で選ばれた

わけでもない妻が行政に口出ししていることにも驚愕。民主主義の否定そのものだ。
  歴史を振り返れば、こうした私利私欲の政権では必ずと言っていいほどレッテル貼りの弾圧があ

り、司法も機能しない(ドイツではこれを司法のテロと言う)。沖縄を見れば、まさに警察権力も

司法も法的なテロをしていると言える。行き着く先は個人財産の没収だろう。彼らは「下々の者た

ち」の血の一滴まで吸い上げるはずだ。
  すでに日本人が信じていた年金は崩壊し、国民皆保険も風前の灯である。福祉のために使うと言

いながら、消費税を上げてしまえばあとは知らん顔。生活ができないと訴えれば努力が足りないと

一蹴し、セクハラにはハニートラップだと言い放ち、果ては被害者に「出てこい」と恫喝する。 

 おぞましいのは、公文書偽造がどれほど国家運営を危うくするかという認識もないことだ。おそ

らく、今までも散々改ざんしてきてそれが常態化していたから、何でそんな事言われるの? とい

う反応になるのだろう。 共産党の議員に大学生が暴行を加え、現職幹部自衛官が国会議員を罵倒

する。日報を破棄させた現政権を支持する輩が自衛隊の幹部にいるのだから、その延長線上には「

玉砕」がある。
  サマワを始め、騙されて戦場に送り込まれた自衛隊員の命は、戦前と同じく軽いのだ。朝鮮半島

が時代の転換を迎えようとしている今、未だにアジアの中に入れない日本は、戦前の幻影にすがる

しかないのだろう。
  国家としての「恥」を背負えない人たちによる国家運営は、歴史に対するテロなんだよ。
 

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歴史的な転換へ 南北首脳会談 平和を開く

週刊新社会 今週の新社会 2018.05.08
 

歴史的な転換へ  南北首脳会談 平和を開く
 『板門店宣言』を発表
  韓国の文在寅大統領と朝鮮民主主義人民共和国の金正恩委員長は、4月27日に板門店で首脳会談を行い、「朝鮮半島でこれ以上戦争がなく、新たな平和の時代が開かれたことを8千万人のわが民族と全世界に厳粛に宣明」する「板門店宣言」を発表した。歴史的な転換が始まった。「板門店宣言」は、 
  一、「南北関係の全面的で画期的な改善と発展」によって「途切れた民族の血脈を結び…自主統一の未来を早める」ために、高位級会談、交流・協力のための共同事務所設置(北の開城に)、国際競技などへの共同参加、離散家族問題の解決、鉄道と道路の連結など。
  二、「戦争の危機の解消」のために、一切の敵対行為の中止、平和水域の設定と安全な漁業活動の保障、軍事当局者会談の頻繁な開催など。 
 三、「休戦状態を終息させ、確固とした平和体制を樹立」のために、武力不使用の不可侵合意を再確認し順守、段階的な軍縮の実現をあげ、さらに「今年に終戦を宣言」し「休戦協定を平和協定に転換」し、恒久的で強固な平和体制構築のために南・北・米または・南北・米・中会談の開催推進、「完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島実現」等を列記した。 
  また、「北側の主導的な措置が朝鮮半島の非核化のために意義があり重大なものであるという認識を共にし、それぞれの責任と役割を全て果たす」、「両首脳は定期的な会談と直通電話を通じ…随時真摯に議論」し、文大統領は今秋に平壌を訪問することを明記した。
  両首脳は共同記者会見を行った。文在寅氏は「非核化と恒久平和、民族の共同繁栄と統一に向かう揺るぎない日程表」を「南北の国民と世界に素晴しい贈り物」と呼んだ。そして「北の最高指導者が世界のメディアの前で共同発表するのは史上初だ。大胆で勇気ある決定を下した金正恩委員長に拍手を送る」と述べた。
  金正恩氏は「我々は戦うべき異民族ではなく、仲良く生きるべき一つの民族だ」「これまでの合意のように、履行できないことがないよう…必ずいい結果が出るように努力する」と述べた。
  1カ月ほど後には米朝首脳会談が予定されている。半島の非核化にせよ、朝鮮戦争平和協定にせよ、朝鮮戦争の最重要当事者であり、その後も強大な核軍事力で威圧してきた米国政府が、画期的な「板門店宣言」にどこまで譲歩し応えるかが問われる。
  中・露はもとより世界各国、国連事務総長も歴史的快挙を歓迎している。トランプ米大統領も「歴史的な会談」「朝鮮戦争は終わろうとしている」とツイートした。この間一貫して文大統領の努力に水を差してきた安倍晋三首相は苦虫をかみつぶした表情で「歓迎する」と述べたものの、安倍外交の失態は隠しようもない。

