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ゆみこん七九のブログです。 ここでは私の趣味である模型制作についてブログ形式での報告をしていきます。 まだまだ未熟者ですが、楽しんで工作していますので、どうぞ温かい目でご覧ください。

車両が出来上がりました。
前回、ジオラマの製作に取り掛かると書いておりましたが、車両を先にお話してしまいましょう。
今回から2話、車両の塗装とウェザリングです。


塗装は「錆」がテーマです。

稼働中の戦車と放棄された戦車の塗装はどこが違うのか?
それは、塗料の剥がれた面積の違いです。
剥がれた面と残った面、どっちが主体になるのか?という事ですね。

ほとんど剥がれている車両を作るなら、塗料を剥がすよりも塗料を残すように塗ったほうが簡単です。
つまり、剥がれたあとの素材、つまりアルミ・ゴム・錆びた鉄・布に塗り上げて、塗料が残っているように塗ればよいのです。 

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 まず、影色をかねて黒サフで塗り潰しました。
これはゴムの色にもなります。

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 ゴムですからフェンダーなどはマスキングしておきます。

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 中性子防御シートはゴムというかなんか黒い繊維状のものです。
マスキングゾルを使ってマスクしておきます。

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続いてアルミ。

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再びマスキングしておきます。

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錆色ですが、まずはハルレッドと黒を混ぜて吹き付けました。

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 そこに同じラッカー系のガイアカラー赤サビ色を、まだらに吹き付けます。

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 黄サビ色をスパッタリングして、細かい点々を再現します。

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 サビは点々ではなく、腐食物という事で色を繋げていきます。

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 以上でサビ下地の出来上がりです。

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 ここまで出来ましたら、マスキングを剥がして行きます。

<<画像出典元 "yarejka" http://yarejka.io.ua/album >>
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さて、実物の画像です。
ゴムは劣化して白くなっていますね。
いくつか方法を試した結果、このようなやり方で再現しました。 

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 まず、アクリルのジャーマングレイを塗ります。

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 消毒用アルコールを塗ると、剥げ落ちて一部が白化します。
いわゆるアルコール落しに近いものです。

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 ムラが激しいのでウェザリングマスターの黒をすりこみました。

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 こんな仕上がりになります。
これで紫外線で劣化したゴムの質感表現終了です。

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 素材の塗りわけが完了しました。

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それではヘアスプレー技法を使って、上から剥がす塗料を塗っていきましょう。
まずはヘアスプレーを紙コップに移します。

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エアブラシでまんべんなく塗布します。

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続いて基本色を吹き付けます。
ここで重要な事は、「あらかじめ剥がす場所を決めて薄くまだらに吹く」です。
これこそが廃車風に塗装する最大のポイントと言っても過言では無いと思います。
もちろん、チッピング的に少し見せる場合は違います、全部塗ってもOKです。

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そして、水を付けた筆で優しく叩くように落として行きます。

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どうでしょう?こんな感じになりました。

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1/72とは思えない情報量を身にまとうことが出来ました。
我ながらいい感じです。

この「あらかじめ剥がす場所を決めて薄くまだらに吹く」ですが、さびる場所の法則を考えないと上手くいきません。
・水の溜まる平面的な部分
・鉄板が薄い部分。
・内部空洞があり、湿気が両面から襲う部分
・上塗り塗料が薄い部分
およそこの部分です。

<<画像出典元 "yarejka" http://yarejka.io.ua/album >>
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実物を観察してみましょう。
矢印の爆発反応装甲は薄い鉄板です。
砲塔の部分と比べると非常に良く錆びていますね。
鉄板の薄さ、湿った空気に触れる面積の大きさ(たぶん裏からも錆びる)、機密性が高く分厚い砲塔よりも早く錆びるのでしょう。
また、あとで出てきますが、これらの車両は何度か改修され塗り直されているようです。最後に追加改修された爆発反応装甲は、その分塗膜が薄いのですね。

