英語を身に付けたいならこの3点を意識せよ

 大手のみならず、今や中小企業も海外進出する時代になりました。ビジネスのグローバル化はどんどん進み、海外勤務も一部ビジネスパーソンだけの話ではなくなってきています。



 一方、日本人の多くが英語に自信を持っていません。産業能率大学が行った「新入社員のグローバル意識調査」(2015年度調べ)によると、『海外で働いてみたいか』という問いに対して、新入社員の63%が「働きたくない」といい、その理由としていちばん多かったのが、「自分の語学力に自信がないから」と答えています。このままではグローバル化が進む現代で、日本のビジネスパーソンだけ大きな後れを取ってしまいかねません。

 私は長らく英語教育に携わってきていますが、私たちが中学・高校・大学と10年近く英語を勉強してきたのに、まったく英語が話せないのは、「間違った勉強法」をやってきたからだと実感しています。

逆に言えば、その「間違った勉強法」をやめて、正しい勉強法を実践すれば、短期間でも英語の力は上がります。拙著『60万人が結果を出した「ネイティブ思考」英語勉強法』でも解説していますが、間違った勉強法を正すには、「3つのこと」を意識しましょう。■ 英語ベタの日本人を生む「返り読み」の弊害とは? 

 まず1つめが「返り読みをしない」です。

 たとえば、「I saw the painting which she had bought at the auction」(私は彼女がオークションで買った絵を見た)という英文があります。

 あなたがこの英文を訳すとしたら、どういう順番で訳すか、番号をつけてみてください。おそらく多くの方がカッコ内の順番どおりに、「英語の語順」を崩し、文中を行ったり来たりしながら「日本語の語順」に訳して読むのではないでしょうか? 

 「I(①) saw(⑦) the painting(⑥) which(⑤) she(②) had bought(④) at the auction(③)」(私は彼女がオークションで買った絵を見た)

 このような和訳をすれば、日本人にとっては大変なじみの良い訳になります。ところが「返り読み」には致命的な欠陥があります。英文を行ったり来たりしながら訳すため、時間がかかって仕方ないということです。

 このやり方ではネイティブとコミュニケーションをしたとしても、まるで役に立ちません。なぜなら、頭の中でいちいち英文を思い出して、英文を「返り読み」してしまうため、会話のスピードにまるでついていけず、何を話したか、意味が分からなくなります。

 次に「英語の語順」を意識してみましょう。

 あなたがネイティブと会話をしているシーンを想像してみてください。会話の場合、当然、しゃべった順番通りに英語が出てきます。しかし、日本人は英語を文末まで待ってから意味を理解しようとするので非常に効率が悪くなります。しかも、「返り読み」を使って、「日本語の語順通り」に英語を組み替えようとしますから、会話をしていても、スムーズにキャッチボールができないのです。

 では、今度はネイティブ同士の会話を思い浮かべてください。彼らは相手の話を聞いた瞬間、即座に反応しているはずです。これは彼らが、英語の意味を文頭から理解していくことに慣れているからです。

 そもそも英語とは、まず「結論」があって、その結論について付帯状況を連ねて説明し、膨らませていく言語です。ネイティブたちにとって「結論」から理解していくというのは、ごく普通のことといえるのです。そのため、私たちが英語を勉強するうえでは、「英語の語順」で意味を理解することが必要となるのです。

■ 「意味のまとまりごとに理解する」

 3つめが「意味のまとまりごとに理解する」です。

 たとえば、あなたが「返り読みをしない」「英語の語順で読む」を意識してネイティブと会話をした場合、必然的に新しい情報を頭からどんどんインプットしていくことになります。ところが、ネイティブの話す英語を文頭から文末まで聞いて、一瞬ですべてを訳すことなどできませんよね。そこで、具体的には英文を「意味のまとまりごとに理解する」ことで、分割して日本語訳をしていくのです。

 つまり、ネイティブと会話をしていて「I want to go to see a movie next week」と聞けば、先に「I want to go」までを「私は行きたい」と訳します。その後、「to see a movie」を「映画を見に」と訳し、最後に「next week」を「来週」と訳せば、返り読みすることなく、英語の語順のまま、日本語訳できるのです。これができれば、会話がスムーズになります。

 こうしたネイティブと同じような思考で、英語を考えるのを「ネイティブ思考法」といいます。英語が苦手な人でも①「返り読み」をせず、②「英語の語順」どおりに、③「意味のまとまりごとに理解する」ことを意識して勉強できれば、短期間で効率的に英語力をアップできるはずです。それは「聞くとき(=Listening)」も、「話すとき(=Speaking)」も、「読むとき(=Reading)」も、「書くとき(=Writing)」も、すべて同じです。