朝鮮の核を巡る動き
1991年 朝鮮半島非核化共同宣言
 1993年 朝鮮がNPT脱退表明
 1994年  米朝で核開発凍結・NPT復帰を確認
 2000年 初の南北首脳会談
 2003年 朝鮮がNPT脱退表明
 2006年 朝鮮が初の核実験
 2007年 南北首脳会談 
 2017年 トランプ政権発足、文政権発足
 2018年 2月・平昌五輪、3月・南北首脳会談合意、
 4月・南北首脳会談、6月上旬までに初の米朝首脳会談
HL-18-南北首脳会談ー平和を開くー歴史的な転換へ―板門店宣言-5.8

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『板門店宣言』戦争繰り返さぬ!民族の思い

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『板門店宣言』戦争繰り返さぬ!民族の思い (道しるべ週刊新社会 2018.05.08 より)

http://www.sinsyakai.or.jp/sinsyakai/archive/01_michishirube-japanese/2018/180508.html

 「板門店宣言」は、東アジアの不幸な歴史を大転換させる道を大きく切り開いた。南北の努力と朝鮮民衆の悲願に応えるために、「過去の失敗」は「圧力の不足」のためなどの空論を払拭し、日本の歴史的責任をどう果たすかが問われる。

  南北首脳会談は2000年(金大中・金正日)と2007年(慮武鉉・金正日)にも開かれたが、合意は実らなかった。しかし、今回は異なった条件下で新たな一歩を踏み出した。
  数カ月前まで朝鮮半島は戦争前夜だった。長く続いた韓国保守政権の対北対決路線の残滓とトランプ米政権の好戦的な態度、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の核とICBM実験でチキンゲームの極限にあった。

文大統領の決断で 
  つい2カ月前、トランプ氏が「小型核兵器の使用解禁」に言及した時は世界が肝を冷やした。武力による圧力では破滅に向かう現実が突き付けられた。その時、このゴーディアンノット(手に負えない結び目)を断ち切る決断をしたのは韓国の文在寅大統領だった。その背後には、民族同士が殺し合う戦争を二度と繰り返さない朝鮮半島の民衆の思いがある。 
  こうして「板門店宣言」が実現したのである。日本のメディアや保守勢力は「北の核放棄計画が不明」とか、「今までの合意は全て裏切られた」と言う。だが「完全な非核化」に「北」が同意したのは初めてで、従来から大きく前進した。
HL-18-南北首脳会談ー歴史的な転換へ―板門店宣言-5.8-T100
  また、「合意」は、朝鮮の非核化だけではなく、半島の非核化だ。東アジアを覆う強大な核の傘を米国がどう縮小するかは、恐らく米朝首脳会談でもすぐには具体化できないだろう。「傘」を畳まぬよう懇願する安倍晋三首相のような輩もおり、「非核化計画」に時間がかかるのは仕方がない。
  過去の核開発中止合意の破綻の責任を朝鮮だけに負わせるのは非現実的だ。リビアのカダフィ政権が核開発を放棄した後、内戦への米欧の軍事介入で崩壊、カダフィが暗殺されたこと、大量破壊兵器保有というウソを口実に軍事力でイラクのフセイン体制が破砕されたこと、これらが朝鮮を刺激しないわけがない。
  トランプ政権の「斬首作戦」、米韓合同軍事演習(戦争法成立で日本も参加)などもあった。「北はわが身が安全と感じるまで草の根食べても核開発する」とのプーチン露大統領の言は的を射ていた。

植民地支配の責任 

  朝鮮の悲劇は、長年植民地支配をしてきた日本に最大の責任がある。「拉致問題」だけでなく、全ての問題の解決に反省を込めて誠実に向き合うべきなのである。南北首脳の晩餐会のケーキに目くじら立てる日本外交のレベルは恥だ。
  「北が信用できるか」など子どもじみた議論は卒業し、朝鮮半島の民衆の願いと共鳴するに違いない“非武装憲法”を汚す愚行は止め、「宣言」の歴史的事業にエールを送ろう。

