少女セクト 2

百合度★★★★★

さて、百合好き待望の単行本第2巻です。1巻の感想はこちら
amazonで「百合姫」と一緒に注文した人もぼちぼち届き始めていると思います。一緒に注文したものや地域などの関係で今日届かなかった人もまあ2〜3日もすればそのうち届くでしょう。

1巻のラストで思信が内藤ちゃんに告白してさあどうなる?という第2巻ですがやはり思信と内藤ちゃんの関係を中心にして話が進んでいきます。

第8話
「(藩田さんは)八方美人で気安くて……でも私は……」と考えこんでる時に鳩が校舎の壁の外へ飛び出すのをみて内藤ちゃんが何かを感じているシーンが意味深です。このシーンは単行本描き下ろしっぽい?
あてつけなのかなんなのか、思信に告白されてからなぜか先生と付き合うようになってしまう心境は興味深い。
結局内藤ちゃんのはじめての相手は先生になります。しかし先生は病気を患ってしまい内藤ちゃんの元を去ることに。
からかっているように見える諏訪部さんは実は内藤ちゃんを慰めているのかも。

第9話
ベースの弦を物色しに準備室に忍び込んだ内藤ちゃん、そこには先客が。隠れているうちに双子とHする同級生の姿が。「ねー見て見て」と、欲情させるために鳩子の前でキスをしてみせる双子が良いですね。鳩子は嫌がっているようにみえるけど絶対楽しんでると思う(笑)。
最後「ダイアナ」を一緒にセッションしようとしてる内藤ちゃんと思信のシーンがめちゃくちゃ良いですね。
ちなみに「ダイアナ」は日本語でいろいろなバージョンでカバーされているので、日本でも年配の方ならよく知っている曲だと思います。「Oh, please stay by me Diana♪」恋人に求愛する歌ですね。古き良き時代のアメリカを象徴するようなひたすら幸せな曲です。今手元のCDでベースのラインに注目しながらちょっと聞きなおしてみましたが、良いラインですね。

第10話
バレンタインにチョコレートを渡されて「ありがとう、意外に良い人ね」と返す内藤ちゃんの天然ぶりが面白いです。
しかしホワイトデーのお返しにはなんと指輪を返すという大胆ぶりを見せる内藤ちゃん。

第11話
気持ちが溢れたのか急にエレベーターをロックして思信に迫るきーちゃん。この作品、攻め受けがコロコロ逆転しますね(笑)。

第12話
思信を脅迫してモノにしようと迫る先輩登場。
女の子とHしてばかりいる思信ですが、誰にでも体を開くというわけではなく、やはりある種の「好き」という感情が伴わなければHはしたくないというこだわりがあるのが分かります。
思信に無理矢理自分の体を触らせて快感を得る先輩ですが、やはり悲しい心情のように見えます。

第13話
思信が犯されたことに我慢できずに先輩を殴ってしまって事実上の退学になってしまった内藤ちゃん。熱いですね。
転校して離れ離れの学校になってしまいますが、思信とはお互いの気持ちを確認することができたので晴れて引っ越し先で結ばれるふたり。
エロ漫画誌に掲載されていながら最終話までメインのふたりを肉体的に絡ませなかったのは作者さんのこだわりを感じさせます。
この話は本屋で立ち読みして読んだことがありますが、カラー部分はなかったと思うので書き足し(カラー化)でしょうね。確か内藤ちゃんが髪をほどくシーンもなかったような記憶が……。他の人の前ではシニヨン以外の髪型を見せない内藤ちゃんが思信の前で髪をほどいた姿を見せたのはやはり特別な関係になったことの証でしょう。

デイアフター少女セクト
番外編は内藤ちゃんの転校先の話。転校先でもモテモテの内藤ちゃん。内藤ちゃんの前の学校が女の子カップルがいっぱいだという噂がきっかけで転校先でも新たな百合カップルが誕生します。ぎこちなく初めてのキスを交わす初々しいふたりが良いです。
気に入られたい相手の元にメルアドを張っていく習慣は現実にもありそうで(ほんとにあるのかな?)面白い。

