季刊S (エス)Vol.27
(公式)

今月号の「季刊S」は百合特集!
ようやっとうちにも届きました。これは良いですね……。表紙もすごいんですが確かに百合の薫りがします(笑)。

ちょっと紛らわしいですが季刊百合姫 S(エス)とは全然関係ない雑誌ですのでその辺はお間違えなきよう(笑)。
なにしろ雑誌名が「エス」ですからね。確か「百合姫S」の「S」も「Sister」の「S」から取ったということで、女子同士そういう関係にあることの隠語、「エス」と同じ由来だったんじゃないかと思います。
私も昔本屋でこの「季刊S(エス)」という雑誌を最初に見かけた時はてっきり吉屋信子先生の作品世界のようなものを特集しているのかと思って喜び勇んでページめくったものの、期待していたようなものではなくてがっかりした記憶があるんですが、ようやく雑誌名に相応しいような特集になりました(笑)。

作家さんサイトによると
特集は「百合の薫り」むせかえるような百合の薫りがこちらまで伝わってくるような女子たちの華麗なる競演をお楽しみ下さい☆
もちろんミミまんも厳格な女学院で百合百合しています
とのこと。正直私は一度も買ったことのない雑誌だったんですが今月は取り寄せてみました(笑)。
活字部分も含めると結構な量がありますね。読み応えがたっぷりあります。

平尾アウリ先生の「まんがの作り方」の特集が載ることは以前うちのサイトでもお伝えしたと思いますが、その他にも志村貴子先生の「青い花」、タカハシマコ先生の「乙女ケーキ」、いけだたかし先生の「ささめきこと」特集が組まれています。
志村貴子先生は「エロティクスエフ」などでたびたびインタビューを受けられているので要領が分かってる感じで受け答えも面白いことを仰ってるんですが、他のお三方も慣れてないながらもこうしてまとまったインタビューを拝聴するのは(少なくとも私は)初めてなんで、新鮮ですね。作者さんがどんなことを考えて百合作品を創作しているのかもよく分かります。

作者さんのインタビューは、それぞれ面白いことを語られておりますが、見たことがないような予告イラストや没イラスト、下絵など単行本を買っているだけでは見れないイラストも多数見れて貴重です。百合創作を目指す人にも参考になる部分が多いんではないでしょうか。プレゼントの作者さんのイラストつきサイン色紙も非常に良い感じです。

表紙を含めたくさん収録されている百合なイラストも大型サイズ(この雑誌……こんなにデカかったっけか…笑。百合姫よりも一回り大きいです)なので迫力がありますね。
イラストの中には中里十先生の小説のイラストを担当しているしめ子さんの百合イラストも収録されています。

今回は吉屋信子先生が晩年を過ごされた記念館も紹介されています。先日紹介した「花物語」のイラストを担当されたさやかさんもこの雑誌に投稿していたんですね。この人もギャラリーとか見ると百合っぽい絵が多いですよね。こういうイラストとか、バーンと脱がなくてもすさまじいエロティシズムが漂ってるところがすごい。

昔の貴重な少女雑誌の世界についての紹介もされています。
今回取り上げられているのは……

『少女の友』創刊100周年記念号 明治・大正・昭和ベストセレクション



女学生手帖―大正・昭和乙女らいふ


「エス」文化について語られているようですね。

レズビアン&バイセクシュアルから見た「女の子同士」という記事では、ビアンの写真をよく撮ってらっしゃる戸崎美和さんやアニースの編集をしていた萩原まみさんがインタビューに応じています。懐かしいですね〜。戸崎美和さんは「美粋」の方にもよく女性同士の写真を寄稿されていたものでした。「アニース」は、特集の扉にある2001年夏号が人気があったんですよね。これはすぐに品切れになってしまったので、私もこれだけ持ってないという(笑)。なので内容は分からないんですが、あっという間に品切れになってしまう程人気があったのは女子同士キスをしている、戸崎美和さんの写真の美しさのせいもあったんじゃないでしょうか。
特集の最後のページには「アニース」連載作家の本の紹介ということで、森島明子先生の「半熟女子」や、森奈津子先生の「姫百合たちの放課後」も紹介されています。ご存知だと思いますが、森島明子先生はこの雑誌で漫画家デビューされたんですよね。連載されていたのは「しあわせ絵日記」という作品でした。最初の頃は「森島明子」ではなく「AKIKO」名義だったんですよね。ちょっと豆知識。