新社会党2018年5月8日CatchCopy-18-Yatokyotode KaikenSoshi

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『出自を見つめる ①極右に走る人々』 辛淑玉

週刊新社会連載 辛淑玉さんのコラム・たんこぶ『出自を見つめる ②極右に走る人々』第531回 2018.05.08
http://www.sinsyakai.or.jp/sinsyakai/tankobu/tankobu.html


『出自を見つめる ①極右に走る人々』

 チェコの右派政党SPD(自由と直接民主主義)の党首トミオ・オカムラ(45歳)は、EUに反対し、0・1%しかいないイスラム教徒をターゲットに反移民を打ち出し、頭角を現している。辛淑玉連載 たんこぶ
  彼の父親は日本人と韓国人のダブルで、チェコ人と結婚した。日本で生まれたオカムラはチェコの児童養護施設で子ども時代を送り、その後十代で日本に戻った。しかし非正規から抜け出すことができず、再びチェコに来た。そこで日本人を対象にしたビジネスで成功し、魅力的なトークでお茶の間の人気を博した。
  2012年に上院議員に初当選し、15年にSPDを創設した。彼は、チェコでもっとも有名な日系人である。オカムラは、日本では「変な外人」、チェコでは「黄色い」と言われ、どこにも居場所がなかったという。そんな彼が、ようやく自らの手で作り上げた居場所が、右翼政党だったのだろう。
  その姿は、自民党のスターだった故・新井将敬とだぶって見える。新井は、初めての選挙で、同じ選挙区の石原慎太郎陣営から、ポスター全部に「北朝鮮から帰化」という真っ黒なシールを貼られた。その後も石原のいじめは執拗で、それにつれて新井はどんどん右傾化していった。
  当時、右翼団体「一水会」会長だった鈴木邦男氏は、「不思議なんだよなぁ。自民党は裏で俺たちを使うが、新井将敬は壇上に上げて友人として紹介するんだよなぁ…」と語っている。
  最後は、利益供与事件で取り調べを受けた後、「自分は在日だから差別的な扱いを受けている」と語って、数日後に自殺した。新井将敬は日本人に愛されたかったのだ。そして、見事に過剰適応していった。
  日の丸を揚げ、君が代を歌い、天皇陛下バンザイとやれば日本人が受け入れてくれると思ったのだろう。
  在日だからリベラルだなんて限らないのは常識だが、右翼に居場所を求めるのは、その裏に深い絶望があるからだ。
  チェコのオカムラ氏は、仏極右のルペン党首、オランダ極右のウィルダース党首らと連携している。その姿が切ない。

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憲法「番外地」の沖縄に、なぜ私は沖縄の人々と一緒にゲート前に座り込んだのか、それは…清末愛砂さん(室蘭工科大学)