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 薄いフェンダーや爆発反応装甲をしっかり、且つ丁寧に塗料を微妙に残しつつ剥がして行きました。

 
作業に当たって、この動画を参考にしました。
ミグさんの動画ですね。
何度も見ているうちに「薄く吹いたり濃く吹いたりして、ムラに吹くのがポイントだ!」と気が付きました。

「ヘアスプレーで剥がせばリアルなハガレが出来る」ってのはあまりに乱暴な言い方だということがわかります。
そんな簡単なもんじゃ無いという事です。

そう、そんな簡単なもんじゃない・・・

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ドボンは2回しました。
そう、そんな簡単なもんじゃないのです。
「何かが違う、リアルに見えない」
「こんなものでは作例には出来ない」
塗りあがった5台を、モノによっては3回もドボンしています。

ジリジリと迫る締め切りにを前に、繰り返されるやり直し作業は非常に恐いものがありましたね。
でも、だからこそ得られたモノが沢山あったように思います。
人に見せることが前提となった模型作りというものは、やはりモデラーを追い込んで強くするようです(笑


<<画像出典元 "yarejka" http://yarejka.io.ua/album >>
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さて、続いてはこの部分。
明るい緑の下に、なんだか濃いグリーンが見えます。
何度も塗りなおされたのでしょうね。

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サビ下地に、まずは濃いグリーンを塗って行きます。

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剥がして行きます。

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クリヤーでコーティングしたのち、再びヘアスプレーをします。

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先ほどの剥がしを残すように、薄いグリーンを吹きます。

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濃いグリーンが残るように剥がして行きました。


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実写を良く見ると、こんな塗料の残り方が良くあるんです。
なんだろうと思っていたら、これは爆発反応装甲の上から迷彩を塗った跡なんですね。

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マスキングテープで爆発反応装甲の箱をシュミレーションします。

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そして迷彩を吹き付けました。(迷彩も剥がすので、下地にヘアスプレーしています)

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マスキングを剥がすとこのようになります。

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迷彩車両もこれで完成です。

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デカールを貼り付け、塗料のハガレにしたがって傷をつけておきます。

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緑の塗装に深みを与えます。
クレオスから似たような製品が発売されるようですが、やってる事は同じです。
黒ではなく色相で色の深みを出します。
影の部分にエナメルのブルーを薄く塗って行きます。
Mr.ウェザリングカラー フィルタ・リキッド シェードブルー

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明るいハイライト部分は黄色です。
これもクレオスから発売されている製品と同じことになります。
Mr.ウェザリングカラー フィルタ・リキッド スポットイエロー


次はサビの汚し、泥汚れなどのウェザリングですね。 

T-64が仕上がりましたので、次はT-72を作成します。

モデルコレクトのT-72は元々完成品販売の品だったようで、T-64と比べると少々ディテールなどが劣ります。
シャーシもダイキャストですしね。
色々と手を入れて、現地にあるT-72を再現していくことにしました。

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 このT-72をお手本として、近い形に仕上げて行くことにしました。

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 T-64と異なるのは、ゴムの転輪を履いていることですね。
ゴムを削って、劣化の再現を行います。

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 フェンダーが外れている車両も沢山あります。
再現しようとパーツを切り出したら、こんな隙間が・・・。
もちろん、切った部分が分厚い。

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 まずは薄くそいで行きます。

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あっちこちで資料画像を探し、ようやく見つけたこの1カット。
そうか、こういうリブが付いているのだな!

