マリア様がみてる 4thシーズン 第3巻 コレクターズエディション (初回限定生産)


(通常版)

百合度★★★★★
作画度★★★★☆

さて「マリア様がみてる」4thシーズンの第3巻です。前回2巻は作画的には底辺でしたが、もう3巻ではほとんど回復しています。作画クオリティはこの後はさらにあがっていきますよ。

第5話「薔薇のミルフィーユ」
原作の「薔薇のミルフィーユ」では紅、黄、白薔薇のそれぞれの物語からなる3層構造から、パイとクリームを交互に重ねたミルフィーユからタイトルをつけられた、と今野先生は仰ってましたが、アニメ版は尺の都合で祐巳のエピソードだけになっているので、最後祥子さまと別れた祐巳が「ミルフィーユ……ゆ、祐巳……み、ミルフィーユ……」と1人しりとりを寂しくしているシーン以外関係がないような感じになってしまって、原作を読んでない人にはそれ以上の意味が分からないサブタイトルになってしまったかもしれませんね。しかしアニメを見返していてたら祐巳や祥子さま、柏木などそれぞれひとつひとつの想いが重ねあわされてエピソードが出来上がっている部分もミルフィーユのような層のある構造に通じているんじゃないかなどと私は思ってしまったんですがどうでしょうね?その発想だと全話「ミルフィーユ」でも違和感ないかもしれませんが(笑)。
このエピソード、女子同士のデートに男2人が混じってくるということで、最初は鬱陶しく感じられた人も多いんじゃないかと思いますが、よく見ると男は祐巳が乗り越えなければいけない、単なる壁のひとつで、実際は祥子さまと祐巳2人の関係性に絞って描かれているエピソードだと分かると思います。

せっかくデートだったのに、具合の悪くなった祥子さまに気付いてあげることも、倒れた後もひとりで対処してあげることも出来ない祐巳の心情が切ないですね。祐巳視点で物語が描かれているんで祐巳の落ち込んだ気持ちに共感した人が多かったエピソードだったんじゃないかと思うんですが、しかしこれ、祥子さまのほうもかなりがっかりされてると私は思うんですよ。デートを言い出したのも自分の方からですし、よく分かっているはずの自分の体調を注意せずにデートを途中で中断しなければいけなくなってしまったわけですし、ほとんど責任は祥子さまの方にありますからね。私もイマイチな体質の人間なんで、出かける時はいつも出先で体調が悪くならないか、同行してくれる人がいるなら迷惑をかけるようなことにならないか気にしてはいるんですが、結局うまくいかないことも多々あります。思い返すだけでも痛い記憶の数々ですね。
祥子さまもそういう危惧はあったと思うんですが、それでも一緒にデートをしたかったというのは祐巳と一緒に楽しみたかったからだと思うし、結局自分のせいでデートも最後まで楽しむことが出来なくてかなり残念だったんじゃないかと思います。
しかし最後祐巳を寝室まで呼んで話をしている祥子さまは優しげな顔をしており、祐巳に自分を責めさせないよう、精一杯気遣ったと思うんですが、それでも壊れてしまい1人しりとりをしている祐巳。お互いのことを想っていても上手くいかないことはありますよね。


第6話「予期せぬ客人」
祥子さまと令ちゃんが会話しているのは原作「未来の白地図」(アニメでは次回の話のタイトルですね)の中では巻末に収録されている「薔薇のダイアローグ」ですね。
由乃のことで頭が一杯になってしまい、目の前のケーキを裁断してしまう令ちゃんを祥子さまが止めるシーン、ここは原作にある額に手を当てるシーンは端折っているんですが、その代わり祥子さまが令ちゃんを後ろから肩を抱きしめるシーンを早めに持ってきていて、原作にもイラストがなかった2人が抱き合っている非常に美味しいシーンがじっくり描かれていますね。その後自転車に2人乗りするシーンも遠いアングル&令のシリアス顔単品のイラストで済まさず、祥子さまが令ちゃんの背中にしっかり寄りかかっていたり、仲睦まじく笑い合うシーンもしっかり描かれています。

家出した瞳子が無意識のうちに祐巳の家の側まで歩いてきてしまっていたという展開は良いですね。高等部になってから学校の子を自分の部屋に入れるのは初めてということで祐巳の「初めて」を自分が貰うことになって戸惑う瞳子と、それでも手を引いて部屋に入れてしまう祐巳が良いですね。しかし急に来た下級生を部屋にあげるというのは……部屋中百合物件で溢れかえっている我々のような百合好きには難しいことかもしれませんね(笑)。
瞳子の中に寂しさを感じ、祐巳が抱きしめてあげようとする展開は原作にもあるのですが、原作ではちょっと手を伸ばしたところで母親に呼ばれてしまい、瞳子も気付いてないくらいの感じでしたが、アニメでは手どころか体までばっちり瞳子のほうまで乗り出していて、下級生に襲い掛かっているような体制になってしまった祐巳に、さすがに瞳子も気付いて胡散臭げな表情をしているのと祐巳が照れ笑いをするのはこれはこれで面白い(笑)。
帰った後、瞳子が妹になってくれたらいいのに、と言う母親に、顔を真っ赤にして言い訳をしてしまう祐巳の表情も良いですね。

尺の都合でこまかいやりとりなどは端折られていますが、この辺は原作も少々間延びしていたという批判も読者の中にはあったようなので、展開を早くして物語を引き締めたのは良かったと思います。
細かい演出や絵、動きがあるせいで、原作よりむしろ百合度が高く見えるシーンも多いですしね。

「マリア様にはないしょ」
瞳子を強引に自分の部屋に招きいれようとする祐巳ですが、部屋が汚かったり祥子お姉さまの写真がベタベタ貼ってあったりとしていても、堂々としていますね(笑)。最後は由乃さまと志摩子さんも待ち構えていて雀卓を囲んでいて、面子もばっちり?(笑)