3憲法集会

2018年5月3日憲法集会・清末愛砂室蘭工業大准教授のスピーチ

  北海道の室蘭工業大学で憲法学を担当している清末愛砂と申します。71回目の憲法記念日の本日、皆さんの前に何を話すべきか私はずいぶん悩みました。法学研究者の端くれとして、3月22日に自民党がまとめた改憲4項目の素案の問題点を提示すべきか、それとも現代の戦争や抵抗運動の現場から見える改憲問題について話をすべきか。結果的に本日は現場に即した改憲問題についてお話をさせていただくことにしました。
  軍事力に依拠した安全保障政策や人々の尊厳を奪う一方で、非暴力平和主義が机上の空論ではなく、私たちに本当の平和をもたらす現実的な手段であるということをできるだけ多くの方々と確認したいと考えたからです。4月27日、韓国と朝鮮民主主義人民共和国との間で、首脳会談が行われました。会談の結果として署名された「板門店宣言」では、今年中に朝鮮半島の終戦が宣言され、1953年に締結された休戦協定を平和協定に転換するということがうたわれました。これは朝鮮半島、ひいては東アジアにおける現実的な平和構築に向けて歴史が大きく動いたことを意味するものでした。
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  戦争という究極的な暴力を終わらせようという試みがなされたこの歴史的な日に、沖縄・辺野古で起きていた出来事、それは南北会談とはあまりにも対極的なものでした。4月23日から始まった辺野古ゲート前連続6日間500人集中行動の終盤にさしかかったこの日、機動隊はキャンプシュワブのゲート前で建設をとめるために座り込んだ民衆を次々とごぼう抜きし、排除しました。
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  さらには、あろうことか、ごぼう抜きした人々を歩道の上で、柵や機動隊の車両を用いて囲み、出ることを禁じました。これはいつものことです。そしてこのような行為は令状もなにもない、不法な拘束です。憲法上、決して認められることがない法定手続きによらずに人々の自由を物理的に奪う、とんでもない行為です。抗議行動という表現の自由を侵害する行為そのものです。
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  私もまた、このごぼう抜きをされた人の一人でした。私がこの行動に参加した理由は、常に自分の研究の根底にある憲法の平和主義がまったく適用されていない沖縄で、一研究者として平和的生存権を侵害する巨大な権力、それを支えて続けてきた日本社会のありように正々堂々と抗議すべきだというふうに思ったからです。
 沖縄が憲法番外地であることを認識した以上、たとえどんなに短時間であったとしても、踏みにじられてきた沖縄の民衆の尊厳をともに奪い返すその活動に参加すべきだと思ったのです。座り込みをしている最中、また機動隊に両手両足を持たれて無理やり体を運ばれている最中、私の頭の中には何度も何度も繰り返し、ある光景が蘇りました。イスラエルの占領下にあるパレスチナで、人々が非暴力で抵抗するその姿です。粘り強く粘り強く抵抗する姿です。
  イスラエル兵が銃口を向けようとも、実弾で威嚇射撃をしようとも、音響爆弾、崔流爆弾などを投げようとも、そして実際に死者が出ることを前提に発砲しようとも、また戦車が人々を立ちふさごうとも、非暴力の抵抗するパレスチナ人。倒れた負傷者を懸命に救出するボランティアの救急隊員。こうしたパレスチナ人の姿と、基地建設に抗する、反対する沖縄の民衆が私の中では重なるのです。
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  また、パレスチナ人を徹底的に弾圧する若いイスラエル兵と沖縄で民衆を弾圧する機動隊の姿が重なるのです。暴力的な機動隊員の姿を目の当たりにしているときに、これが軍事組織による弾圧なら、さらにむごい惨状が繰り広げられることになるだろうと思わずにはいられませんでした。このような弾圧をもたらしている権力者たちは、東アジアの平和に緊張をもたらしかねない改憲を果敢に進めようとしています。手を緩めるわけにはいきません。
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  自衛隊の主たる任務は自衛隊法3条1項の前半に記載されているように国防にあります。しかし、後半には必要に応じ、公共の秩序にあたるものとすると書かれています。公共の秩序の維持の名の下で、自衛隊が治安出動することが認められるということです。言い換えると、民衆に銃を向ける可能性があるということです。沖縄の民衆に銃を向けることができるということです。
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  自衛隊の憲法明記とは、現実的に存在してきた自衛隊を単純に追認する、そんなものではありません。軍事組織としての自衛隊を憲法上の公的な存在にすることで、その活動を躊躇なく行うことができるようにするものです。安保法制、すなわち戦争法により、世界各地で武力行使が可能になった自衛隊に正々堂々と戦うことを求め、それに抵抗する者たちを容赦なく弾圧する可能性がぐっと増すことを意味します。そんなものは決して受け入れることはできません。
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  パレスチナ人をテロリストと呼び、自衛や対テロのための軍事作戦と主張するイスラエルによる過酷な軍事攻撃を受けている最中に、私は自衛や国防の名の下で正当化される軍事攻撃がいかに残酷で、醜いものであるかをこの身をもっていやというほど学びました。何よりも貴重ないのちを奪うだけではありません。徹底的に痛めつけることで、人間として生きることを支える尊厳を握りつぶそうとするのです。
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  そうであるからこそ、私は決してあきらめてはいけない命が、己の命が奪われようとされている極限的な状況下で、私という生身の人間の中に残されていた尊厳により、崩れ落ちそうになっている自分を支えていました。尊厳とは非暴力による平和を産み出す力であり、平和を支える力です。それが奪われそうになっているとき、あるいは奪われたときに人は抵抗するのです。人は生まれつき抵抗者ではありません。状況が抵抗者を生むのです。その実践の一つが、辺野古の座り込み闘争やパレスチナの非暴力による抵抗運動であると私は確信しています。
 4月27日、世界は南北会談を通して再び学んだはずです。非暴力による対話が現実的な平和をもたらす強力な手段であるということを。違いますか、皆さん。私が最近、代表編者を務めた改憲問題に関する本の中には、第2部の扉の絵として戦車の前に立っている女性らしき人物が出てきます。この絵を目にしたとき、自分の目から涙がこぼれ落ちました。これは私し自身が覚えているパレスチナで非暴力による抵抗運動に従事していたことの自分の姿です。私だけではありません、抵抗する仲間たちの姿です。自衛隊の憲法明記がなされ、日本社会の軍事化があらゆる場面で進められるときの未来図を示す絵でもあります。
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  軍事組織、軍隊は私たちの命を奪うことこそすれ、決して民衆を守るものではありません。軍事力に依拠する安全保障は、私たちの命を危険にさらします。そのことを私は体全体で記憶している経験から、私自身は学びました。私はこのような未来図とは無縁な世界に住みたいのです。抵抗が求められるような世界には住みたくありません。そのためには9条への自衛隊明記を含む改憲を阻止するだけではなく、非暴力という現実的な手段をもって日本国憲法の平和主義が平等に適用されるそんな社会を作る努力をすることが、私たちひとり一人に今強く求められていると思います。皆さん、何があってもどんなことがあっても改憲阻止しましょう。

