嶋﨑英治のブログ「いのちが大事~日々の思い」

私たちの日本国憲法は、日本の侵略戦争の反省から、前文と9条で戦争をしないことを世界中の人々に約束しました。非武装・不戦を謳った9条は究極の安全保障です。原発の惨事は全ての命にとって脅威になっています。世界中の子どもたちが安心して陽の光を受け・遊び、夜は暖かい夜具の中で安心して眠ることができるように、1日でも早く、実現したい。その思いを日々綴って生きます。

難民

『帰結点の違い』辛淑玉さんの人気コラム「たんこぶ」(「週刊 新社会」好評連載中)

週刊新社会連載 辛淑玉さんのコラム・たんこぶ『帰結点の違い』第529回 2018.04.24
http://www.sinsyakai.or.jp/sinsyakai/tankobu/tankobu.html

『帰結点の違い』

 ドイツに来て一番受けたのは、「ニホンて中国のどこにあるの?」という質問だった。
  ある友人は、ドイツ人から「モンゴルは日本の領土だったのになぁ…」と言われて「?」となり、「満州国」のことだと思い至るのに時間がかかったという。辛淑玉連載 たんこぶ
  私の周辺のドイツ人の日本観は、大きく二つに分けられる。中高年以上はハラキリサムライ、フジヤマ、ゲイシャにカミカゼだ。若い人はアニメとコスプレである。レストランの店長が、腕一面にマンガ「ワンピース」の入れ墨を彫っていたのには笑ってしまった。
  彼らはそうやって日本文化を楽しみながらも「日本の女性像は歪んでいる」と指摘する。子ども顔にミニスカート、内股X脚で巨乳という、信じられないキャラが巷を席巻しているからだ。次いで、「日本の男は、愛の消費はしても与えることを知らない」と話は弾む。
  ふと、日本人の友人が「日本の男でフェミニストは天皇くらい」とつぶやいた。そして、「天皇としての最後の公務が沖縄訪問だったことは嬉しい」と言った。この友人は、日本でいうところのリベラルである。私は、敗戦後の昭和天皇の最後の勅令で私たちは日本人から外されたこと、明仁夫妻が沖縄入りした3月27日は琉球処分(植民地化)の日で、翌28 日は与那国島に配備された陸上自衛隊の2周年記念日だと指摘した。
  「天皇は利用されたのでは?」と言う友人に、「当事者は何としても『天皇家』を維持しようと必死なのでしょうね。反戦政治家安倍寛の支持者たちの子孫が今は安倍晋三を支えるように。まさに家制度」と言うと、沈黙が流れた。
  この国を破滅させた最大の戦犯の子として生きるのは辛いことだろう。しかし、本当に過去を反省し、平和を望むのなら、明仁氏は少なくとも天皇になることを固辞すべきだった。ドイツの戦後世代は、ナチスに加担した親を徹底的に批判することからスタートした。愛があっても批判は可能なのだ。
  今日も、戦争犯罪を告発し続けるテレビチャンネルで、嫌と言うほどナチスの犯罪が暴かれている。自国の罪から目をそらすのは許されないことを、ドイツ社会は教え続けている。

英治コメント:
1 明仁天皇と美智子さんが沖縄の旅に出発した3月27日は、「琉球処分の日」
 明治政府による琉球藩設置から分島問題の終結までをいう。明治維新にともない、1872(明治5)年、明治政府は〈琉球国〉を廃して〈琉球藩〉とし、廃藩置県に向けて清国との冊封関係・通交を絶ち、明治の年号使用、藩王(国王)自ら上京することなどを再三迫った。が、琉球が従わなかったため、79年3月、処分官、松田道之が随員・警官・兵あわせて約600人を従えて来琉、武力的威圧のもとで、3月27日に首里城で廃藩置県を布達、首里城明け渡しを命じ、ここに事実上琉球王国は滅び、〈沖縄県〉となる。(出典:琉球新報2003年3月1日)
https://ryukyushimpo.jp/okinawa-dic/prentry-43391.html

2 1945年3月23日以来、米艦載機による沖縄本島に対する攻撃が活発となった。24日には沖縄本島南部沖合に米艦艇が目撃され、これ以降沖縄本島南部地区に対して艦砲射撃が開始された。沖縄第32軍はこの状況から、沖縄本島南部(湊川地区)への上陸を考慮、防御を担当する独立混成第44旅団の戦備の度を強化した。
   27日からは本島全域(特に飛行場のある伊江島・嘉手納・読谷地区)に対して米艦載機が来襲した。
出典:米軍の上陸戦闘
http://www.okinawa-senshi.com/landing-new.htm    
 
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日本は、難民を排出する国になったのです。辛淑玉

週刊新社会連載 辛淑玉さんのコラム・たんこぶ『難民として』第528回 2018.04.17
http://www.sinsyakai.or.jp/sinsyakai/tankobu/tankobu.html

『難民として』

 
 すでに他のメディアでも流れているのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、私は昨年の11月末にドイツに移住しました。辛淑玉連載 たんこぶ
  政権中枢を含む極右勢力のターゲットにされたからです。生活を脅かされるくらいなら外に出てもっと勉強をしようと思い、ドイツの日本研究所に籍を置いたのです。
  しかし、学べば学ぶほど、日本の政治の酷さが体の奥深くまで染み込み、在日の歴史を知れば知るほど絶望が深くなります。同じ在日三世の友人は、「辛淑玉は知らなかったから走れた。日本の本当の姿を知っていたら、脳が抑制して心も体も縛られていたはずだ」と言いました。そのとおりでした。
  今年3月にはBPOで勝ち、その勢いに乗ってネトウヨ相手に裁判まで起こしたのだから、「ゴキブリ以下の朝鮮人の女」である私への憎悪は膨らむ一方です。今度は、海外で日本の悪口を言っているとして、いかに私がひどい存在かを必死でキャンペーンしています。
  そして大衆は、それをゲームでも見るように喜んで見ているのです。デマで塗り固められた日本社会で「国民の敵」となった私の生きる場所は、残念ながら日本にはもうありません。
  「辛淑玉さんを守れなくて申し訳ない」というコメントが届きますが、そう言う人は、自分もやられるとは思っていません。しかし、私が潰されれば、次は共食いが始まります。彼らはいつも「敵」を求めて彷徨っているのですから。
  日本社会が再生不能の状態に陥る前に、マジョリティによる抵抗運動が必要なのです。そのなり手に、自称「日本人」はなれるでしょうか。野党はなれるでしょうか。新社会の支持者はなれるでしょうか。 マイノリティが、在日が安心して暮らせる社会であることが、日本の民主主義の最後の砦だったのです。しかし、それも、もうありません。 安倍友の一人、山口孝之によるレイプを告発した伊藤詩織さんがイギリスに渡り、私がドイツに渡る。国家権力に抗うものには、大衆の手で制裁がなされる。私たちは難民なのです。日本は、難民を排出する国になったのです。

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