好きだけじゃたりない
(空木朔子)

・「ガールフレンド」
百合度★★★★☆

ちょっとお馬鹿で、いつも尻拭いさせられている幼馴染の友人(♀)がある日男とSEXをしている現場を目撃してしまって悶々としてしまいます。「最低!最低!」と友人のことを理屈では否定しながらも、頭の中は友人が喘ぐ姿でいっぱいで自慰をしてしまう主人公(♀)。
その後友人がSEXをしていた相手と偶然出会い言い寄られてこのままTLお約束のヘテロ展開か、と思いきや主人公はほんとに嫌がっていて、「えみやー!」と友人の名前を呼んだところ本当に現れた友人が王子様のように相手の男を倒して主人公を助けます。
襲われたことにショックを受けて泣き出しそうになる主人公に、「こわかったよね。もう大丈夫だよ」と抱きしめられ、「ぼっ」っと赤くなって動悸が止まらない主人公が良いです。
そして良い雰囲気になってラブラブに……と思いきや、酔っていた友人がゲロを吐いてしまい良い雰囲気がだいなしになってしまうのが少女漫画らしくて面白いです。

この作品、知らない作品だと思ってたんですが……なんと知ってる作品でした。むか〜し雑誌で読んだことありますよ。当時は「誰にも言えない〜」のゆふ×委員チョシリーズとかまだ出てなかったんで空木先生の名前は覚えてなかったんですよね。まさかこの作品描いたのが空木朔子先生だったとは!
コンビニで置いてあったのを立ち読みして、キスとかSEXとか直接的な絡みはなかったんでその場では買わなかったんですが、その後ストーリーがず〜と頭に残っていて、やっぱりあれは買っておけば良かったよなあー、でももうコンビニにも置いてないし、作家名も忘れてしまったし、もう出会うことは無理かなー、とその場で雑誌を買わなかったことをず〜と後悔していたんですが、こんな形でまた読めることになるとは全く予想外でした。

この作品読んで以来私は、書店やコンビニでTLの百合モノを物色するという奇妙な習慣がついてしまったんですが、まさか空木先生が縁だったとは思いませんでした。
う〜む、百合好きの縁なんでしょうかねえ。不思議な巡り合わせを感じます。

この作品は上でも説明してる通り、キスとかSEXとか直接的な描写があるわけじゃないんですけど、友人に口紅を塗ってもらってドキドキするシーンとか、頭では否定してるのに相手のことを想って自慰をしてしまうシーンとか、良い雰囲気になったところで相手がゲロを吐いてオチるシーンとか、軽妙なやりとりの中での女の子同士の関係の描写が素晴らしく、少女漫画ってすごいなーと感銘を受けて、何年も頭から離れられなかった作品です。直接描写を求める人にはおすすめしませんが、個人的にはこういう作品は神ですね。
男に言い寄られてそのまま男に走る展開……と見せかけて実は女友達のことのほうが好きだったという展開や、そのまま友人とラブラブシーンに……と思わせて友人がゲロ吐いてオチる展開とか、予想外の展開に当時ほんとに感銘を受けたんですよ。萌え系のように薄っぺらい単純なラブラブでなく、少女漫画的な百合が読みたいという人には是非おすすめします。

目次ページに描き下ろしらしき2人のカットがありますが、主人公が歯ブラシとコップを持っているということはお泊り?まさか同棲とか?想像が膨らみます。

ちなみにこの作品も主人公が委員長です。偶然なのか必然なのか空木先生の描く百合は今のところ全部いいんちょものになっています(笑)。空木先生のいいんちょものが読みたいという人は是非。