「少女セクト」OVA化のニュースも予想以上に話題になっていて、百合好きの皆さんもHありの百合アニメに注目していることが窺えますが、私が百合好きになるきっかけになったのも、小学生の時に電器屋のディスプレイに映っていた「エスカレーション」という18禁(故にほんとは私は観ちゃいけない年だったんですが)の百合アニメだったんですよね。
そんなわけで今回はその「エスカレーション〜禁断のソナタ〜」の紹介を……したいところですが、今この「禁断のソナタ」は最初に出たVHSビデオ版もその後に2本カップリングの抱き合わせDVD版BOX版も全部品切れ、公式で一応限定通販してるとはいえBOXでまとめて買わなければいけなくて馬鹿高くて結局入手しづらい……ということで今回は代わりにその続編、「エスカレーション~Die Liebe~」を紹介しようと思います。
この作品は「エスカレーション」の1作目、2作目の流れを引き継いでいるのでリエやナオミお姉さまも登場しますが、主人公は新入生のトモエという少女になっているので、初めて「エスカレーション」シリーズを観る人も問題なく観れますのでその辺はご安心を。

この作品も前々から紹介しようとは思っていたものの思い入れが強すぎて記事が膨らみすぎてまとまりきらず、なんども下書きしてはアップロードせずに書きかけの記事がメモ帳に埋もれて……というパターンを繰り返していたんですが、さすがにそろそろ紹介しないと品切れになりそうなので、手短ではありますが簡単に取り上げておきます。


エスカレーション~Die Liebe~

百合度★★★★★
作画度★★★★☆

兄に比較され、出来の悪いことに引け目を感じていた主人公の少女岬トモエ。全寮制ミッション系女学校に入学するものの、そこでも馴染めず脱走を計りますが(この辺、「BLUE DROP」第1話でオマージュになっているかもしれません)、学生総代の小松崎リエに見つかってしまいます。
しかしリエはトモエの行動を見咎めることはせず、自分の部屋に招き入れ「今夜のことはナイショにしておいてあげる」と言葉をかけ、優しく首筋から頬にかけてそっとなでてあげ、その感触にトモエはドキドキしてしまいます。
その日からリエのことが気になって頭がいっぱいになってしまうトモエ。リエを遠くから見つめ、自分の胸を触って高まっている動悸を確かめ、その場に崩れて落ちてしまうシーンは良いですね。このシーン気に入っています。

家族からの便りもなく孤独を感じるトモエですがそんな折、トモエはルームメイトから校内の違反者には学生総代のリエ自らが懲罰を与えている事を聞き、実際にリエが女生徒のパンツを下ろさせ、お尻に直に鞭を振り下ろしている事を知ってしまいます。
「あんな優しそうな人が……」と戸惑うトモエですが、それと同時に新たな胸の高鳴りも感じ、頬をなでられた時の感触を思い出しながら頭の中で、裸で手足を木馬に縛り付けられリエに鞭打たれたり、あごを掴まれて顔に唾を吐き掛けられたり、頭を足で踏みにじられたりしてリエにいたぶられるところを想像しながらひとりHをしてしまいます。
荒い息の中「私ってなんていやらしいんだろう……最低だわ……」と感じますます引け目を感じるトモエですが、後日リエのほうから再び声をかけてもらい、ミドリがキャプテンを務めるテニス部に入ることになります。
リエが喜ぶ顔が見たい一心で練習に励み、次第に上達してミドリから1本とることも出来、「やったぁ!」とリエに抱きついて喜んだりして次第に明るさを取り戻すトモエ。
しかしミドリが自信を持たせるため、わざとトモエに一本取らせてあげ、さらにリエとミドリが公認のカップルで特別に親しそうに見つめあって手を取り合っているところを目撃してしまい、ショックを受けてしまいます。冬休みを迎え、帰るところもなくリエへの想いを募らせるトモエはひとり部屋で泣き出し、ついにリエの部屋に訪れ泣いて抱きつき、「私……私、リエ先輩のことが好きなんです。めちゃくちゃにしてほしいんです!」と告白します。
「いいわ、トモエちゃんに本当の私の姿をみせてあげる」
リエに導かれ訪れた洋館でトモエが見たものは、ナオミお姉さまやミドリに調教を受けるリエの姿だったのでした。
最初見たときは驚いたトモエですが、しかしリエへの想いは変わらず、「私を弄んで……おもちゃにしてほしいんです」と懇願するトモエ。それに対してリエは優しく……ではなく冷たく突き飛ばし「服を脱ぎなさい。今からお仕置きしてあげるわ!覚悟なさい!!」と頬を張り飛ばされ、鞭を受け苦痛に悲鳴をあげるトモエですが、実はこれがトモエが本当に望んでいた形だったのでした。
2人のSMプレイをうっとり見ながら、隣で舌を絡めあって楽しんでいるナオミお姉さまとミドリも良いですね。短いシーンだしメインカップルではありませんが、この2人のシーンも結構気に入っています。

