DSCN2516


6日から京都文化博物館、京都みなみ会館で開催中の第6回京都ヒストリカ国際映画祭。今年のオープニング作品にはパトリス・ルコント監督最新作の第一次世界大戦前後のドイツを舞台にした『暮れ逢い』が上映された。新作が公開されるたびに来日しているというルコント監督が、オープニングセレモニーに引き続きトークイベントに登壇。

オープニングセレモニーの挨拶で「実は車で撮影現場にいくとき、僕は時代劇を作っているのではないと言い聞かせて撮影現場に向かっていました。とても矛盾していると思われるでしょうか、時代劇がとても興味深くなるには、現代人の心と通じるものがあるから。過去ではなく、現在を生きている人を語ったつもりです」と語ったルコント監督。この考え方は撮影方法にも活かされたようで、まず普段着で動線を確認し、現代の恰好でも芝居が通用することを理解してから撮影に臨んだというルコント流撮影法も明かされた。

トークの司会を務めた映画評論家の滝本誠氏が、『暮れ逢い』で若妻に自分の部下を引き合わせようとする、余命わずかの実業家ホフマイスターと自分を重ね、「ぼちぼち私も若い人に代理恋愛を・・・」と自嘲気味に話すと、ルコント監督がすかさず「人生は彼岸にいくまで続いていくのですから、生きているうちは全てが可能です」と滝本氏を激励する場面も。無理と周りから言われる出演交渉も自ら足を運ぶなど、とにかくアグレッシブで創作意欲が衰えることのないパワーみなぎる姿は、どちらかといえば水彩画の作風とは違って、エッジが効いている。

一番最後に、観客から「人生で一番大切にしていることは?」と聞かれたルコント監督が、「私が思う世界で一番大切なことは他者を尊重する、リスペクトするということです。それ以上大事なことはありません。もし世界中の人々がそのことを心にとどめて生きていれば、戦争もテロも飢えで死ぬ人もおらず、バイオレンスにあうこともないでしょう」と答えたときは、場内から大きな拍手が。ラブストーリーの名匠は、人間的にも非常に魅力的な方だった。今月末からパリで公開される最新作や、映画学生時代の伝説的エピソード、そして新作『暮れ逢い』についてと、多彩なトークをぜひご覧ください。

<シネルフレ>
「時代劇だが現代の感情とフィットする作品に」〜パトリス・ルコント監督、京都で最新作『暮れ逢い』を語る はコチラ