あまいくちびる
(森永みるく)
百合度★★★★☆

待望のみるく先生の単行本です。成年向けの単行本が出るのは久しぶりですね。
商業誌には制約があるので、さすがに全部の作品が百合というわけにはいきませんが、巻頭のピンナップも4枚中3枚が百合だったりとみるく先生の貴重な百合作品を多数収録しています。
みるく先生のしっとりした百合作品はほとんどの百合好きに好評なのに比べると、異様に明るい百合作品や男女のエロ作品は好みが分かれるようですが、やっぱりファンとしてはいろいろな作品が読めて嬉しいですね。
入荷数が少ないようであまり本屋には置いてないようなのでこれから回る人はそのへんちょっと注意。
公式(←リンク先18禁)にサンプルが数枚あるのでこちらも参考にしてください。

・「ひらひら第四話」
百合度★☆☆☆☆
兄の彼女のHな姿をみて主人公の妹がひとりHしてしまうシーンあり。

・「理想の彼氏」
これは百合ではなくティーンズラブ誌に載ってたヘテロ話ですね。ありゃりゃ、雑誌掲載時白だった主人公の髪が黒くなってますね。黒いと奈々に見えてしまうのが痛い……(爆)。

・「31℃」
百合度★★★★★
1999年まであと4年と迫った舞台で、学校のプールで戯れる2人の少女の話です。
「ねぇ……このままふたりで死んじゃおうか?」心中ごっこをしつつ水の中でキスを交わすふたりが良いですね。じゃれてる2人が本当に幸せそうな雰囲気が伝わってきます。

あーこれ、覚えてるよ!確か雑誌に載ってるのを立ち読みして、「みるく先生のカラー漫画かー、いいなー」と思ったもののページ数が少なかったのと、当時貧乏学生だったため「単行本化されるのを待つか……」とその場は見送った作品でした。よもや単行本化されるまで12年(!)も待たされることになるとは、その時は予想だにしませんでした(笑)。
しかしなんとか今回手に入れることが出来て良かったです。出来れば「薔薇が眠れるまで」も単行本化して欲しいですが……。(あれを雑誌掲載時に買っておかなかったことは一生の不覚です)

・「Bunny's Road<1>」
百合度★★★★★
これ後編しか知らなかったんですが、前編があったんですね。ナイトクラブで働く新人バニーガールが先輩バニーにHな指導を受ける話。

・「Bunny's Road<2>」
百合度★★★★★
会員制高級クラブで働くどじな主人公のバニーは失敗してばかり。いつもバニーリーダーにニンジンをあそこに入れられてお仕置きをされています。
そんなある日新人バニーが入店して、ここぞとばかり主人公は自分も新人をいたぶってやろうと決意するのですが、実際にニンジンを入れようとあそこを覗いたところ、初めて見た他人のあそこに引いてしまい挫折します。
しかし新人バニーはすっかりその気になってしまい、「私攻める方が……」と形勢逆転で結局攻められっぱなしの主人公なのでした。
雑誌掲載時に比べてボカシが薄くなっています。

・「ラブまでMAY BEあとちょっと?」
百合度★★★★☆
先生(♀)のことが好きで、わざと補習を受け続ける女子高生の話。夢の中で先生を犯した話を聞かせたり、週何回ひとりHするか質問したりと先生にセクハラしまくりな女子高生が良いですね。その後嫉妬していた相手のインコー男教師にレイプされかけますが、惚れていた先生が助けに来ます。みるく先生の描くこういう突拍子もないオチも好きだ(笑)。

・「あまいくちびる」(森永みるく)
百合度★★★★★
いかにも女の子らしくて可愛い友人(早紀)を持つ主人公夏美、しかしそんな地味な夏美に男の恋人が出来ます。
そのことをなんとなく早紀に言えなかった夏美ですが、友人を介してそのことがバレてしまいます。
「なんで言ってくれなかったの」と怒る早紀。
その後誰もいない教室でふたりになったあと制服のタイで夏美を椅子に後ろ手でしばり
「どんな風にキスしたの」と軽くキス。
「もっとかな?大学生だもんね」とさらに濃厚に舌を絡めあいます。
グロスや制汗スプレーなどを使って夏美を感じさせていく早紀ですが、なぜか涙がこぼれてしまいます。
「私のほうがいいって言って……お願い……だいすき……夏美……だいすき」
涙を流す早紀ちゃんが切ないですね。
「こんなに長い間ずっといつも一緒にいたはずなのに。一番ちかくにいたのに」
ようやく早紀の気持に気づいた夏美。今度は自分から早紀にキスを返します。
「早紀はどうしてほしいの……?」と自分からも早紀と交わる事を望みます。
「同じ事……して……」という早紀に気持も身体も結ばれた夏美。
化粧品の道具を使ってのプレイは変わってますよね。少女漫画やティーンズラブともまた全然違うんですが、これもある種の女性同士らしい雰囲気を出してると思います。

結局その後別れのキスを残して男の元は去り、早紀の元へ走ります。
「どんなに甘いあなたとのキスより、彼女の涙は少しだけ苦くて、もっと甘いから」
早紀の願いが叶って、一緒に化粧品を買いに行くエンディングが良いですね。

ちなみにこちらはあまりにもあまりな雑誌掲載時のあおり文。今回落ち着いて読めることになって良かったですね(笑)。
この作品も雑誌掲載時に比べて局部修正が甘くなっています。

・「Bunny's Road<おまけ>」
百合度★★★★★
相変わらずドジばかりで先輩バニーからお仕置きを受けている主人公バニー。あそこを手当てしていた新人バニーもいつのまにか主人公バニーを押し倒しています。クビになる事を恐れた主人公バニーが「お姉さま、末永くしつけて下さい」と謙りますが、望み通り厳しく攻めてあげるバニーリーダーはやっぱり主人公とのプレイを楽しんでるように見えて……?(笑)
こちらにサンプルが一枚あります。
みるく先生のサイトによると今月17日発売の雑誌ばんがいちにバニーシリーズの新作が収録されるそうです。百合になるかどうかは分かりませんが当然こちらも買う予定。


■個人的には「31℃」が良かったなあ。雑誌掲載時の1995年というと阪神大震災があったりオウム事件があったりと「ほんとに1999年で世界は終っちゃうんじゃないか?」と社会全体に重苦しい空気が漂っていた時代だったんですが、その中でもみるく先生の作品は明るくて個人的には救いでしたね。当時の記憶がちょっと蘇ってきました。

あとがきにあるとおり、「ひらひら」などは学生と制服のHに成年漫画が厳しく制限されている時代だった作品だったという事で、基本的にロリ絵のほうが得意なみるく先生がちょっと無理して描いていたらしく、その辺は少し違和感がある印象は否めませんが、単行本としては雑誌掲載時カラーだったものをそのまま収録していたり描き足しがあったり、他社雑誌に掲載されていた作品を引っ張ってきたりと、みるく先生ファンとしては嬉しい、丁寧な作りになっていて良かったと思います。ページ数も210ページ超と、成年コミックとしてはボリュームがあって良いですね。