いじめられてよがっているトモエの髪を掴んだリエの言葉は強烈です。
「アンタこそいじめられて喜ぶ、いやらしいメス豚よ!そして……誰からも愛されない、最低のクズよ!!
この切れ味こそ「エスカレーション」シリーズならではの醍醐味でしょう。私がこの作品を「禁断のソナタ」の正統な続編として評価しているのも、他の百合作品では見られないようなこの辺の鋭い描写に痺れたからです。
キツイ言葉を聞いて号泣するトモエ。しかしそんなトモエの頬を優しく手で包み「でもね……私が愛してあげるわ」と微笑みかけて言って抱きしめてあげるリエ。この辺の愛情描写がトモエにとってこの上なく甘美であることが分かれば、この作品の良さも見えてくるでしょう。
その後はお互いに愛撫しあい、「トモエちゃん、私とひとつになりましょう」と最後は舌を絡め合い貝合わせをし、2人で激しくイってしまいます。
トモエとのHの後、3人でベッドに裸で横たわって、ナオミお姉さまとミドリに交互にキスするシーンや、その後木陰でじゃれてキスを交わすリエとトモエの姿をミドリが影から見て「やれやれ」という表情をして認めてしまうシーン、私は非常に重要なシーンだと思うんですがこれは1対1のモノガミーな恋愛を唯一の真理とする人には賛否が別れるところですね。
「エスカレーション」ファンの中にも(小説版を手がけた神沢ハルカさんとか)やっぱりナオミ×リエのカップリングだけが好きで、それ以外はダメ、という人も結構います。
ただ私は、同性愛を含む関係なら必ずしも1対1ではなく複数でも同じようにそれぞれを愛しあう形はあると思います。異性愛オンリーだと男女の1対に男でも女でもひとり加わった時点で、男女の間と同性の間で愛情に決定的な差が出てしまうでしょうが、同性愛、もしくはバイセクシュアルの関係なら複数でも等しく愛情を注げる関係もあると思いますね。
この考え方は「少女セクト」でも共通でしょう。ハーレムアニメではないのか?という批判的な見方は「エスカレーション」「少女セクト」どちらもありますが、「エスカレーション」ではリエとその他の女生徒以外でも例えばナオミとミドリ、ミドリとマリ、「少女セクト」では思信とその他の女生徒以外でも例えば真弥と思信、真弥と桃子などの間にある愛があることが分かれば、これらがハーレム環境とは微妙に違うことに気が付くでしょう。

SM描写などもちろん「少女セクト」とは全く違う作風の作品であることは間違いないんですが、上記のような共通点もあるので「少女セクト」が気に入った人にも是非一度見て欲しいものですね。

私が最初に観た百合作品、「エスカレーション〜禁断のソナタ〜」も当時としては最高クオリティの画質(なので店頭でデモンストレーション用に使われていたのでしょう)だったとはいえ、さすがに20数年前の作品なので今鑑賞してもそれほどの感動は得られないでしょうが、「Die Liebe」のほうは2001年に制作されたということで、今でも鑑賞に堪えうるクオリティを持っている……というか今現在、これ以上のクオリティの18禁百合アニメはないんじゃないかと思うし、今の時点では最高峰クオリティの18禁百合アニメなんじゃないかと思います。(もちろん「少女セクト」が成功すればこの状況も変わってくるでしょう)過去の名作、「禁断のソナタ」に比べて云々という批判は多いようでそれは「禁断のソナタ」が百合に目覚めるきっかけになった私ももちろん分かっていることなんですが、しかし「禁断のソナタ」のあのインパクトに比べたらどの作品も霞むのは当たり前。

エロ描写が最後の方だけで少ないんじゃないかという意見もありますが、直接的な絡みシーンよりむしろそこに至るまでの過程の心理描写のほうが素晴らしいですね。裸体だけ目当てに観るのはもったいない。トモエに感情移入して内面を想像しながら視聴していけば、全編に渡って心理的にエロティックな描写があることに気が付くでしょう。


エスカレーションディ・リーベパーフェクトコレクション





DVDは2001年に発売されたんですが、関連商品がほとんど絶版になってしまって、今では入手しづらいのが惜しいですね。小説版は女性作家が描いたわりには昔出てた倉田悠子の小説のような繊細さはないので、まあ無理に探すほどのものでもないですが、パーフェクトコレクションのほうは真行寺たつや先生が昔描いた「エスカレーション」キャラの美しいイラスト(ミドリがうしろからリエの唇に口紅を塗っている絵も収録されてます)なども収録していておすすめだったんですが……ちょっと紹介するのが遅かったです。
まあでもDVD本体だけでも在庫があるだけまだマシですね。こちらももうそろそろ(というかもうすでに?)製造中止になる頃だと思うので手に入るうちに手に入れておきましょう。

以下在庫チェッカー。


しかし「禁断のソナタ」、あの衝撃は20数年経った今も忘れません。礼拝堂で少女同士キスをするシーンは、少女同士が愛し合うという発想が全くなかった私には不思議に思えて、「両方スカートをはいてるけど、どっちか男の子なんだろうか?」などと思ったものでした。成人になってからちゃんとビデオを観ることが出来たんですが、あのシーンは思ったより短いんですよね。ナオミお姉さまとリエが礼拝堂でキスするシーンも回想のほんのワンシーンだけですし。しかし子供の頃の私にはなぜかこの辺のシーンがものすごく長く感じられて、その後10年近くの間ずっと記憶の中に焼きついていたものでした。
「少女セクト」OVAシリーズが成功して、Hありの百合アニメのジャンルも盛り上がって「禁断のソナタ」も再販されたら最高ですね。その際は是非、私が最初に百合を好きになることになった作品にリスペクトの意を込めて、このサイトでも紹介したいものです。