Girlish Sweet アタシノ彼女
(竹宮ジン)
百合度★★★★★(5.5)

竹宮ジン先生のファースト単行本です。予想はしていたんですが、全編百合なお話になっていましたね。

「楽園」に掲載されていた「想いの欠片」は収録されていなかったんですが、それでも単行本はめっちゃ分厚いです!数えてみたら226ページもありました。これだけの量すべてが百合作品ということで、本当に読み応えのある内容ですね。

公式サイトによると
ガールズラブひとすじの著者が同人誌で8回にわたって綴った「赤いセーラー服シリーズ」の集大成。随所に描き下ろし多数。竹宮ジン初のコミックス
「百合姫」で掲載が続いている百合作品も6月に「ラブフリッカー」というタイトルで単行本化されることが決まりましたし、こちらもとても楽しみだったんですが、これとはまた別の作品集が一足早く読めました。

こちらに試し読みページが

単行本は、4組の百合カップルのお話が、途中クロスオーバーしつつそれぞれ順に描かれていて、最後に登場したキャラクターが勢ぞろいして、皆で舞台を見に行くという形式になっていました。
つなぎの部分など、描き下ろしもたくさんありましたね。

最初の方は女子同士の恋愛がコミカルに描かれた作品が多く、後半はややシリアスな話が入ってきます。
家庭の不和、不幸によって辛い境遇に少女たちが揺れている作品が途中から増えてきますが、全部ではなく、共通して全部の作品に入っている要素は、やはり少女同士の恋ということになるでしょう。

元々が同人誌で出した作品なので、一貫したテーマとかはそれほど感じなかったんですが、好きなものを好きなように描いていた結果、全部女の子同士の恋のお話になってしまったような印象をうけました。これはやはり、作者さんが百合好き故のことでしょうね(笑)。

この本に収録されているのは、2008年2月~現在に至るまで同人誌で発表された百合作品&描き下ろしになっていて、作者さんが百合姫でデビューしたのが2009年の1月ですから、ちょうど半分がデビューしてから執筆されたもののようです。デビューしてからも同人で、精力的に活動されていたんですね。しかもオリジナル百合作品で!
そんなわけで原稿がそんなに古くないということもありますが、クオリティが一貫して高いんですよね。同人誌からの再録ということで、正直多少は落ちるんじゃないかという覚悟はしていたんですが、それは杞憂でした。

またこの作者さんは人の気持ちを描くのがとても長けています。きっとご自身も繊細な気持ちを心の中に持ちながらも、相手の事を思いやってあげることの出来る才能を持ってらっしゃるのでしょう。
内気でナイーブな少女、ぶっきらぼうだけど実は相手のことを考えている少女、天真爛漫な少女、心に傷を抱えていたものの、相手の少女のアプローチによって徐々に明るさを取り戻すことが出来た少女、実に様々な少女が描かれていて、それぞれの内面、他の少女と関わりあう際の心の機微など、実に上手く描かれていました。
「楽園」収録の百合作品もめっちゃ良かったんですが、単行本には収録されていませんでした。しかしまだ書籍が買えるようなので、これは今からでも買えそうですね。


「楽園」VOL.1の紹介はこちら
VOL.2に紹介はこちら

Web拍手で教えていただきましたが、竹宮ジン先生はサイトをこちらに移転してたんですね。しかも更新も頻繁にされている!検索しても引っかからなかったし百合姫の巻末コメントのURL欄にもなかったし前のURL先が消えていたので閉鎖されたのかと思っていました。教えてくれた方、ありがとうございました!「生涯『百合』大好き宣言」が嬉しいですね。百合好きの皆さんも一度読んでおくと良いと思いますよ♪