2009年09月25日

稻羽の素ウサギ(続編)

サー、大変です。

 

ヤガミヒメの言葉を聞いた兄神たちは、怒り狂いました。

 

そして、帰りの道々、オオアナムジが遅れてついてくるのをいいことに、

 

オオアナムジへの復讐を計画しました。

 

「まだ、二人は結婚したわけじゃあねェ!結婚する前にオオアナムジを

 

殺してしまおう」

 

「そうだそうだ、それがいい」

 

「そこでだ・・・・・」

 

兄神たちはオオアナムジを暗殺する計画をひそかに企て始めました。

 

 

そんなこととは露知らず、オオアナムジはのん気にしていました。

 

そこに兄神達が現れて、こう言いました。

 

「オオアナムジよ、お前、ヤガミヒメにプレゼントしたかい?」

 

「アッ、そうだ。まだしてないや」

 

「それは、婚約相手に失礼と言うものだよ」

 

兄神たちは親切そうにオオアナムジの肩を抱いて言いました。

 

「お前、戦いや狩の手柄を今まで立てたことが無いだろう」

 

「ウン。そうだね」

 

「そこでだ、イノシシ狩をして、大イノシシを捕まえてヤガミヒメに

 

プレゼントするんだ。そうすれば、プレゼントと、狩の手柄話と両方が

 

一度に出来ちゃうぞ。それを俺たち皆で手伝ってやろうと考えたわけだ」

 

「・・・・・・・」

 

「今まで、お前には、いろいろ世話になったから、ここらでひとつお返しを

 

しようと思ってるんだ。どうだい」

 

「うん、ありがとう、兄さんたち。お世話になります」

 

オオアナムジはうれしそうにそう言いました。

 

いよいよ、イノシシ狩の日がやってきました。

 

場所は、出雲と稲羽の国の間にある伯耆の国(現在の鳥取県西部)です。

 

「いいか、オオアナムジ。この山には真っ赤な色をした大イノシシがいるんだ。

 

それはめずらしいいのししだから、ヤガミヒメは喜ぶぞ」

 

そんなイノシシがいるわけありませんが、兄神たちはそういいました。

 

そして

 

「俺たちが山の上から大イノシシを追い立てるから、お前はここにいて、そいつを

 

捕まえるんだ。そうしたら手柄はみんなお前にゆずってやる」

 

「じゃー僕はここに隠れてまっているだけでいいんだね。ありがとう、兄さん」

 

 

ずいぶんと時間がたちました。その間に兄神たちは、オオアナムジが隠れている

 

場所からまっすぐ坂を上ったところで、焚き火をして、大きな岩が真っ赤になるまで

 

焼いていました。そして、その岩を坂の上から転がしたのです。

 

「おーい、オオアナムジよ、そっちにイノシシが逃げたぞー」

 

オオアナムジはそれを聞いて、

「みんながせっかくイノシシを追い詰めてくれたんだ。僕はやるぞー!」

 

と言って、その火のかたまりのような岩にとびつきました。

 

しかし、その瞬間、オオアナムジはい岩に跳ね飛ばされて、動かなくなって

 

しまいました。

 

兄神たちは、たおれているオオアナムジを、さんざん蹴っ飛ばして、動かない

 

ことが分ると、そのままオオアナムジを山に残して帰っていってしまいました。

 

 

出雲ではオオアナムジのお母さんのサシクニワカヒメが、心配していました。

 

兄神たちは帰ってきたのにオオアナムジは帰りません。兄神たちに聞いても

 

教えてくれません。

 

サシクニワカヒメは一人で、わが子オオアナムジを探しに出掛けました。

 

「キャーッ!」

 

伯耆の国を歩いていたサシクニワカヒメは、大けがをしているオオアナムジを

 

見て、悲鳴を上げました。

 

ぺしゃんこで、おおやけどのわが子を見て、気を失いかけましたが、なんとか

 

