神戸マラソン当日のことを書く前に、神戸マラソンエキスポで、会場の最後に熊本城マラソンのブースがあった。抽選で熊本城マラソンの出走権をプレゼントという言葉につられてブースを訪れると、「熊本にゆかりのある人にはプレゼント」が。私は父が熊本出身。そのことを熊本から来られていたスタッフに伝えると、「ぜひこのステッカーを貼って、当日走ってください！」とひまわりマークの入ったステッカーを手渡して下さった。昨年熊本城マラソンと提携した神戸マラソンならではの趣向。生まれ育った兵庫県の象徴、はばタンと、私のもう一つのルーツ、熊本がランTシャツでコラボ。特別な感慨が生まれる。他にも復興の連携ということで、オープニングセレモニーでは東北から高校生の皆さんが、素敵な合唱を披露してくれ、もはや恒例となった、出走前に全員が黄色の軍手をはめて、ひまわりが咲いているように空に向かって手を振る。感謝の気持ちを込めて、笑顔の花を咲かせるのも神戸マラソンならではだ。
偶然、Jブロックで並んでいた時、隣にいた方が同じステッカーを付けていたので声をかけてみると、その方は熊本から神戸マラソンに初参加で来られていたそう。そんなささやかだけど、素敵な交流もあれば、しばらくランをお休みしていたお友達の復帰ランということで再会を喜んだり。もちろん、最初には応援してくれる皆さんとの気合い入れもあるし、ランを続けていると交流が広がっていくのも、また楽しい。
予想気温は18度。一昨年は20度越えで湿度も高く、暑さとの闘いだったが、それよりはマシっぽい。雲一つない快晴！今までは日焼け撲滅ぐらいの勢いで常に手袋をしていたが、暑い中だと手を冷やしたいので手袋はなし。ジェルも10キロごと推奨と言われて飲んでいたが、気分が悪くなってしまうので１つだけ持ち、新アイテムとして体に優しいエネ餅を持参。塩分タブレットと塩昆布、もはやお守りと化している２RUNは欠かせない。記録は時計のみ、手動で5キロごとにカウント。いつも途中で電源がなくなっていたスマホはカメラ専用。そしてスピードはキロ7分で最後まで！過去の反省から、今回はこれでいくと決め、いよいよスタート！
速いランナーには暑さを感じたかもしれないが、キロ7分、つまり５時間ランナーにはさほど気にならず。むしろ、神戸は案外日陰が多く、暑いなぁ〜と思っていても、日陰はヒンヤリとして気持ちよかった。あちらこちらで待ってくれている友達を探しながらの前半戦。思った以上に10キロまでも遠く感じ、先が思いやられる。でも案じていた膝は大丈夫そう。これぐらいゆっくり走っていたら、今日は持つかもしれない。まずは練習で走っていたハーフまでをきっちりと走ろう。そう思って、友達を見つけては駆け寄り、手を出して応援してくれるちびっこがいればハイタッチをして、先を目指していく。
最初の神戸の名所は海沿いのすれ違いゾーン。須磨あたりから、新コースは舞子の西にまで伸びた西へ西へのルートだ。並走しているJR、山陽電鉄から手を振ってくれる人も（笑）須磨浦公園では源平合戦にちなんだ衣装での応援が！垂水まではトップランナーたちを横目に進んでいくが、垂水を超えるとグッと応援が増えてくる。ここでも応援を得て、気持ちのエネルギーチャージ。その前後では４時間前後で快走している女性ランナー友達が、「ファイト！」と声をかけてくれ、その格好良さに惚れ惚れ。同じ市民ランナーでも、本当の意味で走れる女子はカッコいい！ファンランナーとしては、10キロでまだまだ先が長いと思ってしまった気持ちをもり立て、折り返しで待っている友達まで一直線。垂水の海では塩谷沖では船から鮮やかな放水で、神戸マラソンの応援をしてくれる。いくつかの坂（後半すごくしんどくなるけど・・・）を超えるうちに、明石大橋がバッチリ見えるビュースポットもあって、やはり神戸はいいなとテンションが上がる。
