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高校の同窓会で、まさか映画関係のことをしている人はいないと思ったら、神戸100年映画祭の代表理事をしている同級生Iくんに出会ったのが、私がこの映画祭を知るきっかけだった。

最初は観客として新長田ピフレホールを訪れ、現場でボランティアとして動いていらっしゃる方がシニアの方ばかりなのにびっくり。さらに観客もシニア層がほとんどなのにびっくり。多分日本一観客の年齢層が高い映画祭だと思う。震災後の96年に第1回が開催され、そのときはなんと1ヶ月のロングラン映画祭だったという。今までにアン・リーやエドワード・ヤンなど、大物海外ゲストも招いていたというのだから、当時の注目度はかなりのものだっただろう。

いい映画をスクリーンで観たきた世代が、神戸ゆかりの作品やゲストを招き、1時間のトークを交えて観客と交流するという手づくり映画祭。フィルムオフィスの活動が精力的な神戸ならではのプログラムや、真に映画界に貢献したといえるゲストの選び方など、真の映画好きが本当に充実した時間を過ごせる場だ。

映画祭=日本で公開されない海外の最新作というイメージが強かった私は、上映作品が旧作ばかりなのに正直最初は戸惑っていた。でも、この映画祭で鑑賞した作品は、まさに名画揃い。岩下志麻さんをゲストに招いた昨年は、『はなれ瞽女おりん』(原田芳雄共演)。そして今年、奥田瑛二さんを迎えた初日は『海と毒薬』(渡辺謙共演)。タイプは違えど日本映画の魅力を見せつける70年代、80年代の作品は、逆に今観たからこそ、その価値が分かるような気がする。きっと忘れないと思う。

第1回から関わってきたスタッフの皆さんも多数。その方々がずっと中心になって走ってきた神戸100年映画祭が20回となる今年で一区切りとなることは淋しい反面、潔い判断だろう。映画祭の役割、観客の求めるものと、運営側がやりたいことのズレ、そして運営側の後継者問題。どこの映画祭でもぶち当たる壁だ。ともあれ、私は1日だけの運営ボランティアという立場で、会場で観客の皆さんと最後の場にいることができ、充実した時間を過ごすことができた。そんな最後の映画祭のゲスト、奥田瑛二さんの引き出しの多さと、ファンサービスぶりにも感動。なにせ、椅子に座ってすぐに、テーブル上の飾り花を「向こうのお客さんが、この花邪魔だなときっと思うはずだから」と撤去を提案。最前列に座っているファンの気持ちを一瞬で考慮するなんて、ファン心理をよくわかっていらっしゃる。

監督作『長い散歩』上映直後の登壇時には、目が潤んでいらっしゃり、「もう一度撮れと言われても、撮れない」と渾身の作品であったことを冒頭で語った後は、緒形拳さんとのエピソードや、シナリオについて、そしてエンディングのその後まで、たっぷり語って下さった。ちなみに、黒スーツを着ていたおかげで、突然花束贈呈係に任命され、おおさかシネマフェスティバルでもやったことのない舞台上での贈呈をすることができたのもいい思い出に。私も『長い散歩』に心底感動していたので、渡す前に一言「素晴らしい映画をありがとうございます」と添えることができたのも良かった。

雨天にも関わらず、多くのお客様が詰めかけて、本当に盛況だった初日奥田瑛二さんトーク紹介記事を書きました。良ければご覧ください。

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<シネルフレ>
惜しまれつつ今年で最後の第20回神戸100年映画祭、奥田瑛二さんを迎え、華々しく開幕! はコチラ