ささめきこと(5)
(いけだたかし)
百合度★★★★★

10月から放送されるアニメも楽しみな「ささめきこと」、待望の最新刊です。

表紙、今回は予想通り風間ひとりですね。しかし純夏が全くいないとは。ぽつんとひとりで立っている姿が寂しげです。わずかに微笑みも浮かべてはいるものの、これは無理に作っている笑いなんでしょうね。5巻の内容をよく表しています。
今回からは4巻までと違って純夏視点より風間視点の話が多くなって、風間編、と言って良いような内容です。
また新学期ということで、5巻からは恋乃とまゆという新キャラも登場し、2人の仲に微妙に関係してきたりします。

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さて、以下5巻の各話紹介。

25話
帰国したお母さんに女らしくなるように言われ、疲れてしまうロッテですが、出迎え、見送りの時は嫌々ながらも可愛い服を着てきてあげていて、お母さんのことが本当は好きなんですね。「カラテ着着てる時も、同じくらい愛してるって言って」と泣き出してしまって健気ですね。ロッテはほんとに良い子です。
アケミちゃんは新たなる一歩を踏み出した……と思いきやハプニングで正体がバレ、「以後、少女モデル『山崎アケミ』の姿を見た者はいない」とナレーションも入って退場。汐も「もう自分の眼が信じられないわ……」とガッカリし、完全に未練もなくなったようです。まあ最初から明らかにネタ要因だったので、汐や純夏との仲を本気で心配していた人もいなかったんじゃないかと思いますが(笑)。

26話
新入生を見てはしゃぐ気持ちを抑えてお姉様として振舞おうなどとおどけている風間ですが、やはり純夏との間にあったことを隠して普通に振舞おうとしているんですね。以前恋心を寄せていた先輩が彼氏の話でノロけてきても、もう何も感じるところはなく、純夏のことで頭はいっぱいです。
以前「私は小さくもカワイクもなれないからッ!!」と怒鳴りつけてしまって、それを気にした風間がかわいい子を見かけても声をかけないようにしているのではと気遣う純夏ですが、風間が他の女の子になびかないのは、もはやそんな理由ではなく、純夏1人のことが気になって仕方ないからだったのでした。それに気付くことが出来ない純夏。
お互いのことを思いやっている気持ちは共通認識しているので、手を握り合って「何があっても風間の側にいるよ。大事な友達だもの」と言ってあげる純夏ですが、その言葉さえ「友達」という部分が引っかかって風間は胸が苦しくなり、友達としてしか見てくれていないことで葛藤してしまって、もう以前自分がどんな風に笑っていたのかも忘れてしまう程純夏のことを意識してしまっているのでした。

幕間劇では、新入生のまゆが、一緒の部活になって恋乃のことを守ってあげようと思っていることが分かるお話が挿入されていました。

27話
一緒にいてくれると言ってもらったものの友達としてという関係も崩せず、純夏とギクシャクしてしまっていることを気にする風間。空手部への勧誘を受け入れようとしても、純夏にはつっぱねられ、ますます葛藤が治まらなくなってしまいます。
静観するにも限度だと、2人を取り持とうとした朋絵のアドバイスに、風間は気持ちが抑えきれなくなり登校時間を合わせ、純夏とちゃんと話をしようと、まずは空手部に入ることを言い出そうとしたように見えたのですが、そんな中、新入生のまゆと恋乃の2人が入部志願してきて話をさえぎられ、結局入部も言い出せなくなって、もどかしいですね。あとがきでも予定では「風間も空手部に入って新入生と恋のさや当てキャッキャウフフ胸キュンキュン♥なはずだったのに」と仰られていますが、私も雑誌掲載時はこの方向で行くのかと思っていました。2人を引き合わせようとした朋絵まで手を引いて、結局2人がもどかしい状態のまま話が進んでいく展開も意外でした。

28話
風間は自分が空手部に入って部員を補充させようと、道着まで買っていたんですね。もちろんこれは純夏と一緒にいる時間を増やしたかったからなんでしょうが、しかし新入生の恋乃とまゆに先を越され、遠慮してしまいます。
お互いに笑いあっている2人ですが、純夏も風間の笑顔に違和感を感じ、気になって部活も集中出来ません。そんな2人を見かねた朋絵は、自分が空手部を退部するかもしれないと言い出します。朋絵が意図的に言ったのかどうかは分かりませんが、これがきっかけで結果的に風間が代わり入部して、2人の仲が解決に向かったら良いと思うのですが……。

29話
昔のあなたはそんなんじゃなかったと純夏に詰め寄るまゆに、恋乃は突っ込みで張り倒して、これはこれで良い関係のようですね。バイトもしてしっかりしている恋乃たちを見て、自分は何をやっているんだろうと疑問に感じてしまう風間ですが……。
相手と気持ちがすれ違ってしまって落ち込んで、部活中もぼんやりしてしまって注意される純夏や、夕飯を作るのが面倒になってコンビニに夕食を買いに行くものの財布のお金が足りなかったりする風間の姿はリアルですね。確かに気分が落ち込んでいると、ぼんやりしたり細かいことが面倒になったり、不注意が多くなったり、こんな状態になります。今の私もこんな感じなんで(苦笑)この辺も共感してしまった。

30話
「見てるだけで幸せ」と自分を偽り、本心でないことを汐に言ってしまったことに後悔する純夏。汐も以前の笑顔を見せてくれないどころか目もあわせられなくなって、「風間になんて出会わなければよかった」とまで純夏も思い詰めてしまって、お互い辛い状態ですね。

5巻はここまで。雑誌掲載分には完全に追いついてしまっているので今後の展開は私もまだ分かりません。続きは今月26日発売のコミックアライブ11月号に載っているでしょう。私も続きが気になります。


純夏が自分から離れていくのが怖くて作り笑いをする風間、そんな風間の笑顔が本物ではないとは気付いているものの、それが自分がキツくあたったせいだと思い込み、説明してもやはり以前の風間の笑顔が戻ってこないことが辛くなる純夏、お互いに辛い展開ですね。ラブラブエンドで落ち着いてしまったら話が終わってしまうという事もあるとはいえ、やはりもどかしい。
しかしこの作品はまだ続いていますし、純夏と風間がお互いのことが、「友達」としてではなく「恋人」として好きだという気持ちはハッキリしていることですし、最終的にはハッピーエンドになるのは間違いないと思うので、それを楽しみにしたいですね。

あと、今回登場した2人は一見しっかりしていそうなまゆが天然で、おっとりして見える恋乃がそれを支えてあげて、バランスのとれた良いコンビぶりを見せてくれました。彼女達は朋絵とみやこ同様、わりとしっかり絆が結ばれていて、見ていてほのぼのとしましたね。

アニメも楽しみですね。最初読みきりだった第1話が掲載された時は全然想像もつきませんでしたし、感慨深いものがあります。
もちろん10月からの百合アニメの大本命です。