通常は百合専門誌ではないので、今月号も特に百合でない部分もあるようですが、今回は雑誌全体が百合特集ということで、通常のコーナーも百合な要素を多く取り入れているようで、扉絵も百合な絵ばかりですね。

「okamaの楽しいキャラ作り」というコーナーでは漫画家のokama先生が百合をあしらったすごいデザインの少女の作り方を指南していたり、女子同士チョコ……っぽいもの(笑)を交換してるイラストが。

「ミミまん―紅蓮の咲く沼で―」という漫画では、「S(エス)」の関係であるとかないとか噂を立てられた白バラの君が、自分に好意を寄せている黒バラの君と心中を……しようと思って水の中でキスしたら相手は違う女子だったというコメディ漫画が。

「コピックを始めよう」のコーナーでは、アイドルの先輩と後輩が女子同士いちゃついているところをスクープされてしまってさぁどうなる!……というシーンの絵を題材に塗り方がレクチャーされています。

読者コーナーも「女の子同士」をテーマにしたものが募集されており、女の子同士の絵がたくさん掲載されていますが(左上のキスイラストとか良いですね)、たくさんの投稿が集まったようです。元々この雑誌には百合っぽいイラストもちょいちょい投稿されていた記憶があるんですが、やっぱり描いてみたいという人は多いようですね。
百合と創作は結構相性が良いような気もするんですよね。この特集レギュラー化しても良いんじゃない?(笑)

「オンナ同士の恍惚を描く」という特集ではレズビアニズムに根ざした女性写真家たちの紹介がされています。
「これらの本は以下のお店で購入可能」とお店の紹介は出てるんですが、東京の1店舗の紹介が出てるだけでは、紹介されたことによって購入したい読者が殺到して目当てのものが在庫切れになってた……ということもあると思いますし、私は昔からこの手のアカデミックな記事を見ると、紹介されている本が実際買えるのかどうかというのは結構気になっていらいらしてしまうタイプでした。
しかしこうしてブログをやってると、買えるもの、買えないもの、為替レートによって変動する値段も分かりやすく表示出来るし、(設定している人は)ボタンひとつで家まで届くので便利な時代になりましたね。


Revenge
Ellen Von Unwerth

これはアダルト指定になっているようですね。女性の立場から撮られた女性同士のエロティックな写真が収められているようです。


Omahyra and Boyd
Ellen Von Unwerth

こちらはアダルト指定は受けていないようですが、内容はやはり「Revenge」と同じくエロティックに絡む女性達の姿が収められているようです。


Guy Bourdin
 Guy Bourdin

こちらの写真集は文字による説明は特にないんですが、紹介されている写真を見る限りやはり女性同士のエロティックで格好良い写真が収められているようです。

「lula magazine」はamazonでは扱ってない模様。


Looker Geoff Nicholson Richard Kern

こちらはまたファンタジーな作風に回帰した作風で女性同士の写真を撮ったものらしいです。

上で紹介されている海外の写真集は買ったことがないですが(当時日本で入手出来たかどうかも怪しいですし…)、記事でちょっと触れられている安珠さんの写真集は買ったことがあります。「少女の行方」は私も百合っぽい視点が含まれていると感じたなあ。

しかしこの本は書籍コードがないところを見ると雑誌扱いのようですね。「つぼみ」のように足りなくなったら何刷も刷るというわけではなく、「百合姫」のように在庫が捌けたら増刷はせずそれでお終い、ということのようです。ちなみにamazonでは6月現在、今年出た3冊はまだ残ってるけど、去年以前に出たものは全部在庫切れになっている模様。
巻末あたりにバックナンバーを扱ってるお店とか載ってるんだけど、どうせこれも人気がある順になくなっていっちゃうでしょう。というわけで在庫があるうちにおさえておくことをおすすめします。

以下在庫チェッカー。


あっという間に売切れてしまったようですね。まあ予想はしていたことですが……。
過去2ヶ月分のバックナンバーはまだあるのに今月号が先に売り切れてしまったということは、いつもよりよく売れたと考えて間違いないでしょう。これがきっかけになって飛鳥新社という会社が百合ジャンルに目をつけて、次の百合特集や、他の百合関連の本の創刊……などという動きにつながると良いですね。