2021年04月12日
小さな旅、奥野ビル
久々に、プチ冒険してきました。
10日ほど前のこと。築地に用があって出かけて、帰りに銀座を散歩しました。初夏のような陽ざしで、気持ち良い日でした。
大通りに面した華やかな服やバッグの店は、ウィンドウを眺めて素通りし、裏通りへ。そうそう、ここまで来たらあのビルを見てみようと、銀座1丁目に足を向けました。

奥野ビル。
昭和初期に建てられた7階建てのアパートです。

入口の左側には、アンティークショップ。
外壁はシックな色のタイルです。
前を通ったことは何度もありましたし、ときどきマスコミにも載るビルですが、中を見たことは一度もありませんでした。
よし、今日は入ってみよう。
入口を入ったところにある各階の案内板を見ると、大半がギャラリー。ショップやオフィスもありますが、住居として使っている人はいないようです。

エレベーターはこんな感じ。
ドアは手動式です。

私は階段を上りました。
コンクリートの階段、木の手すり、壁も天井も古くて、こういう古い建物、大好き!
外の暖かさと違って、ひんやりした空気が満ちています。

階段の壁に、こんなスペースも。

狭い廊下の片側に、部屋が並びます。
絵画、版画、イラスト、布など、いろいろな展覧会が開かれていました。
1フロアずつ階段で上り、廊下を一回りして見ていきました。
古い建物のオーラを全身に感じつつ、ん、何かが足りない。
そうだと思い、マスクを外しました。匂いです。これを感じなければ。ここにしかない匂い。探していたピースがはまった、という感じでした。
とここで、以前にもこんな冒険したなと思い、記憶をたぐると、そうでした。熊本の古いビル。大正時代に建てられた早野ビル。ブログにも書きました(2014年6月)。
ただ少し違うのは、早野ビルは日本初の「貸しビル」で、奥野ビルは「アパート」だということです。
そのため、奥野ビルは早野ビルに比べて廊下が狭く、天井も低く、一部屋の広さも小さめなのでした。
外に出て、明るい光の中、夢から醒めたような気分でした。
1年余り、旅もできない日々。小一時間、異空間への旅でした。
10日ほど前のこと。築地に用があって出かけて、帰りに銀座を散歩しました。初夏のような陽ざしで、気持ち良い日でした。
大通りに面した華やかな服やバッグの店は、ウィンドウを眺めて素通りし、裏通りへ。そうそう、ここまで来たらあのビルを見てみようと、銀座1丁目に足を向けました。

奥野ビル。
昭和初期に建てられた7階建てのアパートです。

入口の左側には、アンティークショップ。
外壁はシックな色のタイルです。
前を通ったことは何度もありましたし、ときどきマスコミにも載るビルですが、中を見たことは一度もありませんでした。
よし、今日は入ってみよう。
入口を入ったところにある各階の案内板を見ると、大半がギャラリー。ショップやオフィスもありますが、住居として使っている人はいないようです。

エレベーターはこんな感じ。
ドアは手動式です。

私は階段を上りました。
コンクリートの階段、木の手すり、壁も天井も古くて、こういう古い建物、大好き!
外の暖かさと違って、ひんやりした空気が満ちています。

階段の壁に、こんなスペースも。

狭い廊下の片側に、部屋が並びます。
絵画、版画、イラスト、布など、いろいろな展覧会が開かれていました。
1フロアずつ階段で上り、廊下を一回りして見ていきました。
古い建物のオーラを全身に感じつつ、ん、何かが足りない。
そうだと思い、マスクを外しました。匂いです。これを感じなければ。ここにしかない匂い。探していたピースがはまった、という感じでした。
とここで、以前にもこんな冒険したなと思い、記憶をたぐると、そうでした。熊本の古いビル。大正時代に建てられた早野ビル。ブログにも書きました(2014年6月)。
ただ少し違うのは、早野ビルは日本初の「貸しビル」で、奥野ビルは「アパート」だということです。
そのため、奥野ビルは早野ビルに比べて廊下が狭く、天井も低く、一部屋の広さも小さめなのでした。
外に出て、明るい光の中、夢から醒めたような気分でした。
1年余り、旅もできない日々。小一時間、異空間への旅でした。
2021年03月17日
舞台「日本人のへそ」
日曜日に、新宿の紀伊国屋サザンシアターで「日本人のへそ」を観てきました。
井上ひさし作、1985年こまつ座初演の芝居です。
私の小中高の同級生の、久保酎吉さんが出演するので、久しぶりの舞台、楽しみに出かけました。
とにかく、面白いものをありったけ詰め込んだ、大人のおもちゃ箱をひっくり返したようなお芝居でした。13人の芸達者な役者たちが、舞台の上を所狭しと踊り、歌い、しゃべる。
舞台袖のピアニストが、巧みに芝居を盛り上げる。
地方と東京、善と悪、男と女、金に欲・・・。人間の表も裏も、笑わせながら見せてしまう役者たち。
小池栄子が抜群のスタイルで踊るストリッパー、きれいだった!井上芳雄の歌も踊りも演技も、男の色気たっぷり!
幼なじみの久保酎吉さんは、最年長ながら若い人たちに引けを取らず、踊っていました。
休憩をはさんで、3時間余りの芝居。生の人間のお芝居は、やっぱりすごい。劇場がエネルギーで満杯。
見終わってわかったこと。元気は与えるものでも、もらうものでもない。元気のある人を見ることで、自分の中から湧き上がってくるものなのですね。
難病の息子の看病が長く続き、気持ちが疲れ果てていましたが、「日本人のへそ」を観て、また生きる元気が湧いてきました。
本当にありがとう。
こういう時期にお芝居をやる、役者もスタッフもどれほど大変かと思います。それでもみんなが幸せな気持ちになれる。
東京の公演が終わったら各地を回るようです。長丁場、健康で、お芝居をやりきってほしいと、願っています。
井上ひさし作、1985年こまつ座初演の芝居です。
私の小中高の同級生の、久保酎吉さんが出演するので、久しぶりの舞台、楽しみに出かけました。
とにかく、面白いものをありったけ詰め込んだ、大人のおもちゃ箱をひっくり返したようなお芝居でした。13人の芸達者な役者たちが、舞台の上を所狭しと踊り、歌い、しゃべる。
舞台袖のピアニストが、巧みに芝居を盛り上げる。
地方と東京、善と悪、男と女、金に欲・・・。人間の表も裏も、笑わせながら見せてしまう役者たち。
小池栄子が抜群のスタイルで踊るストリッパー、きれいだった!井上芳雄の歌も踊りも演技も、男の色気たっぷり!
幼なじみの久保酎吉さんは、最年長ながら若い人たちに引けを取らず、踊っていました。
休憩をはさんで、3時間余りの芝居。生の人間のお芝居は、やっぱりすごい。劇場がエネルギーで満杯。
見終わってわかったこと。元気は与えるものでも、もらうものでもない。元気のある人を見ることで、自分の中から湧き上がってくるものなのですね。
難病の息子の看病が長く続き、気持ちが疲れ果てていましたが、「日本人のへそ」を観て、また生きる元気が湧いてきました。
本当にありがとう。
こういう時期にお芝居をやる、役者もスタッフもどれほど大変かと思います。それでもみんなが幸せな気持ちになれる。
東京の公演が終わったら各地を回るようです。長丁場、健康で、お芝居をやりきってほしいと、願っています。