きょうはアラシ
(やまざき 貴子)
百合度★★☆☆☆

私のめちゃくちゃ好きな少女漫画がこの度文庫化されました。長らく絶版で入手困難な状態が続いていたので話題にするのを控えていましたが、もう誰でも簡単に手に入れる事が出来るようになったのでこの機会に紹介しておこうと思います。

お嬢様女子高生と平凡な庶民女子高生のドタバタコメディ。途中からアイドル女子高生も加わってきます。80年代終わり〜90年代初めに白泉社で描かれた作品としては珍しく、ホモ男達がメインではなく女子高生達がメインの話です。

・「今日はアラシ」
クラスメートだったものの、それまで話をすることもなかったお嬢様の紫野が普通の庶民女子高生の若菜の家にある日突然家出してやってくる話。
抱きついて一緒に登校しようとしたり、大人しそうに見えるのに若菜をナンパしようとした男に平手打ちをくらわせたり、映画を一緒に観ようと誘ったりする紫野が可愛いですね。
実は小さい頃一度だけ会った事があった二人。その時紫野が若菜にひと目で憧れて、いろいろ調べて若菜と同じ高校の同じクラスになったものの、何て話しかければ良いのか分からず家まで押しかけてきたというオチ。その後は晴れて若菜と仲良くなった紫野は、クラブも若菜と一緒のところに入り、その後もたびたび家に押しかけてくるようになります。

・「かくも平穏な日々」
食う金に困った若菜が今度は逆に紫野の家に押しかけてくる話。ドレス姿の紫野を見て赤くなる若菜が良いですね。誘拐されて紫野の父親になぜか襲われますが紫野が銃を持って助けに来ます。若菜のためなら相手が例え自分の父親であっても躊躇せず引き金を引いてしまう紫野が良いです。

・「スクールガールズスクランブル」
女優業で忙しく、出席日数が足りなくて従姉弟を代わりに自分の学校に行かせていた新キャラの史緒ですが、テストの点が悪く進級するためには全科目90点以上取らなければいけないということで、若菜、紫野と一緒に勉強する事に。秘密がバレてしまって、その後は3人で仲良しになります。

・「だからフレンドシップ」
頑張ってる友達の史緒の秘密を守るため、若菜、紫野、従兄弟の逸夢が奮闘する話。
何もないところでつまずいて、若菜にしがみついて倒れる紫野が面白いですね。
睡眠不足で倒れた若菜を心配して保健室に連れて行く紫野。倒れた若菜が紫野の手を離さなかったのは事情があったのですが、それを知って赤くなる紫野が良いです。

・「熱闘!バトルボーイズ」
史緒の従兄弟の番外編。見物に行く若菜に無理矢理ついてくる紫野が良いですね。

・「白昼サバイバる!」
母のに命じられてお使いの途中の若菜は「若菜――助けてくださいませー!紫野♥」と書かれた変なフーセンをたくさん見つけ紫野の元に駆けつけます。「これは何なのよ」と若菜に聞かれ、持っていた大根をかじる紫野のシーンが可愛くてなんか好きだ(笑)。
なんだかんだ言って助けに来てしまって赤くなる若菜と「きゃっ嬉しゅうございます♥」と喜ぶ紫野も百合的に良いシーンです。
さらに紫野を男の手から救うために秘境を冒険する事になる若菜。滝の滑り台を一緒に滑り落ちる2人は結構楽しそう。
1人なら脱出できそうなロープを見つけても「あんた1人残していったら危ないじゃない」と紫野を気遣う若菜に紫野も「あたくし、嬉しいです……」と後ろから抱きついて引きずられていくシーンも良いですね。

・「晴れて、カラカラ」
体育の試合で大活躍する若菜を「お見事ですっ若菜♥」と熱烈に応援する紫野が良い。その後暑気あたりで倒れる若菜ですが、紫野は涙して心配して、保健室まで連れて行きます。回復した若菜を自分で家まで送ろうとする紫野に「送るなんてケチなこといってないで泊まってきなよ」と誘う若菜も良いですね。宿題目当てではありますが(笑)。
また何もないところでつまずいて若菜と一緒に坂を転げ落ちる紫野。
若菜と一緒にお祭りに行って、若菜に水風船を貰って楽しそうな紫野が良いですね。
ゴミをその辺に捨てようとした若菜をいきなり怒る紫野。この辺ははっきりしてますね。若菜も紫野の言う事に素直に従う事にします。
翁の作った装置が暴走して、荒れてしまった花壇の花を植え替える若菜の姿をみて嬉しそうな紫野。若菜も嬉しそうな紫野をみて照れくさくて赤くなります。
「プレイランド行ってみない?この指とーまれ」と指の出てない腕をあげる楽しそうなシーンで本編は終わりです。

・「パンドラと冠」
若菜と紫野がファンタジーの世界で冒険する番外編。ワッカナと一緒に旅に出るユーカリノ姫が楽しそうで良いですね。


■女子同士、恋愛関係にある作品も良いですが、私はこういう風に女の子同士が自然に楽しんでる雰囲気が好きですね。この軽妙さは萌え系や小説などでは出せない、少女漫画ならではの独特のものだと思います。
とりあえずこのサイトをご覧の方はやっぱり百合度が一番気になるだろうと言う事で百合的な見所をピックアップして紹介してみましたが、この作品は言葉で伝えられないようなところに面白さがあると思うんで、この文章ではこの作品の面白さはなかなか伝わらなかったかもしれませんね。やっぱり言葉で伝える事は難しいんで、是非一度実際に読んでみてほしい作品です。