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 プラ板で再現していきます。

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 隙間などを埋めたら出来上がりです。



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実車をつぶさに観察していると、素材が違う部分があることに気がつきました。
青矢印はゴム、赤矢印は金属です。
ここのヨレヨレ具合は再現したいですね。

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キットのパーツを薄くするかどうするか、悩みましたが、ここはバッサリと行きます。

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金属部はプラ板でリテイク。

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ゴムの部分は、硬化後も微妙に柔らかいデューロパテを使ってみました。


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それでは、ERA(爆発反応装甲)の取り付けを行います。
現地の車両は、こんな脱落具合です。
この画像のようなバラバラ感を出したいと思います。

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左がT-72に含まれる部品で、右がT-64のパーツです。
金型の精度などを観察すると、細分化されたほうが後発と思われます。
このディテールの細かい、T-64のERA部品を使うことにしました。

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プチプチプチ・・・

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基部を0.4ミリのプラ棒で作り・・・

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片方が脱落した感じなどにして取り付けて行きます。

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ゴムフェンダーに付いているERAは、ステーを介して取り付けてあるようです。

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実物をデバイダーで測定。

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キットに転写し、マジックで点を打っていきます。


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トランペッターのキットなどを参考に、基部のステーをプラ板で製作。
(画像はホビーサーチさんより)

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実車同様に取り付け、画像を参考にいろいろアレンジしてみました。

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出来上がりの図。
ジオラマで左側面になり、かなり目立つ部分なので頑張りました。
ちなみに、後の塗装工程で何個かパーツがなくなりました・・・。
金属で作ればよかった笑 


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砲塔の製作に入ります。
中性子防御ゴムですが、ERAの付く部分は再現されていません。
今回は外してしまうので、これでは駄目ですよね。
タミヤのエポキシパテで再現していきます。

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形を整えたら、ラッカー溶剤で表面を綺麗にしていきます。

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1ミリのプラ棒を用意して、真ん中に0.8で穴を開けます。

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スタンプします。
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これで、中性子防御ゴムの取り付けパーツを再現しました。
当初は「穴を開けて、何かそれらしい物をつけるか?」とか、いろいろ悩んだのですけどね。
まぁ、これで勘弁してください。

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資料を見ながら、いろんなパーツを取り付ける目印を書き込んでいきます。

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見え易いように下地を黒く塗ったプラ板。
そこに両面テープで0.4ミリプラ棒を貼り、1mm感覚で切っていきます。

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0.4ミリのピンバイスで下穴を開けておき、

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一本ずつ接着です。

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そこにERAを取り付けます。
ERAの少し浮いた感じなどが再現できればと思いまして。


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よく見ると、棒ではなくフックみたいなものもあります。

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真鍮板の細切りで、極小のフックを製作。

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取り付けていきました。

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なにか線の様なものが通ってますね。

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真鍮板に穴を開けまして・・・

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取り付け。

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真鍮線をあらかじめこの角度に曲げておいてから差し込みました。

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内容的には少し前後するのですが、防盾のキャンバスカバー、これの破れも再現しています。
まずは削り取ります。

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タミヤパテを盛り付け、少し乾いたらめくれあげていきます。

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ナイフで刻んだりして・・・

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こんな感じに出来上がります。
簡単な工作で、フィギュアのズボンの破れなどにも使えますのでお試し下さい。


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さて、これで砲塔の完成です。

<<画像出典元 ”yarejka” http://yarejka.io.ua/album >>
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最後に、 ひっくり返ったフェンダーを作る事にします。

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 キットのフェンダーを薄く削り、裏側のリブを細切りしたプラペーパーにて再現。

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 側面ゴムはデューロパテで再現、銅線を潰して平たくしたものをあてがい、リベットは瞬間接着剤シアノンです。

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 出来上がりです。


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DS素材?で出来た履帯を履かせれば完成です。
(履帯は彫りも深くてよい出来ですよ)

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記事にはしていませんが、ライトガードはキットを参考に真鍮線で造りました。
正面装甲はT-64のキットと同じく、実車には無い部品分割なので、綺麗に整形しています。
http://blog.livedoor.jp/yumikonmodels/archives/66864107.html



長かった車両工作も無事完了。
次回からはジオラマの製作開始です。 

4回目、まだまだ作業は続いて行きます。

スモーク・デスチャージャー周辺の加工です。

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現場画像を見ていくと、この物騒な火薬物が「詰まったままだったり、空っぽだったり」の曖昧な状況です。
まぁ、 ほとんどは空のようなので、くり貫くことにしました。

