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太陽と海が手をつないだ瞬間。
つながりあう手と手が、

まっすぐに自分にのびてくる、

ひとすじの道になる。

太陽と自分が、つながる。

その道を通って、

エネルギーがチャージされ続ける。

 

〈どこから見ても、自分につながる道〉だと、佐藤さんは教えてくれた。

日の出ツアーに参加して、展望台に立った人たちだけでなく、房仙会という船に乗る人たちすべてに、この光がとどく。

 

すべての人へ、この太陽の、光の道がつながる。

それを伝えるために、私はここにいるのだと思った。

 

◆光の道


◆誕生日に行うこと

 

***

 

◆光の道

 

仙酔島ツアー二日目は、島内の展望台に日の出を観に行くツアーが組まれている。

申込み手続は不要。

朝5時55分ごろの日の出を目指して、5時20分に自動出発するシステムなので、それに間に合うようにロビーに行けばよいのだが、1分遅刻しても、待ってもらえないと聞き、ちゃんと目が覚めるかどうか、心配でたまらなかった。

 

全員が参加するものだと思っていたら、最初から行かない人、アラームをセットせず、起きることができたら行くという人、さまざまだった。

私は、絶対に参加したかったので、天にゆだねる度胸はなく、ちまちまと慣れないアラームをセットし、何度も確かめた。

 

部屋の灯りを消して、寝る体制になっても、宮島までのこと、宮島口で合流してからのこと、伝え聞く大聖院での揮毫のこと、バスの中でのこと、江戸風呂での体験、別邸・洗心の間での囲炉裏会席のこと、月夜の海ほたる観賞のこと、房仙先生と光孝先生のお部屋での座談会のこと、部屋にもどってからのおしゃべり…… の余韻が醒めない。

 

テラスの向こうに、すぐ海が広がっている四階の部屋には、窓をしめていても、寄せる波の音が繰り返し聴こえてきて、ぜんぜん眠れないのだった。

それでも、知らないうちにうとうとしていて、気がつくと、アラームが鳴る5分前。

 

準備をしてロビーに行くと、すでに十数名の人がいたが、昨年に比べて(少ない!)という印象を受けた。

小学生と中学生の子どもたちの姿が見えて、感動した。私などは、夜寝るときに来ていたジャージのままだが、子供たちは、ちゃんと着替えていた。

お母さんが、この中の誰よりも早く起きて、大変だったのだろうと思った。

 

ほどなく、佐藤支配人がロビーに現れた。時計を見ると5時20分だった。

でも、出発する気配がない。

腕時計を見て、誰かを待っている様子だ。

 

(誰を待っているのだろう?)

(1分も待たずに出発すると聞いていたのに、どういうことだろう?)

 

不思議に思っていると、現れたのは……

 

房仙先生だった!

 

佐藤さんが待っていたのは、房仙先生だったのだ。

房仙先生が来ると、もう佐藤さんは誰も待たず、すぐに出発となった。

先生が来ることが、佐藤さんには、わかっていたのだろうか。


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外に出ると、まだ暗いものの、すでに空の端は白み始めていた。

天気予報では、雨模様だったが、ありがたいことに、雲は薄くて、空がのぞいている場所もあった。

浜辺を歩いているうちに、どんどん明るくなっていく。

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もう日が昇っているのではないか?と心配になりながら、佐藤さんについていく。

ほどなく、展望台に向けての、登りの道に入った。

しばらく登ると、

 

「下加美島と仙酔島がつながっています」

 

と、佐藤さんの声がした。ふりかえると、潮が引いて、島と島がつながっていた。


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さらに登っていき、空を見ると、雲の中に、そこだけ、さっとひとはけ、筆をはらったような、ピンクの色がある。

モルゲンロートのような色。


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(兆しだ!)

 

朝焼けの兆し。日の出の兆し。ぜったいに観られる!

 

一か所だったピンク色が、どんどん、ひろがってくる。

みんなで、展望台を目指す。

 

到着。

 
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(え?)

(ひょっとして、もう、夜があけているのでは?)

 

そのくらい、あたりは明るいのに、もうすぐですよと伝えてくれる佐藤さんの声がする。

 

(もうすぐって、いまから?)

(どこから?)

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山のほうから昇りますという声が聴こえ、海の向こうに目をやるものの、どのあたりから昇るのか見当もつかないまま、漠然と見守っていると……

 

稜線から空にはみだしてくる塊がある。

 

(まさか)

 
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想像よりも、大きくて、想像よりも、ピンクで、想像よりも、くっきりとした円弧で、驚いている間に、ぐんぐん、昇ってくる。

 

この速度が、自転の速度。

地面を踏みしめる両足に力がこもる。


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今、地球に立っている。今、宇宙に浮かんでいる。今、太陽と交差している。

 

今! 今! 今! 

