人のセックスを笑うな

人のセックスを笑うな
	山崎ナオコーラ著 出版社　河出書房新社 発売日　2004.11 価格 　￥ 1,050（￥ 1,000） ISBN 　4309016847
１９歳のオレと３９歳のユリ。恋とも愛ともつかぬいとしさが、オレを駆り立てた。歳の離れたふたりの危うい恋の行方は？　せつなさ１００％の恋愛小説。『文芸』掲載を単行本化。第４１回文芸賞受賞作。 [ｂｋ１の内容紹介] ｂｋ１で詳しく見る

　なんともすごいタイトル。今更「セックス」という文字にじゃなくて「笑うな」にビビった。
何を怒ってるんだろう、誰に向かって言ってるんだろう、この本は。
そんな、ちょっと気になったタイトル。

　ユリになって読んだ。若い恋人からもらった手紙みたいに。ユリと私は年齢が近かったから。

　19歳の男の子が、目元のシワをかわいいと感じてくれたり、ぽっちゃりとしたお腹を愛しいと思ってくれて嬉しかった。私が嬉しがってもしょうがないのだけれど。

　しかし恋してみると、形に好みなどないことがわかる。好きになると、その形に心が食い込む。そういうことだ。オレのファンタジーにぴったりな形がある訳ではない。そこにある形に、オレの心が食い込むのだ。
　
　そうね、そういうことだよね。好みより「好き」が先に存在するんだよね。

　山崎ナオコーラさん。コーラが好きでペンネームにしたとか。今風の名前。今風の文体。読みやすさがいいかも。吉本ばななの世界よりもリアルで、明るい。次作にも期待。