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フランス映画祭での監督取材初体験した今年に、フランス映画の、しかもインディペンデント映画の監督取材ができるとは、本当にうれしい限り。ロカルノ映画祭で特別大賞を受賞し、フランス、ブラジルに続いて日本での配給が決定したダミアン・マニヴェル監督の『若き詩人』(併映『犬を連れた女』)。

『犬を連れた女』でも主演のフランス人らしい色白のイケメン、レミ・タファネルが、詩人になりたい青年として登場し、海辺の庶民派リゾート地をひたすらブラブラする。街の人に話しかけ、彼が尊敬する詩人の墓の前で、自分の心境を語り・・・と実に内面的な雰囲気だが、水彩画のような明るい瑞々しいトーンに、レミの細長くて白い姿がひょうひょうと映り、しかもやたら蚊にかまれたり、祭りのフラメンコを一人真似してみたり、イケメンなのにどうも女の子へのアクションが下手くそで逃げられたり・・・なんだか可笑しいのだ。

なぜか何度も観たくなってしまう迷える子羊物語をひっさげてもう7度目の来日というダミアン監督は、奥さんが日本人の方だということもあり、日本語も少し話せるし、日本をとても気に入ってらっしゃるらしい。今回は広島の映画祭、博多の短編上映会、大阪シネ・ヌーヴォでの日本初上映、そして京都や東京では大学で上映&ディスカッションを行うなど、フランス人監督でここまで日本全国をまわり、観客と交流をする人は今までいなかったのではというぐらい、作品を通じての交流には時間を惜しまない積極性が垣間見える。

いざお話を伺ってみると、作品を重ねるごとにスタッフも脚本の書く量も減るという驚くべき進化を遂げていることを明かしてくださり(普通は逆だよね)、常にリスクを取ることがいい作品を作る上で一番大事にしていることなのだとか。従来の映画文法に囚われない、独自の方法を常に試し、現地の人にも協力してもらって、よりストーリーを語っていく。フランス映画の新しい風を今年最後に感じることができて、本当によかった。そして、最後にさらりと「merci」と言えたのも、今年の成果かな(笑)

11月28日(土)〜シネ・ヌーヴォ、2016年1月16日(土)〜シアター・イメージフォーラムにて公開

<シネルフレ>
『若き詩人』ダミアン・マニヴェル監督インタビュー はコチラ