正直私はこの本に出会ってから2度購入をスルーしました。「待っていてもはじまらない」「ポジティブに生きる」等の類のタイトルの本はもう読みつくしたとうぬぼれていたからです。「だいたいこういうことが書かれているんだろう」と、2度スルーしました。

ですが3度目に目についたときに購入。3回出会ったら運命だ、という自分の中の出会いの法則に従った形での購入でした。

■待っていても、はじまらない。-潔く前に進め-



結論から言うと買ってよかった。
電通のコピーライター阿部広太郎さんが、6人のゲストとの対談を交えながら、自身の経歴や行動が書かれた本。

"嘘をつくのが好きだから"と「脚本家」の道を選んだ「渡辺雄介」さんや、"何者だとも思われたくない"と、お笑いやイラストなど様々なジャンルで活躍する「芦沢ムネト」さんなど「行動」をし続ける人6人との対談が刺激的。

そして6人との対談はもちろん、対談の合間に挟まれる阿部さんの経験談や見解部分に特に惹かれました。 

本でも対面でも、動く習慣のある人のストーリーは必ず面白い。そして私が本を読み進める中で一番最初に目に飛び込んだフレーズ「言葉の人であり、行動の人でありたい」。この一言は、私がなりたい像そのものでした。



「行動しなければ何も始まらない」そんなことは誰もが頭では分かっているし、それなりに日々なにかの行動は起こしていると思うんです。

ただ、それは本当に自分がなりたい自分になるための全力なのか。私は下記の一文にハッとさせられました。

「一万時間」と呼ばれる法則がある。世界で成功を収めているビジネスマンやスポーツマンなど、何者かになれた人に共通しているのは、一つのことに対して、どれだけの時間、打ち込めているかが重要であること。」

時に「何者かになれた人」は自分とは違うと思う瞬間があります。今後、そう思う瞬間があった時に「一万時間やってから言え」と、自分へのケツ叩きの言葉として控えておきたいと思いました。


また、劇作家、演出家であり映画監督、俳優など幅広く活躍する「松居大悟」さんとの対談は特に印象的。特に下記のエピソードがお気に入りです。

阿部さん:「気づいたら企画書ができているとプロデューサーに言わしめる件」について。プロデューサーと一緒に飲んでいて、「こういうことやれたらいいね」という話が出たら、すぐ企画書にしちゃう、と聞きました。

私、こういう人間になりたいんです。って思うくせに今までやらなかったのが私の弱いところ。だから「やる」か「やらないか」が一番大事なんだと思います。私みたいに思うけどやらない人がほとんどだから。

飲みながら語った内容を語って満足してしまう、「いつか時が来たら」「いつか条件が揃ったら」、そんな風に後回しにしてしまう。それでは新しいことなんてできないのに。

松居さん:アイディアが浮かんだら、もう絶対それやりたい!と思うので。先方から依頼や相談が来るようになる前は、自分でプロットをつくっては書いて、つくっては書いてを繰り返して、ずっと落ちまくっていました。

何もない、実力も知名度もないうちから「待ちの姿勢」になってしまう人はとても多い。私もそうだ。依頼や相談が来るのを待つのではなく常に仕掛けていかないといけない。本のタイトルの通り「待っていてもはじまらない」ということなんです。

阿部さん:ボツの数が半端ない。20代の監督の中では企画実現率が高いと周りから言われているけれど、それは撒いているタネの数が違うっていうことですね。

うまくいっている人はうまくいっている姿しか見えない。だからあの人はすごい人だからと思って卑屈になってしまうことがあるけれど、成功している方とお会いしたり、本を読んだりするといつも思うのが「人より考えて人より努力し、人より執着した人が成功する」んだということ。

「あの人はすごいから」なんて、その人ほど努力してもいないのに、本当に負け組みたいな考え方はもうやめようって思った。

あと、やっぱり行動する人は誰もが「評論家ではなく実践家」だな、と再確認させられたやり取りが、個人的にかなり好き。

阿部さん:矢面に立って、批判される覚悟があるのかどうかが大事だなと思います。自分がやりたいことがあるならそれをちゃんと形にして、「いい」でも「悪い」でも、まずは言われる立場にならないとはじまらない。

それに対しての松居さんの言葉が好きすぎて、ツイートしていたのを思い出したので、myツイートを引用。

「いつまでもそっちの立場でいいのか?」この言葉を常に自分に問いかけながら、日々過ごしていたい。

ちょっとブログが長くなりそうなので、ここから先は自分がいいなと思った言葉を一部抜粋してご紹介します。得るものの多い、行動したくさせてくれる本なので、あとは買って読んでいただければ。




■いい仕事がしたい。と思わせてくれた言葉
何もかもを得ようとしない。出会う人、物、事に、自分の面白いを信じながら、自分ができることをしていこう。
いい仕事は、いい関係をつくる。その信頼関係が、次の仕事を呼んでくる。
コピーライターは、いい感じの言葉を広告にする仕事じゃない。コピーライターは、いい考えを言葉にして商いをする仕事だ。言葉を味方につけて、課題を発見して、解く。

■いかに「素直」が強いかを感じさせてくれる言葉

素直であること。さまざまな出会いの中で、当然羨ましくなるような仕事をしている方に出会うこともある。心がざわついたりもする。大切なのは、その時に何を思うか。いいと感じたものに対して、嫉妬で耳をふさぐのではなく、いいものはいいと素直に認めること。

自分と違う、もしくは自分より優れた考え方を素直に受けとめる。そしてスポンジのような吸収率で取りこみ、すぐにでも自分の血肉にしてしまうこと。
どうしてそこまでするのと言われることもある。ただ、逆にどうしてここまでしないのかとも思う。
世の中で何かが起こった時、「自分には関係ないことだ」とやり過ごしてはいけない。素直に受けとめなければいけない。そして、たとえ面倒でも真面目に考えて、自分の意見を持たないといけない。

言葉の人であり、行動の人でありたい。
その心を忘れてしまいそうになったら、何度も、何度でも読み返したい。そう思った一冊でした。