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 このようになります。
ちなみに、一個だけ残してみました。

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 ケーブルの取り回し部分を工作します。
まずは曖昧なモールドを削り落とします。

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ふむふむ・・・、なんかカバーがあるのね。

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 再現して行きます。

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 0.4のプラ棒に0.2で穴を開けて行きます。

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そこに細いエナメル線を接着しました。

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 これを、先ほどの基部に植えます。

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穴があくほど実車画像を見て・・・

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近い形に再現しました。

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 うん、満足。


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それでは、ERA(爆発反応装甲)を取り外した状態の再現に取り組みましょう。
トゲトゲしく無数に乱立する柱。
今回のジオラマで、最も目立つ部分と言えるかもしれませんね。
どうやってそれを再現するのか。
 
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突き出す棒は、根気の一文字で再現できると思いました。
でも問題はコイツです。
よーく見て、形状を把握します。

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パーツを良く見ると、、、これは使えるぞ。

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切り出して行きます。
実際にERAのモールドを外すしか無い。

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外した部分に穴を開けます。

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そして、その穴を半分に切っていきます。

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こうして取り出した部品を取り付けて、無事に再現できました。

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棒の部分は、0.4ミリのプラ棒をつき立てています。
この辺の細かい事は、後でT-72の工作編にてしっかりお話しますね。

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前面装甲は、増加装甲版に付いているようです。

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キットは増加装甲版と一体整形になっているので、プラ板で増加装甲を切り出して作りました。

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0.4ミリを、ピンバイスで少し下穴を開けて、刺して行きました。
エナメル溶剤での汚しに耐えるか心配でしたが、下穴を開けていることで十分に接着してくれましたよ。
ポロポロ取れるような事は無かったです。

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最終的にはこんな仕上がりになりました。


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あと、対空機銃のマウントを作らねばなりません。
当たり前ですが、工場の戦車はすべてマシンガンが外されています。
このパーツがそれですが・・・、実物はこうではない。

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良く似てるんですが、真ん中の長方形の箱パーツが無いんですよね。
(キットではマシンガン側にモールドされている)

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まずは、穴を開けます。

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そして、余計な接着用くぼみを埋めます。

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薄いプラ短冊を直角に張り合わせて・・・

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エッチングの切れ端に、プラ接着剤で貼り付けて、続きを作って行きます。

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こんな感じで進めます。
このようにエッチングの上だと、平面がきちんと出るので非常に作業がしやすいんですよね。

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加重が掛かりそうなところは、金属で再現。(エッチングの切れ端)

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プラ接着剤なので、ナイフを入れると「ペリッ」と剥がれます。

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プラ棒に傷をつけてバネらしく再現。

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取り付けました。

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連動アームを取り付けます。

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弾倉を取り付けるレール上の部分もそれらしく製作。

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これで完成です。
よく目立つ場所なので、頑張ってみましたよ。


以上でT-64が3台、出来上がりです。

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最も古いT-64・1972。
プレーンなT-64の基本形が目立ちます。
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仕上がりはこんな姿です。
廃棄されたのも古いという設定ですので、一番最下層でサビサビの仕上げにしました。


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T-64・1981 
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T-72の上に積んであります。
T-64の次の形式番号であるT-72ですが、高性能のT-64が揃えられなかった格下の戦車だったそうで、廃棄されるのも早かったようです。
現地写真でも、T-72がT-64より下に多く置いてあります。


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T-64BV・1985 
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ERA(爆発反応装甲)を取り付けた、近代化改修の済んだ戦車ですね。
ジオラマ上では、変化をつけるために、斜めに積んであります。
一番目に付く戦車ですので、ERAを外したトゲトゲやサビサビのフェンダーなど、「見所」を沢山増やしました。
また、新しいと言う設定ですから、迷彩を施し、近代的なロシア迷彩にしています。


次回はT-72の工作編となります。

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