愛しをとめ〜君がこころは〜
 高橋依摘
百合度★★★★★

ティーンズラブ誌でもよくお見かけする作者さんの、初の百合単行本です。
百合こころさんとこのレビューで満点だったので記念に記事を上げておこう(笑)。この作品、ほんとに良いんですよ。

作者さんの作風を知りたい百合好きは先に出た「百合姫Wildrose3」に収録された作品「クロゼット大作戦」の方でチェックしてみるのも良いかもしれませんね。
高橋依摘先生のサイトの今のトップ絵や、こちらの絵も多分この作品の少女たちです。

メールマガジンによると……
さぁさぁさぁ!! ようやっと発売というところになりました、平安百合! (→呼称は勝手に命名)
帝の権力が絶対の時代に入内(→つまり、愛人になれと)を命じられた姫君・桜。しかし、桜には慈しみ愛し合う姫君・橘がいた…。入内を断れば、橘にも家族にもどんな罰があるかわからない…。そう考えた桜は意を決して、帝のもとへ入内する。その時、橘は?ー愛する人と添い遂げるために、絶対権力に立ち向かう二人の運命は…? 波乱の平安百合絵巻!! やんごとなき姫君のミダラな秘めごとをたっぷりご堪能あれ★
ちなみにこちらは担当編集者がぱいんさんじゃないんですね。奥付からしてノラさんっぽい?紹介文のテンションが微妙に違うのもそのせいか(笑)。

というわけで今回の作品は平安時代が舞台。冒頭成人式を迎えたという橘姫は、大人っぽく見えても実はまだ14才なんですね。今は亡き初恋の女性から「娘をよろしくね」と頼まれ、その人の死後自分の元に引き取られた娘の桜を、橘は面影が初恋の人に似ていることもあってか、桜のほうは母の死で悲しみに打ちひしがれている自分を慰めてもらったことなどからお互いに惹かれ合い、一緒に遊んでいるうちに2人の間には自然と、友情以上の強い恋愛感情が生まれるようになったようです。
一緒にいたから恋愛感情が芽生えたという現象は今では珍しくない話に聞こえますが、当時は男女間でも顔も見たこともないような者同士で結婚しなければいけないのが常識という世界。一緒にいて恋愛感情が生まれるということがいかに貴重であるか、後の方で描かれますが、物語はそんな2人の仲睦まじいHシーンを挟みながら進んでいきます。

女同士ということで、会いに行くには女の細腕で危険な離れまで行かなければいけなかったり、男に気がある振りをしてカモフラージュしなければならなかったり、権力者と結婚を強いられて相手の身代わりに自分の体を差し出して嫌々男とHしなければいけないような状況になりかけたり(この辺は百合作品売れ線テンプレート的にはマイナスポイントなのかもしれないですが…)と大変なことも多かったんですが、最後はハッピーエンド。女子同士だからこそ気軽に一緒にいられ自然に恋心も芽生えたという幸せを得ることが出来ました。途中大変なことがあるからこそ、最後まで読んだ時に得ることの出来るカタルシスは大きいですね。
短歌に恋心を綴って送りあったりする平安ならではのやりとりも、雅で良いです。

物語はわりとシリアスな展開で終盤まで進むのですが……最後の最後ですごいオチが。これは意表をつかれました。この辺はネタバレしないで実際に読んだ方がインパクト強くて良いでしょうかね。いろいろ問題もあるような気はしますが、結局かなり笑ってしまった(笑)。


こちらの作品もこんな感じで女子同士のHシーンがたくさんあります。しかしこういう帯↑なんで、本屋で買う人は相変わらずこの辺はレジに持っていく時気になるかもしれませんね(笑)。しかし「ふるき(平安)をたずねて新しき(ラブ)を知る……」ってなかなか気が利いたキャッチフレーズですね。担当さん(ノラさん?)がつけたのかな?あとがきで高橋依摘先生はその担当さんには感謝のあまり「カラダを求められても拒めません」と仰っていますが受け止めないと!担当さん!(笑)