ピクシーゲイル 2
(宮下未紀)
百合度★★★★★

今月頭に1巻が出た作品の2巻目です。1巻の紹介はこちら
少女2人の絆が主題らしいことは分かっていたし、百合度があがったことは予想通りでしたが、作品的にも随分面白くなっているように感じます。読み返して分かったんですが1巻の時は伏線が多かったのでピンと来なかったんですね。
同じ月に連続刊行というのがどういう意図の企画か良く分かりませんが、個人的には1冊に分厚くまとめて出した方が良かったのではないかと思います。2巻の真ん中辺りまで読まないとこの作品の良さは分からない人が多いのではないでしょうか。1巻だけ読んでつまらないと判断して切ってしまう人が多そうで惜しい。

冒頭のカラーページで、ハブられているリカノに「まあでもいっか。お前には俺がいるし」と声をかけてあげるローレイが良いですね。これは描き下ろしかな?
2巻から登場する猫耳のメイド少女(表紙の娘です)は何を考えているのか分からなくて面白いキャラクターですが、結局ローレイがリカノを必要としている事をさりげなく諭します。師匠を失ってローレイが寂しがっていると感じたリカノがローレイの手をとって自分の胸の鼓動を伝えるシーンはちょっと良いですね。

シャワーの止め方が分からず裸で出てきたリカノがつまずいてローレイのところに倒れこんでそのまま抱き合って眠ってしまうシーンは経緯が謎ですが良いシーンです。

カップをこぼして火傷した異端調査科室長の手にローレイが口付けして治療するシーンではまじまじと覗き込んで露骨に嫉妬するリカノが面白い。
その事で悩んでるところを道端で出会った少女に打ち明けたところ「好きとか嫌いとか、口に出してみるといい」とアドバイスされ、ローレイに自分の気持(「好き」)を伝えるかどうしようか迷って顔を赤らめ、「変でしょ、そんなこと言ったら」と葛藤するリカノがまた良い。

リカノの心臓に用があるだけなのかリカノ自身が必要なのか謎だったローレイも「誰の身体を持っていようとリカノの中に誰かがいるわけじゃない。ひとりはあくまでひとり。血の一滴までだ」と少しだけ気持を打ち明け、また今後絆が深まっていきそうな雰囲気があります。

刊行方式……というか単行本がちょっと高い(倍近くのページ数がある「咲―saki―」より1冊あたりの値段が高い)ところに少々疑問はありますが作品自体はとても良く、百合度的にも問題ありません。興味のある人は2冊一緒に買ってみてください(か2冊とも買わないかどっちか)。