しなくてはと、カミムスヒに祈りました。カミムスヒは、イザナギとイザナミ

 

より、もっと前から宇宙の中心にいた、大神様です。

 

カミムスヒはわが子を思う母親の気持ちをかわいそうに思い、特別の薬を

 

届けました。

 

その薬を塗りこむと、オオアナムジはスッカリ元気になりました。

 

オオアナムジはお母さんの愛の力によって、奇跡的に生還したのです。

 

 

帰ってきたオオアナムジを見て、兄神たちはびっくりしました。そしてまた

 

また懲りずに、オオアナムジを木と木の間にはさんで、ぺしゃんこにつぶして

 

しまいました。

 

この時もまた、サシクニワカヒメの懸命な看護でオオアナムジは命をとりとめ

 

ました。しかし、このままではオオアナムジが兄神たちに殺されてしまうと

 

考えたサシクニワカヒメは、木の国(現在の和歌山県)に住む家屋の神である

 

オオヤビコのもとにオオアナムジを逃がしました。

 

それでもなお、兄神たちは木の国までオオアナムジを追いかけてきて、オオアナムジを

 

殺そうとしました。

 

かばいきれなくなったオオヤビコは、ある大木を指さし、その木の股の中に入り;

 

そこから続く洞くつをまっすぐ進んで逃げるよう言いました。

 

オオアナムジは言われたとおり木の股から続く洞くつの奥へ奥へと逃げました。

 

兄神たちはオオアナムジを見失ったので、出雲に帰っていきました。



yumehiko1 at 14:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年08月19日

いなばのしろうさぎ

夢彦から車で10分余りのところに白兎海岸があります。

 

普段、夏は海水浴客で賑って、側を通る国道9号線が渋滞します

が、
今年の夏はご存知の天候で、さほどの賑わいもみせぬまま、

終わってしまい
そうです。

 

最近、この白兎海岸にまつわる有名な神話「因幡の白うさぎ」の

お話を、
知らない子供達が増えてきました。

 

そこで、正しい「因幡の白うさぎ」の話を皆様にお伝えしようと、

 

「日本の神話」副題(親から子へ語り継ぎたい) 幻冬舎ルネッサ

ンス刊  
伊東利和著

 

を購入し抜粋して書き記すことにしました。

 

どうぞお子様方に語り聞かせてあげてください。

 

 

稲羽の素ウサギ

 

島根県出雲市内にお祀りされているのが大国主の神様です。

 

昔、出雲にオオアナムジという神様がいました。

 

オオアナムジは、スサノオとクシナダヒメの子孫です。

 

オオアナムジにはたくさんの兄神がいるのですが、優しい性格だっ

たので、
兄神達からこき使われたり、虐められたりしていました。

 

稲羽にヤガミヒメという美しい娘がいるという話が伝わってきまし

た。

 

兄神たちはヤガミヒメにプロポーズするために稲羽へ行くことに

なりました。

 

そこで兄神たちは、プレゼントの品を用意しましたが、それを全部

オオアナムジ
に持たせました。

 

オオアナムジは兄神達の重い荷物を持たされて、兄神達が見えない

くらい
遅れてしまいました。

 

稲羽の気多の岬(現在の鳥取市の白兎海岸)まで、やって来ると、

浜の砂の中に
何やら変なものが落ちています。

 

よく見るとそれは全身の毛皮をむしられたウサギでした。

 

ウサギはとっても痛かったのでしょう、気を失っていました。

 

かわいそうに思ったオオアナムジは、ウサギを抱きかかえて、きれ

いな水の
わき出る池につれて行き、ウサギの傷をていねいに洗いま

した。

 

オオアナムジは近くに生えているがまの穂をたくさん集め、がまの

穂綿の
ベッドを作って、そこにウサギをそっと寝かせました。

 

ウサギが気づいた時にはもう夜になっていました。

 