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清末愛砂さんのスピーチ 動画はこちらから⇒ https://youtu.be/ytuObloZ81Y

英治コメント

  4月23日から始まった辺野古ゲート前連続6日間500集中行動、600 700 800 1500と参加者が増え続けました。我は、26日~清末さんたちと一緒に、「人に踏まれても眠ることはできるが、人を踏みつけたら眠ることはできない。肝苦りさん」という沖縄の格言を胸に秘めてキャンプシュワブのゲート前に座り込みました。我が子より若い機動隊員<帽子に白線1本>に引き抜かれ、装甲車と鉄柵に囲まれた歩道に収容された。
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 我を引き抜いた若い機動隊員に何歳かと話しかけました。「35歳です。話をするなと言われているんです」と言う▼採用時に日本国憲法を順守することを宣誓し、署名したよね、あなたたちのオジーやオバーがやんばるの森、海から食べ物を得て生きのびたからあなたたちはこの世に生を授かったのです▼そのありがたい森と海を無差別殺戮のための米軍基地にすることにあなたたちは手を貸しているのです。いのちの宝庫を守ろうという人々を弾圧しているのです▼あなたたちはそんなことをするために機動隊員になったのではないはず、仕事を終えて帰り、食事をしても美味しくないでしょう。私たちは、あなたたちが「うちなんちゅのいのちを守る」という本務につけるようにここで座り込みを続けているのです…。
 と話しかけてきました。機動隊員は次第にうつむきになっていきました。
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  清末さんの今日のスピーチは、辺野古ゲート前の座り込み、現場から身体で得た「非暴力・抵抗運動」の重要性だと思います。一緒に座り込みをしたことを嬉しく思います。
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元原発「技術労働者」の菊池洋一さんをお「原発をつくった私が、原発に反対する理由」

「原発をつくった私が、原発に反対する理由」
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反原発自治体議員・市民連盟第8回定期総会2018.4.22
GEの下請け会社で働いていた元原発「技術労働者」の菊池洋一さんをお招きして記念講演「原発をつくった私が、原発に反対する理由」をしていただきました。...
動画:https://www.facebook.com/100005256631651/videos/807087229476491/

菊池さんは
▼物理学者はいても、原子力技術者・専門家は世界中どこにもいない。
▼GEの原子炉の底は穴が開いている。ミツバチの巣のような状態です。
▼原発には屋根もない、あってもオブラート見たいなもの。なぜ屋根がないか、燃料棒をたてるから。
原発をつくった。
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 GEの下請会社で働き、原発を造っていた元原発技術労働者の菊池洋一さんをお招きして記念講演「原発をつくった私が、原発に反対する理由」をしていただきました。 その2...
菊池さんはこんなことを言っていました。
▼物理学者はいても、原子力の技術者・専門家なんて世界中どこにもいないんですよ
▼GEの原子炉の底は穴だらけ、ミツバチの巣のような状態です。屋根もないんです。あってもオブラートのようなものです。最上階のフロアーには柱を建てられないんです。燃料棒があるから
▼原発を設計しているのは、自信のない国の人たちです。だから日本に来て地震に遭うと「地面が揺れて動いている」って真っ青になります。
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では、では動画↓をお楽しみください。
https://www.facebook.com/100005256631651/videos/vb.100005256631651/807088186143062/?type=2&video_source=user_video_tab