 

こんなにも感じさせてもらえていることに、ただ、感謝が降り注ぎ、目が離せない。

 

稜線から、じりじりと昇ってくる太陽の上部が、一瞬、まばゆいほどの閃光を放ち、とつぜん、変わった。


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まるで、閉じていた眼をひらいたように。

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光り輝く丸い塊は、半分、眼をひらいたまま、静かに昇っていく。

そして、すっかり、両目をひらいた太陽が、稜線の上に昇り、その姿を現した。


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まるい。ほんとうに、まるい。肉眼で、はっきりその輪郭が見える。


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輝いている。放っている。

胸の、ハートのところに、その熱がとどいて、鼓動が熱い。


「もうすぐ、光の帯が海につきます」

 

と、佐藤さんが叫んでいる。

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(光の帯が、海に、つく)

 

太陽が、ある一定の高さまで上ると、その光が海に届き、波の反射で、繋がりあう消えないまたたきが、道になる。

 

「その道は、どこから見ても、自分につながる道です」

 

佐藤さんの声が、ずっとリフレインしている。

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太陽と海が手をつないだ瞬間。

つながりあう手と手が、まっすぐに自分にのびてくる、ひとすじの道になる。


太陽と自分が、つながる。

その道を通って、エネルギーがチャージされ続ける。

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〈どこから見ても、自分につながる道〉だと、佐藤さんは教えてくれた。

 

日の出ツアーに参加して、展望台に立った人たちだけでなく、房仙会という船に乗る人たちすべてに、この光がとどく。

すべての人へ、この太陽の、光の道がつながる。

それを伝えるために、私はここにいるのだと思った。

 

「少しのあいだだけですからね。もうすぐ、消えてしまいますからね」


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昇る太陽が、雲の中に入っていく。最後に、ほんの小さな、光の名残を海面に落として。

その後は、もう、太陽は雲の中から現れなかった。

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十三分の出来事だったそうだ。房仙先生がご自身のブログに書いていらした。

 

◆誕生日に行うこと

 

この日に誕生日の人がいた。

房仙先生の提案で、みんなで、ハッピバースデーを歌う。

そのあと、ご本人に、海に向かって、歌を歌うようにとおっしゃった。

突然のミッションに、最初は、恥ずかしいとしぶっていらしたが、展望台の先に向かって、小走りに駆けて行き、顔をあげ、胸をひらき、歌い始めたその歌は……

 

〈この広い野原いっぱい〉

 

太陽が昇ったばかりの空と海に、やさしく美しい歌声がひろがり、とどけられる。

祈りのような儀式に、全員で参列している。

 

「次、君!」

 

房仙先生から指名を受けたのは、キャンセルがあり、急きょ、ツアーに参加することになった、入会まもない人だ。私も、去年、同じ立場だった。

入会したときにはすでに締め切られていた仙酔島合宿に、どなたかがキャンセルされたので、参加できたのだ。

「ハッピバースデー」の歌を、もう一度、心をこめて歌ってくださった。

 

「君たち三人も!」

 

と、房仙先生の声がかかったのは、中学一年、小学四年、小学一年の三姉妹たち。

澄み切った歌声が、朝の展望台を高く抜けて、心に深くしみとおっていく。

頭の先から、歌声で禊を受けさせてもらえたような、清々しさに包まれ、しばらく放心状態だった。

 

房仙先生は、ご自身のブログで、誕生日は、人からお祝いをしてもらう日ではなく、「いのちを与えてくれてありがとう! 生んでくれてありがとう!」と、子どもが親に感謝する日だと思っていることと、太陽が昇ったばかりの展望台で、海に向かって歌うことで、自分に対して自信がつき、生まれ変わることができると考えたので、歌ってもらったと書いていらした。

そして、赤の拡大文字で、

 

〈自分で行動することでしか、新たに自分が生まれ変われない!〉 

 

と、お言葉をくださった。

 

〈新たに生まれ変わる〉

 

昨夜の宴席で、お料理の下に敷いてあった紙に、「人生は一度きりだから、生まれ変わるなら生きているうちに」と書かれていた。

 

〈生まれ変わる〉

 

房仙先生に出逢うと、行動が変わる。

行動が変われば、人生が変わる。

変わっても、変わっても、行動すれば、まだ変わる。

 

もう、生まれ変わる必要がないくらい、今世を生き抜きたい。

そのために、房仙先生と房仙会の仲間たちに出逢えたのだと思う。

 

浜田えみな



日の出ツアー後半のトピックスは、パワースポットめぐりとハートの石です。

つづきます。

お餅つきも、開運クルーズもつづきます。

龍の背中にも乗りました。

一日目の出来事も、まだ書いていません。

車中、江戸風呂、夜の宴席、海ほたる、座談会……

何からとびだすか、楽しみにしていてください。


今までは、時系列に添って書いていました。

でも、書きたいところから、書くことにしました。

伝えたいことから、伝えたいと思ったからです。

光の道が、読んで下さった人に、一秒でも早く、つながりますよう。

 

福田房仙先生のブログ記事 → ★★★