新折り返しのくら寿司駐車場をくるりと周り、友達を探して走っていると、赤いコートの友達が！タンスの肥やしにしていたという赤コートを着てもらって大正解！そしてこの海沿いロードで3回も声をかけてくれたハーモニカクラブの大先輩も。この頃になると、ちょっとぼーっとしかけていたので、またピリッとスイッチが入った。応援の達人です。
折り返しての後半、今度は右手に海。気持ちはいいのだけど、ふくらはぎがモヤっと・・・。これはヤバイ、攣りの前兆、２RUNの出番。20キロそこらで一粒、塩分タブレットも使用しながら前へ前へ。
25キロぐらいで訪れた帰りの坂。ちょっと心が折れそうになった時に見覚えのあるお友達が。この暑さで獅子舞の扮装で応援していたお友達から命のマスカットをもらい、無事坂を走る元気をもらう。本当に今日はみなさん、いいところで出会えるなぁ。
取りあえず30キロまでなんとか行こう。６時間ぐらいかかるかもしれないけど、完走が目標だし。そんなことを思いながら、モヤっとするふくらはぎ対策に今回初めて給水所でいただいた水をぶっかけてクールダウンを試みる。真冬にはできない芸当だが、20度近くあればすぐに乾くはず。気になる膝にも水をパシャッ！手袋をしていないので、手にもパシャッ！前回同様、給水を心待ちに、それでもスタミナはさほど途切れることなく走り続ける。エイドでは主にバナナで栄養補給。次々に剥いてくれる学生さんに感謝しながら、剥きたてバナナでひとごこち。水を口に含んで、次の給水所まで止まらず走る。
ようやく30キロに到着すると、確かにしんどいけれど、足が止まるほどではないことにほっとする。もう膝の心配もなし。モヤっとしていたふくらはぎも大丈夫。足の指先の痺れもない。ただしんどいだけ。残り10キロとなってくると、あと10キロで楽しかった神戸マラソンが終わるのかと思い、少し寂しくなった。自分でも驚いだのだけど。前回すごく長く感じた須磨から和田岬への道も、右手に工場が見えて、これも神戸の一コマだよなと感じる。そうこうしているうちにノエビアスタジアム神戸のあたりでは、急に応援もパワーアップ！最後の応援ポイント、ハーバーランドでいつもの皆さんの顔にこちらも顔がほころび、最後の山場、浜手バイパスから神戸大橋までの気合い入れに。
とはいえ、こんなに長かったっけ、バイパス。神戸大橋、また登るんだ〜とやはり頑張りきれない。もう少し気持ちが強ければ最後まで走っていたのだけど、山手バイパスの上まで走りきって力尽き果てました。そこからは浜風に吹かれて、バイパスからのポートタワーの写真を撮ったり。でも本当に「あともうちょっと、頑張りましょう！」というボランティアのみなさんの超熱心な声かけに刺激され、「橋を降りたら、あと1キロですよ」という声にいい意味で騙され（笑）、橋の下り坂からフィニッシュまでは最後の力で走る、走る。前回は橋を降りてから4キロぐるぐると走らされ、ここで結構歩いていたのだが、あと1キロと言われると走る力が湧いてくる。ここで走りきり、ゴールで審判の仕事をしていたラン友さん、有森裕子さんとのハイタッチを経てゴールへ。タイムは５時間14分。今回はゴール手前からずっと掲げられている時計を見る余裕があった。ゴールしてからも「あー楽しかった！」という気持ちでいっぱいだった。そして、ゴールを見届けてくれた友達にも笑顔で応えることができた。
気候の差、コースの差もあるが、前回より5キロ（若干筋肉も含むだけど）体重差がありながら、今回気持ちも体力的にも余裕を残して、最後までなんとか粘りきれ、6分早くゴールできた。練習は距離だけではなく、質というのは正しいのかな。そして、いつもながらみなさんの応援の力を最大限にいただいて、最後まで楽しい、楽しい1日になった。本当にありがとうございました！
シーズン初戦をまずは大きなダメージなく走り終え、２戦目加古川マラソンでは精神力の勝負、そして来年の３戦目姫路マラソンは京都ぐらいの頑張りができるようになりたい。これからです！
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