「THE デザート」6月号

デザート3月号でプラチナ賞を受賞した新人の作品が百合的に怪しい、ということを今年の1月頃紹介したんですが、今月の「THE デザート」に該当作が掲載されてまして、さっそく読んでみたところ、やはり百合でした。
スクープは成功。わーい、ぱちぱち……って自分で拍手してどうする。とりあえずブーイングは回避された(笑)。

やっぱりねぇ、「凹凹」というタイトルだけでも百合アンテナがピーンときましたよ。
やおい好きは元素記号の組み合わせだけで妄想が出来るという伝説がありますが、百合もそろそろそういう領域にさしかかってるのかもしれません(笑)。


・「凹凹」(時遠季沙)
百合度★★★★★
成績優秀眉目秀麗で生徒会長までこなす親友(沙恵)をもつ主人公(蜜)は地味な娘。
主人公には片想いの男の子がいて、彼が沙恵のことを好きなんじゃないかと心配するんですが、実は沙恵は主人公のことが好きだったというオチです。
「あたしが好きなのはあんただよ 蜜」
少女漫画ですが女の子同士でキスしまくりの展開に、クラスでも噂になって「レズってんじゃねーよっ」などと中傷されたりします。

Hシーンもありそうな展開になるのですが未遂に終わります(濡れなかった)。
沙恵とのHを受け入れることが出来なかったことで、次第にふたりの距離は離れていきます。
結局主人公は最初に片想いしていた男の子の元に。

「『凹』と『凹』には穴がぽっかり。空いた穴には何が入るのかな?」
切ないじゃありませんか。

いったん沙恵を受け入れる主人公なのですが、それは主人公が自分をビアンとして自覚したからではなく、キレイで優秀な沙恵が自分のレベルまでおちてくれたからだというところに少女漫画としてのリアルな主人公の気持ちが描かれていると思います。
でも、2年越しの沙恵の気持ちに応えたかったという主人公の気持ちは共感出来ますね。

百合的にはバッドエンドなのですが、相手の娘はガチガチの百合娘で、その後も女の子の恋人を探し続けることになります。
悲恋なのは少女漫画だからまぁしょうがないところか。
少女漫画でリアルな女の子同士の恋愛が簡単に受け入れられると考えるのはちょっと無理がありますし、そもそもあまりリアルに描きすぎれば少女漫画でなくビアン漫画になってしまうので、そのへんは難しいです。

バッドエンドではありますが個人的にはストーリーも面白かったしキャラクターも魅力的だったので満足出来る内容でした。

新人なのでところどころ拙い部分もありますが、キャラクターも可愛くて話の展開も面白いので将来が期待できそうな作家さんですね。出来ることならばこのまま百合作家への道を突き進んで欲しいところですが、さすがにそれは難しいか(笑)。


・「法は女のコの味方」(渡辺マキコ)
百合度★★☆☆☆
今月の「THE デザート」から百合っぽい作品をもう一本紹介。
基本的には作品の主題は百合ではなく義父の性的虐待の話なんですが、相手の娘の悩みに主人公が真摯に付き合ってあげます。


■今月の「THE デザート」は少女漫画百合が好きな人ならとりあえず「買い」でしょうかね。
「悲恋は絶対ダメ」という人は向いてませんが……というか悲恋の耐性が全くない百合好きは少女漫画はあまり向いてないかも。
「デザート」自体は最近よく紹介するし、女の子同士の恋愛に比較的寛容なほうだとは思います(少コミ系などに比べると特に)。