東京アリス 1 (稚野鳥子)

百合度★☆☆☆☆

メールフォームの情報より。
メインは表紙の少女だと思いますが、時々語り手(もちろん全員女の子)が変わる話です。その中のひとりが表紙の主人公ふうに恋をしている女友達という設定です。

「夜は太陽の光が邪魔をしないから危険
今まで秘密にしていた気持ちが思わず外に出てしまうから」


と、女友達への恋心を自分の心に秘めて友達と接する理央の気持が切ないですね。
中学に上がったばかりの頃、外部受験で入ってきて孤立していたところにふうが話しかけてきたことから交友がはじまった理央。
「あの日から私の欲しいものは変わらない」
男から告白されても「ずっと好きな人がいる」とあっさり断ってしまいます。

バレンタインに理央が子供の頃好きだった「ナウシカ」の「腐海」(?)をイメージした巨大なチョコをふうが贈るシーンが良いです。
ただふうは本命の男のほうにも巨大なチョコをあげていて、理央の恋心に全く気が付いていないのが惜しい。
というか百合キャラの理央を除くと、この漫画に出てくるヘテロキャラたちは、生きがいが買い物か男かを天秤にかけているような果てしなく志が低い人たちです。マミーナのいうところの「名前もいらない、なんの価値もない」タイプの人。う〜む、選民思想ではないんですが、これを読むとヘテロな生き方をしている人たちの底が見えてしまうな。輝き続けている理央の想いに比べて、他のキャラクターは腐っているように見える。

1巻のラストで女友達3人で同居し始めることになりますが、これで話が好転することを祈ります(理央も一緒に同居してくれれば最高だったんですが……)。これで結局買い物より男が大事!なんて安易な結末だったら失望してしまうな。ところどころで、女友達で一緒に楽しくしていたシーンが意味深に挿入されているので、またそういう日々に戻る事が出来たら物語的にも百合的にもハッピーエンドなんですが、大人になるにつれ楽しかった子供の頃にそう簡単に戻る事が出来ない、ということを主題にしているような節もあるので難しいかもしれません。

ともあれメールフォームで情報ありがとうございました〜。少女漫画の中で百合物件を探すのは至難の業ですね。砂漠の中で一粒のダイヤを探しているような錯覚に陥ります。少女漫画の百合物件ひとつ探す時間があったら、萌え系で10個くらい百合物件見つけることが出来ますよ、ほんと。
今回紹介した「東京アリス」も、理央の出番が少ないので百合度は低くせざるを得ませんでしたが、女友達に恋心を抱く女性の心理描写の深さは他のジャンルにはめったにないものだと思いますので、少女漫画百合に興味がある人は是非読んでみて下さい。