彼女が彼女を愛する時

百合度★★★★★

レズビアンの恋人役を演じることになった2人が次第に惹かれていき、最後本当の恋人同士になってしまう話。
公式によれば
同じクラブの舞台に立ち女優を夢見るレズビアンの二人の女性の姿をありのままに描いた衝撃作!本物の二人の女性同性愛者が、自らカメラの前に立ち、今まで経験してきたことや現在の想いを告白し、それを元に切ない実録ドラマが展開していく。
ということで、女優さん2人が自分たちの現在の恋人関係に至るまでの経緯を自ら語っていくという、風変わりな形式で進んでいく映画です。
実話に基づく話ということで、主役のビアンカップルの2人は実名をそのまま役名にして登場しています。
R指定はされてませんが、濡れ場はあってどちらもヌードシーンはあって結構しっかり絡んでます。最近あまり見てないけど、洋画はこれくらいの絡みシーンがあるのは普通なのかな?

倦怠感を感じていたビアンカップルが、山小屋で性欲に火がついて最後に激しくシーンとか良い感じですね。
カメラの前で女性同士絡みシーンを見せることになったロビンが、乳首が触れ合った時にドキドキしたり、恋人との約束で激しくはしないはずだったキスもディープでしてしまったりして燃え上がった後、その後顔を合わせても相手を見る目は完全に変わってしまい、役を演じていない時も急激に親しくなっていって彼女の齧った林檎を自分も齧ったり膝枕してたりするシーンは良い感じですね。

学生時代、クラスで気になる女の子がきれいで見惚れているうちに、自分のセクシュアリティに気が付くシーンとかも良いです。この辺は各国共通な現象かも。

母親に自分のセクシュアリティを告白する時、「レ・ズ・ビ・ア・ン」という単語は長すぎて必要以上に驚かせるだろうと思ってシンプルに「ゲイなの」とさりげなく言ったつもりでも、母親は「ウソでしょ?」と驚愕してしまい「なぜあなたなの?」とまで言われてしまうものの、最後は「愛している、ずっとね……」と抱きしめてあげて主人公の目の前が開けていくシーンは良いですね。ビアンの人も一度観ておくと幸せな気分になるかもしれません。(もちろん実際にカミングアウトして同じようになるとは限りませんが……)

もちろん実話を基にしたとはいえこれは映画なので語りのシーンは演技もかなり入ってますが、こういう風に自分の事を堂々と語れてしまうあたりアメリカ人女性は強いですね。あっちは広いからセクシュアルマイノリティも堂々としていられる場所があるんでしょう。

お互い元々恋人(どちらも相手は♀)がいたということで、女優さんの容姿など含めてところどころリアル……というか生々しい部分があってその辺は好みが別れるところかもしれませんが、私は逆に面白いと思いました。
実名で登場してるとはいえ、女優さんということでかなり演技してるし、百合カップルのリアルなドキュメンタリーを期待する人には「これウソでしょ?」と疑ってしまうシーンもあるかと思いますが、これはあくまで映画なのでその辺は割り切って観るべきでしょう。でも本当に頭から尻尾までフィクションだったらもっと綺麗な物語にすることも可能なところを、綺麗なだけでなくところどころ生々しい描写も含めて作品に厚みを加えているあたりがこの作品の面白さだと私は思います。

ちなみにこのDVDにはコピーガードなどは入ってないようです(X-BOXからVHSビデオの場合。私の所有してるHDDレコーダーはコピーガードの有無に関わらずファイナライズされたDVDはHDDに録画できないっぽい)。
まあでもこういうコピーガードの入ってない作品のほうが心情的には応援したくなってしまいますけどね(笑)。