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GEの下請会社で働き、原発を造っていた元原発技術労働者の菊池洋一さんをお招きして記念講演「原発をつくった私が、原発に反対する理由」をしていただきました。 その3
菊池:自身のない国の人が原発の設計をするんです。日本に来て地震に遭うと「地面が揺れて動いている」って真っ青になります。
https://www.facebook.com/100005256631651/videos/807135936138287/

Profile:講師のご紹介
 1973年から1980年の7年間、福島
第一原発と東海第二原発の建設に関わる。自分の目で生の現場をつぶさに見てきた経験から、50歳以降の20年近い人生を反原発運動に捧げている。

FBアルバム「第8回反原発自治体議員・市民連盟定期総会 2018.4.22」
https://www.facebook.com/profile.php?id=100005256631651&sk=photos&collection_token=100005256631651%3A2305272732%3A69&set=a.807289706122910.1073742066.100005256631651&type=3
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前湖西市長の三上 元 さん
2016年12月5日まで湖西市長を務め、現在、原発ゼロ自然エネルギー推進連盟(幹事)、脱原発をめざす首長会議(世話人)などで活躍中。

 


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『ゆず』が歌う…、「国歌はこっそり歌わなくちゃ」「君と見た靖国の桜はきれいでした」と続く。見事な愛国ポルノである 辛淑玉


週刊新社会連載 辛淑玉さんのコラム・たんこぶ『ゆず』第530回 2018.05.01
http://www.sinsyakai.or.jp/sinsyakai/tankobu/tankobu.html 

『ゆず』

 とうとう出てきたな、と思った。 昨年、NHK紅白歌合戦のトリをつとめたフォークデュオグループ「ゆず」の新曲が、旧軍の青年将校たちの登場を予感させるようなものだったからだ。 「この国に生まれ育ち 愛し 生きる」のリフレインと合わせて、「国歌はこっそり歌わなくちゃ」「君と見た靖国の桜はきれいでした」と続く。見事な愛国ポルノである。辛淑玉連載 たんこぶ 「君が代」を歌わないことを選択した教師たちが職場を追われたり、嫌がらせを受けたり、ご丁寧に口パクすら調査して処分の対象にされたりするこの国で、君が代をこっそり歌う必要などどこにあるのか。ネトウヨ特有の逆恨み、被害妄想そのままだ。
  作詞した「ゆず」の北川氏は、音楽雑誌に「文章にして読み上げると危険そうな内容も、ポップソングにしちゃえば、何だって歌にできる」「自分が大切だと思うことは、ちゃんと伝えたくて」と語っていた。彼にとっては、愛国も、靖国も、君が代も大切なのだろう。
  そして、その曲のタイトルが「ガイコクジンノトモダチ」である。歌詞ではその「外国人の友達」が「私、日本がとても好きなんです。あなたはどこが好きですか」と問いかける。まさに「日本すごい!」の番組がそのまま歌になったようなものだ。
  ヨーロッパで「君と見たナチスの旗は美しかった」なんて歌を発表したら、そのまま刑務所行きだろう。日本ではそれが許されるから世界中の極右が日本に憧れるのだ。
  かつて、芸能界には在日が多かった。就職差別の結果、実力で勝負できる「スポーツ」と「芸能」に人材が流れ込んだからだ。長い間、NHK紅白歌合戦は在日抜きでは成立しえなかった。
  そして、スポーツなどの大イベントでは、多くの場合、歌唱力のある彼らが選ばれて、試合の前に朗々と「君が代」を歌った。そんな在日歌手の姿は、在日にとって、見事な見せしめだった。
  しかし、もうそんな仕掛けをする必要もない。ゆるふわな若者たちが、心の痛みもなく靖国を賛美するようになったからだ。彼らはこれを表現の自由と呼ぶ。


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