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6月8日(日)、梅雨の晴れ間の京都・二条城二の丸御殿 台所にて、55年間斬られ役に徹してきた名脇役福本清三さんの初主演作『太秦ライムライト』ワールドプレミアイベントが実施された。

超美技写真あり!昨日のワールドプレミアレポート
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5万回斬られた男”福本清三、71歳初主演に 「作品に携わったみなさんが主役」 『太秦ライムライト』 二条城初のワールドプレミアイベントレポートはコチラ

舞台挨拶前に行われた殺陣ショーでは、人力車でゲストが登場。松方弘樹さんや萬田久子さんが大御所ならではの貫録を見せながら、堂々と登場する中、福本清三さんは一番最後になんとも謙虚な感じで登場。舞台挨拶でも、「いやあ、とんでもない」と次々と謙虚な言葉を述べ、主役を演じても脇役魂を忘れない福本さんらしさがにじみ出ていた。そんな福本さんをフォローするかのように、50年来撮影所で仕事を共にしてきた松方さんが福本さんのエピソードをたっぷり披露。主役級のスターをはじめ、キャストやスタッフに愛されている人なのだろうなと実感した。

居心地が悪そうな舞台挨拶とは違い、殺陣ショーでは福本さんの本領を如何なく発揮。劇中でも殺陣指導をする新進女優役の新星山本千尋さんや、映画に出演したキャストたちも登場し、まずは山本さんが何人もの敵を相手に見事な立ち回りを披露。その決めポーズのキリリとした表情と姿の美しさに、これは日本のジージャー(タイ映画の女性カンフーヒロイン)かと今後にも期待が高まる。

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後半に最後の敵役として登場した福本さんと、真剣勝負を交えた山本さん。最後にズバッと福本さんを斬ったかと思うと、なんと本当にイナバウアーがごとき見事な反り返りをみせ、しかも一旦静止したのちドサリと地面に倒れるという超美技。なんとかカメラに収めねばとこちらはもう必死(笑)。斬られ役は台詞よりも、アクションで自分を語るのだ。本当に感動した。

以下に、舞台挨拶(主要キャスト分)の模様をご紹介したい。
※他に本人役で登場する中島貞夫監督、栗塚旭や本作にも出演した門川大作京都市長が登壇し、京都発の映画の成功に向けて熱いメッセージが送られた、
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(最初のご挨拶)
福本:『太秦ライムライト』はたくさんの方にご支援いただき、今日の運びとなりました。キャストのみなさんに助けていただき、この映画を作ることができました。ありがとうございました。

山本:私は演技も殺陣も初めてでしたが、福本さんをはじめ松方さん、萬田さん、監督、スタッフのみなさんに助けていただき、1ヶ月間本当に楽しい撮影ができました。これからも撮影で得たことを胸に頑張っていきますので、応援をよろしくお願いいたします。

萬田:こんにちは。東京は結構涼しかったのですが、京都は暑くてびっくりしております。今日のプレミア試写会にふさわしい天気になったことを喜んでおります。今日は楽しんでいってください。

松方:福本清三さんが50年以上俳優生活をしている中で初めての主役です。普段はフクボンと呼んでいるのですが、もう500〜600回は斬っています。斬られるのが上手い人は、一度斬られても何回も同じ作品の中で斬られるのですが、フクボンはとても上手かったです。そのフクボン初めての主演作品ということで、何を置いても駆けつけましたし、監督や市長、京都のみなさまにご協力いただきました。
昔、太秦は日本のハリウッドと呼ばれており、本作に出演する中島貞夫監督も半世紀以上前から太秦に携わり、随分たくさんの作品を世に送り出してきたわけです。今、映画を取り巻く環境は観客の劇場離れ、映画離れが進んでおり、現実に産業としては成り立っていません。でもみなさんのご支持があれば、また盛り返していけるかなと考えているこの頃です。映画や特に『太秦ライムライト』をよろしくお願いいたします。