目をあけると、オオアナムジが焚き火をしているのが見えました。

 

ウサギはてっきり、自分が食べられてしまうに違いないと思ったの

です。

 

ウサギが気付いたのがわかったオオアナムジは、がまの穂のベッド

を直して
やり、水も飲ませてあげました。

 

そしてオオアナムジは、少し元気になったウサギにどうしてあんな

ケガを
したのか聞きました。

 

ウサギはもともと沖にある島に住んでいました。

 

でも島には自分以外のウサギの仲間は、いっぴきもいません、お父

さんも
お母さんも早く死んでしまったのです。

 

ウサギが島の高いところに登ってながめると、海の向こうに陸地が

見えました。

 

ウサギはあそこまで行けばキット仲間がいるにちがいないと思った

のです。

 

でも陸地は、泳いで行くことはできない遠いかなたにありました。

 

ある日、島のまわりにたくさんのワニザメがやってきました。

 

ウサギはそれを見てシメタと思いました。

 

そして海岸まで走って行き、「ワニザメさんたちはとても仲間が多

いんですね」と
話しかけました。

 

ワニザメは「それはすごい数の仲間がいるよ」と自慢しました。

 

ウサギは「それでは私の仲間と、どちらが多いか、数くらべをしま

しょう」と
言ってワニザメたちに遠くの陸までならばせて、ひ、

ふ、み、よ・・・・・・
と数えながら、陸のそばまでぴょんぴょん

とんでいきました。

 

そして、もうひとっとびで陸にわたれるという時に、ウサギはうっ

かり、数比べ
なんかどうでもよくて、陸に渡りたかったことを言っ

てしまいました。

 

怒ったワニザメはウサギを海に落とすと、真っ白な毛を全部はいで

しまいました。

 

ウサギはあまりの痛さにふるえながら砂浜にうずくまっていまし

た。

 

そこに通りかかったのが兄神たちでした。

 

兄神たちはウサギをつかまえると海の中にほうりこみました。

 

ウサギはしにものぐるいで陸に泳ぎつきましたが、砂まみれにな

り、太陽の光に
てらされて、傷口は前にもましてヒリヒリと痛く

て、とうとう気を失ってしまって
いたのです。

 

そこに通りかかったオオアナムジに助けられたウサギは、ヤガミヒ

メのお婿さんに
なるのは、きっとあなたですとオオアナムジに言い

ました。

 

そのころ兄神たちはもうヤガミヒメの家についていました。

 

そしておくれてきたオオアナムジからプレゼントの品を受け取る

と、われ先に
ヤガミヒメにプロポーズしました。

 

ヤガミヒメは兄神たちにはみむきもしません。

 

そして、遅れてきたオオアナムジに向かって、私のお婿さんはオオ

アナムジ様ですと言ったのです。

 

 

長くなるので今日はこのへんまで・・・・・


 



yumehiko1 at 20:08|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2009年07月24日

[大人組] Kansai

先月20日過ぎに、(株)プラネットジアースから取材に

来ていただきました。

この会社は、私は知らなかったのですが、「大人組 

Kansaiと言う雑誌を発行されています。

先日、当館の掲載された、8月号を送って頂きました。

てっきり、旅行関係の雑誌と思っていたのですが、

そうではなくて、大人向けの、グルメ情報や、その時期に

合った特集が掲載されており、綺麗な写真が一杯の大人

の絵本といった感じでした。

当館は49ページに載せて頂いておりますが、33ページ

中、上の写真も当館のお風呂です。

グルメ通販も満載です。

興味のある方はご覧になってください。

yumehiko1 at 18:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年07月22日

童話:「因幡(いなば)の白兎」

妹から「いなばのしろうさぎ」の童話の本、何処かにないかと
尋ねてきた。孫に読ませたいのだそうだ。
大阪の本屋に並んでいないそうだ。

因幡(いなば)と言えば鳥取県の東部一帯の総称。
それで聞いてきたんだろうが、大都市にないものが、片田舎の
書店にある訳もなく、記憶を辿りながら、それこそ昔々の聞覚え
を記してみようかと・・・・・

