夜愁(ヤシュウ)上
(サラ・ウォーターズ/著 中村有希


夜愁(ヤシュウ)下
(サラ・ウォーターズ/著 中村有希)

ミステリー百合小説の超名作、「荊の城」の作者さんの新作です。
長編小説に特攻するのはさすがに時間のロスが大きいんで、誰か先に読んだ人の報告を待とうかと思ってたんですが、本屋でパラパラ流し読みしてたらあまりに百合度も高そうで話も面白そうなので速攻で買ってきてしまった。

第2次大戦を舞台に、3人のレズビアンの女性がメインのストーリーのようです。
まだ全部読んでませんが流し読みしたところ多分百合度は★5つ。ひょっとすると「荊の城」よりも百合度高いかも?

まだ最初のほうを読んでるんですが、ヘレン(♀)とジュリア(♀)が足を絡めながら一緒にお風呂の浴槽に入って、階下にの人に声が聞こえないようにこっそりと相手の足を揉んだり足の指に自分の手の指をはさんだりキスをしたりするシーンがすごく良いですね。もちろん女性2人が愛し合っている話なんですが、サラ・ウォーターズの作品の中では「百合」などという単語はもちろん「レズビアン」という言い方すらほとんど出てこずひっそりと女性同士が愛し合っているところが奥ゆかしくて良いですね。

以下百合な場面紹介&ネタバレ。
ケイはベッドからおりて部屋を横切ると、ヘレンを両腕で抱いた。顔に指を這わせ、くちびるを重ねる。両手をサテンのパジャマの下にすべりこませ、温かな背中と腰のなめらかな素肌に触れる。そうしてヘレンの身体を少し離し、乳房を手で包み、そのたっぷりとした重みをてのひらで味わった。ヘレンの尻のまろみ、サテンの下でふっくらと張った太股。ケイは頬をヘレンの耳に擦り寄せた。

「きれいよ」
「わたしなんか」


ふたりは無言で見つめ合った。やがて、どちらからともなく歩み寄り、くちびるを重ねた。ヘレンはまだケイとジュリアのキスの違いになれてなかった――ジュリアのくちびるの、柔らかさ、口紅のぺたりとした感触、ためらいがちな舌の動きが、ケイとはどことなく違って不思議だった。その不思議さが興奮を呼んだ。くちびるは、ずれて、あっというまに濡れてくる。ふたりは身体を押しつけ合った。ジュリアがヘレンの裸の胸に指を当てる――触れて、その指をはがして、また触れて、はがして――また――そしてヘレンは、自分の肌がジュリアを求めて、求めて、張りつめていくのを感じる。


この後さらに濃厚な絡みシーンがあります。続きは現物で!
ラストシーンも良さげな感じで少なくとも百合的にはバッドエンドではなさそうです。