落合:今日はお越しいただき、ありがとうございます。ちょうど1年半前に大野さん(脚本)に福本さんの殺陣教室に連れていっていただき、福本さん直々に殺陣を教えてもらったことを昨日のことのように覚えています。今日この日を迎えることができたのは、プロデューサーの佐野さん、Ko Moriさんや、プロデューサーをしながらすばらしい脚本を書いてくださった大野さん、キャストのみなさま、京都撮影所のみなさま、京都市のみなさま、関係者の方に支えていただいたからこそだと思います。ありがとうございます。


―――福本清三さんは55年以上斬られ役を務め、71歳にして初の主役ですが、今のお気持ちは?
福本:いやあ、とんでもない。この『太秦ライムライト』は作品に携わったみなさんが主役で、僕はその中の一人の斬られ役、それしか思っておりません。僕の中の主役は松方さんのように芝居ができて、二枚目で、立ち回りができる人です。この顔で何もできないのに、主役なんてとんでもない。つくづく皆さんにご迷惑ばかりかけて、本当にとんでもないと思っております。


―――本当に謙虚で素敵な福本さんですが、様々な作品で共演されている松方さんと萬田さんは、今回福本さんが主役というお話を聞いてどう思われましたか?
松方:本当に自分のことのようにうれしかったですね。10代からずっと一緒で、東映太秦の撮影所で悪さもしました。50数年経って、ずっと斬られていた人が主役になるなんて、ありえないことで、すばらしい記録だと思います。フクボンは普段でもあまりしゃべらないのに、台詞があると、もっとしゃべれないのです。はじめの台本を見たときにフクボンの台詞が多すぎで、これはヤバいぞと思い、大野さんに「ちょっと台詞少なくしてくれる?」という話を少ししました。素晴らしい撮影所であったところが、だんだん撮影が少なくなり、滅びゆくという、ちょっと悲しく切ない映画になっています。最後までごゆっくりご覧ください。

萬田:親戚のおじさんが主役になったようで、すごくうれしかったです。私は福本さんを斬ったことはありませんが、いつも斬られるところを見ていました。東映の撮影所に来るようになって30年ぐらい経ちますが、最初は福本さんとすれ違った時に、メイクで悪役顔なのですごく怖かったです、上着を脱ぐとすごくいい体つきをされているので、どんなことをする方かと思っていたら、斬られ役と知りました。でも笑うと本当に優しいお顔で、今回台詞のやりとりがあったときは、すごく緊張しましたけれど、本当に楽しかったです。(福本さん主演の映画は)来るべくして、できた映画だと思います。

―――ベテラン勢がそろう中、山本さんは映画初出演ですが、いかがでしたか?
山本:本当に何もかも分からない状態で撮影に臨み、最初は監督に怒られもしましたが、映画を撮るときの厳しさや楽しさを知り、充実していました。初めての映画を太秦で撮ることができて、本当に感謝しています。


―――福本さん初主演作を撮りあげた落合監督はどんなお気持ちですか?
落合:福本さんは50年のキャリアを持ちながらも本当に謙虚な方で、段取りをしているときでも、必ずフレームの端の方にすっと動いて行かれるのです。「今回は主演なので、ど真ん中にいてください」と言っても、「いやいや、わしはあきませんねん」というやりとりをしていたことが思い出されます。実際にスクリーンでご覧いただくと、福本さんの存在感がどっしりと表れている作品になっていますので、どうぞお楽しみください。


(最後のご挨拶)
落合:映画は今日からはじまりますので、世界中に太秦京都、日本の文化、日本の映画づくりを発信していければと思っておりますので、みなさんのご協力、ご支援をよろしくお願いいたします。

松方:僕はたくさんしゃべりましたから。よろしくお願いいたします。

萬田:とにかく楽しんでご覧ください。

山本:私の役は若い駆け出しの女優役で、私自身も今そのような状態です。私のような若い世代が時代劇をまた盛り上げることができればと思っています。

福本:皆さんに助けていただいて、こんなに大仕事をさせていただきました。今、欲が出て、みなさんで作った映画を一人でも多くの方に観ていただきたいと生意気にも思っております。この映画をなんとしてでも成功させたい。みなさんよろしくお願いいたします。