今日は、ホントの聞覚え、次回は、出典である古事記から、少し
ハイレベルな記事を書いてみよう。

むかし、むかし、「いなば」と言う国がありました。
その国の浜辺から、遠くはなれた島に、ウサギが住んでいました。

ある日、ウサギは遠くに見える「いなば」の国を眺めていました。
すると、どうしても「いなば」の国へ行ってみたくなりました。

そこで、海にいたワニザメに言いました。

「ワニさん、ワニさん、私の仲間とワニさんの仲間と、どちらが多い
か比べてみませんか?」

と言って、たくさんのワニザメを並ばせました。

そして、背中の上を、「ひとーつ、ふたーつ、みっつー、」と数を数え
ながら、ピョンピョンはねて、いなばの国の近くまで来ました。

もう少しで岸に着くと言う時に、ウサギはあまり嬉しかったので、
ついウッカリ

「ワーイ、ワーイ、だましてやった。本当はいなばの国へ渡りたか
っただけなんだー」

と言ってしまいました。

怒ったワニザメはウサギを海に落として、毛をむしり、丸裸に
してしまいました。

ウサギが浜辺で泣いていると、そこに、たくさんの神様たちが、通り
かかりました。
その中の一人の神様が

「やあウサギ君、その傷は海水に体をつけてから、お日さまにあた
って、乾かしたら治るよ」

と言いました。

ウサギがそのとおりにすると、前よりモットモット痛くなったので、
ウサギは転げまわって苦しんでいました。

そこへ、お兄さん神たちの荷物をいっぱい持たされた、大国主命
(おおくにぬしのみこと)がやってきました。

大国主命はウサギを見てかわいそうに思い、

「ウサギさん、あの池から湧き出ている、きれいな水で、体を洗い、
ガマの穂綿(ほわた)にくるまって、休んでいてごらん」

と言うと、お兄さん神の後を追っていきました。

ウサギが大国主命の言った通りにすると、しばらくしたら、元通りの
すっかり元気な姿に戻りましたとさ。

めでたし、めでたし。

yumehiko1 at 10:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年07月18日

海水浴雑感

2年ほど前までは、当館から10分程の所に浜村海水浴場が
あったし、青谷にも井出が浜海水浴場があったのだが、今は
もう海水浴場として機能していない。

鳥取県の浜辺は、何処も汚染知らずで、海水浴をするには
絶好の条件にあるのに、ドンドン安心して泳げる場所が減って
行くのは残念なことだ。

原因の第一に挙げられるのは、海水浴を楽しむ人が少なく
なったことだろう。
都会の若者たちは、レジャーが多様化した現在、わざわざ鳥取
くんだりまで来て泳ごうと言う人は少数派になってしまい、ファミ
リー層も紫外線の問題や、最近、騒がれている離岸流の問題
等で、海離れが進んでいるのだと思われる。

我々の立場からすると、鳥取県は「観光立県」を標榜している
からには、何とか既存の施設だけでも継続して貰いたかったの
だが、昨今のような財政状況の中では、そんなことを発言する
のもなかなか勇気の要ることである。

遊泳区域の囲い込みのブイの設置、監視人の常駐、更衣室と
シャワー施設でどのくらいの費用が要るのかは分からないが、
行政としては、費用のことよりも、種々の責任の問題が最大の
ネックなのかもしれない。

先だって元海水浴場のあった地区の役場に問い合わせたら、
「自己責任で泳がれるのは構いません」、とのことだった。
自己責任を放棄してしまった日本人が、ドンドン自分達の行動
可能域を狭め、更には行政から自己責任を押し付けられている
のが現状なんだろう。




yumehiko1 at 22:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)