おまけ2
内藤ちゃんが転校して思信と結ばれてから数年後の姿が描かれています。真弥と3人で同棲しているふたり。思信と内藤ちゃんは会社に勤めているようです。
「思信、子供欲しいの?」と聞かれて「桃子の子だったらね」と答えるふたりの幸せそうなやりとりが良いです。
「お財布、ハンカチ……」出かける前に内藤ちゃんに確認してもらったはずなのに重要な書類を忘れてしまう思信。
真弥を使って会社に届けてもらおうとしますが、その時に内藤ちゃん、真弥と3人で同棲してることが会社にバレてしまい、さらに内藤ちゃんがうっかり「ご馳走しますからうちに……」と言ってしまったことから自宅を職場の人に襲撃されてしまいます。
隠してあったバイブやらいちゃついてる学生時代のアルバムなどを次々発見していく会社の人々が怖い(笑)。
思信が同性愛者であると知ったその日から、新人教育と称して思信にチューをさせるよう強要する会社のメンバー。「『おはようございます』のチュー」「『お疲れ様でした』のチュー」あたりはまだ分かるものの「『いえ、ここは私が……』のチュー」「『じゃあワリカンで……』のチュー」となってくるとなにがなんだかわけが分かりません。
口うるさく説教ばかりしていたチーフまで先人を切ってチューをしようとするのは理解がありすぎて怖いですね(笑)。

エピローグ
初版発行日などの記述があったんでてっきりここで終わりかと一瞬思ったんですが、その後にエピソードが続いていました。凝った構成ですね。雑誌掲載時最終話を読んでも思信が内藤ちゃんに惚れたシーンというのが全く分からなかったんですが、ここでそのシーンが明らかになります。お菓子につられて寄ってくる卑しい内藤ちゃんが素敵です(笑)。

カバー裏
なんと表紙のふたりのパンツはいてないバージョンがあります。よく見るとフローリングの床の上に寝転んでいて、ふたりが同棲生活をしていて、幸せな様子が窺えますね。



■2巻は描き下ろし多数収録ということでページ数も多く(200ページ超)、結構ボリュームがあります。
こういうのは1日5ページくらいで我慢して1ヶ月くらいかけてじっくり読むのも面白いんじゃないでしょうか。速報性も多少重視する百合サイトなんかやってる手前、私はもう読んでしまいましたが、昨日の「百合姫」に加えて、なんだかケーキの一気食いでもしてるような気分になってしまいました。早く読めば良いというものでもありませんね。まあそれだけ恵まれた時代になってきたということではありますが。

この作品は「マリア様がみてる」などと違ってキャラクターが自分の気持ちをくどくど言葉で説明することはないので、「精神的繋がりの描写が薄いんじゃないの?」と疑う人もいると思いますが、軽妙なやり取りの中にもキャラクターの心情を推測することは充分出来る作りになっていると思います。こういう作品から何か深い心理描写を感じとるのは読者の想像力次第。何もないと切り捨てるのもまあ別に自由です。

思信や内藤ちゃんはお互いを特別な存在だと認めながらも、他の娘との肉体関係も楽しんでいるので、浮気を一切許さないというタイプの人には批判されそうですが、私はこういう関係もアリだと個人的には思いました。ただ相手が黙って他の誰かと関係をするのはやっぱり嫌だという気持ちはなんとなく分かります。

以下公式のサンプル。作品の良さを知ってもらうには、やはり実際に絵柄を見てみるのが一番だと思うので参考にしてください。
その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7

成年マークがついてないということもあって、この単行本は若い人でも手に取りやすそうですね。一応amazonでも年齢制限ページを挟んでいないようです。
私の世代辺りだと「いきなりっ!CAN・CAN」とかあたりで成人向けっぽい百合の世界に入る人が多かったのではないかと思うのですが、これから百合に入ってくる世代はこの作品のファンが多くなりそうですね。男もほとんど登場せずクオリティの極めて高い作品を簡単に読むことが出来て、若い人には恵まれた環境になってきたものです(笑)。

描き下ろし部分では内藤ちゃんたちが大人になって社会人として生活していく様子も描かれているので、同性愛者として生活をしていくことへの若い人への指針にもなって良いと思います。まあそんなハードな現実は描いてないんで甘々ですけどね(笑)。

amazonの順位もすごいことになっていて(4月19日現在堂々の第2位!)、1巻の売れ行きも好調でしたが、2巻も相変わらず……というか1巻の時よりさらに勢いを増しているようで、「男なんて入れなくても百合漫画は売れる」ということがこの作品で証明できたのではないでしょうか?これからの商業百合作品のひとつの指標になるかもしれません。