つぼみ VOL.6

百合度★★★★★(5.5)

芳文社の百合アンソロジー「つぼみ」の第6号です。
こちらに試し読みページが出来ましたね。購入しようかどうしようか迷ってる人はこれを参考にすると良いでしょう……と言ってもこのサイトに来るような方々で「つぼみ」を買わない人がいるとも思えないんですが(笑)。

今回はいくつか新連載が始まって、いつもより若干連載作品が多くなりました。読みきりも好きなんですが、つぼみももう6号目ですし、そろそろ作品目当てで読者を惹きつける連載作品が何本か入ってくるのも良いかもしれませんね。ただ単行本になるのかどうかは非常に微妙なんで、まだ単行本待ちというような余裕はないかもしれません。

今回もバラエティに富んでいる内容でしたが、全部の作品のクオリティが高く、外れがない内容になっていますね。設定を頭に詰め込むのに苦労をさせられることもなく、すんなり読めて女子同士の触れ合いを楽しめる作品が多かったです。
アンケートはがきに「もう一歩だった作品」を書く欄が3つもあるんですが、きっと皆さん迷ってしまう事と思います(笑)。あえてあげようとすると、ついバリエーションをつけているオリジナリティのある作品や、これから面白くなりそうな連載作品を選んでしまいそうですし、ほんと難しいですよねえ。

今回もやはり森永みるく先生の作品が載っています!コダマナオコ先生も鈴木有布子先生もナヲコ先生も!前回VOL.5は16組だったのに、今回は20人もいて豪華ですね。

以下今月号の各話感想を。
・「星川銀座四丁目」玄鉄絢
なんと中学に進級した乙女。この漫画ひょっとしてオンタイムでキャラクターが歳をとっていくんでしょうか?(笑)
中学に上がった記念という事もあるんでしょうか、今回は湊と乙女がキスしまくり(!)で大人の階段を着実に登っているようです。大きいダブルベッドまで買ってしまっていて、湊と乙女が身体の関係も持つ日も来るのかも?(笑)
前回登場した観月という女性は一見心配しているように見えて、実は焼き餅を焼いているだけだったようですね。前回も乙女には牽制しまくりでしたし(笑)。

・「キャンディ」鈴木有布子
タイトルからしてエロティックだなぁと思っていたこの作品ですが、第2回の今回は嫉妬して思わず「甘くておいしかったの……またくれる?」とおねだりしてしまう先輩に、宮本さんがキスをして、自分の口に残っていたキャンディの味を口移ししてあげるドキドキな展開に!
これはさすがに宮本も天然でやっているわけではなく、自分たちがもう恋人になっている自覚があっての行為だったんでしょうね。
「蝉がまだしつこく鳴き続けていても大丈夫。私たちは言葉なんか交わさずに、甘いキャンディを味わう」
というモノローグの中で、キスを交わし続ける2人のシーンもすごく印象的でした。前回も良かったですが今月号も素晴らしすぎ……!

・「ひみつのレシピ」森永みるく
一見天然っぽく見えた若槻の方がいつのまにか思い詰めてる百合っ子になってしまって、思慮深そうに見えた部長が逆に天然になってきてしまっているのが面白い(笑)。

・「レンアイマンガ」(コダマナオコ)
今回の作品群の中で一番笑わせてもらいました。(^^;
確かに作風によっては、私の中でおしゃれなイメージの漫画家さんもいて、お会いするとしたらさぞ緊張するだろうなぁなどと思うこともあるんですが、実際こんな感じだったらほっとするでしょうね(笑)。
とても面白かったので個人的には今回のお話だけでも充分満足だったんですが、第2話以降もあるということで、タイトルからしてやはり「恋愛漫画」になるんでしょうか。ますます楽しみですね。

・「無限遠点」関谷あさみ
京子と朝永さんは、何気にカラオケに一緒に行くような親しい仲になっていますね。朝永さんの気持ちに気付かず無邪気に残酷な質問をする京子に受け答えしている朝永さんが切ない展開ですが、これからお姉ちゃんを含めての三角関係がどうなるのかも気になります。

・「一緒にかえろう」(矢直ちなみ)
矢直ちなみ先生は「一緒にかえろう」という作品を他紙で描いている方で……って紹介してたらなんと今回掲載されるのもまさにその「一緒にかえろう」でした。

一緒にかえろう
(矢直ちなみ)
「一緒にかえろう」はやっぱり百合漫画という認識で良かったのか(笑)。
今回の話は番外編ですね。春から詩緒視点にしたせいで、より百合っぽくなったような気がします。

・「ダーリン・ダーリン 前編」(縞野やえ)
最初に両思いになった時には熱かったのに今は仕事で構ってくれなくて……というお話。確かに忙しい仕事中に抱きつかれたりすると、好きでも相手をしてあげられないことはあるでしょうね(笑)。
ヒロインがバイト先で、何気なくノンケの同僚に女同士のカップルである自分たちのことを相談するシーンもナチュラルに描かれているのは、読んでいて心地が良いですね。

・「あこがレディをもみタイム」(天野シロ)
「憧れ」と「レディ」、「揉みたい」と「タイム」をかけてあるんですがそれにしてもすごいタイトルですよね(笑)。
男性が同じ職場にいるのが嫌だからと、女性による女性のためのエステサロンに就職して「――見つけた。天職」と思ってしまうヒロインが正直ですね(笑)。
研修修了試験で憧れの女性を「もむ」ことになり、興奮して唾を飲んでしてしまったり、触りながら鼻血を出して興奮してしまいつつも必死でご奉仕するヒロインが可愛い(笑)。

天野シロ先生はこんな感じの絵を描く人です。

絵が綺麗なんでカラーイラストで来る可能性もあるかと思ったんですが、漫画作品で参加されてましたね。

・「はさみとゆび」(犬上すくね)
ヒロインがいじらしいなあ……。しかしこういう不器用な子が簡単に意中の相手と結ばれるのは難しいような気がする。
ラストも、両想いになったように見えて実は慰め半分の言葉で、結ばれていないエンドなのではないか……と想像してしまいました。

犬上すくね先生は「かしまし」のキャラクター原案などもされていた人です。ちょいちょい百合っぽい作品も描いている人ですね。

百合でない作品をメインで描いている方ではありますが、そういう作品の中にも百合っぽい雰囲気が入っていることが多くて、なんとなく百合属性を感じさせる漫画家さんです。
今回掲載された作品は予想したイメージとは少し違う百合作品でしたね。しかしこれはこれで良かったです。

・「SWEET LIPS」(青木俊直
この方はウゴウゴルーガのキャラクターデザインもされていたそうですが、今回の作品をみるととてもイメージが結びつかない(笑)。
卒業式の日、他のクラスだった意中の女の子にキスをして、相手の子も思い詰めた感情があったんでしょうが、さぞいたたまれなくて恥かしい気持ちを抱えてしまったんでしょうね。しかしその感触が記憶に残って離れなかったせいで、結局ヒロインと結ばれたというのだから、勇気を出した甲斐があったのでしょう。

この方は「青い花」トリビュートにもかわいいあーちゃんとふみちゃんのイラストを寄稿されていましたね。

なのはなフラワーズ 1
青木 俊直
こちらの作品もわずかですが百合要素があります。
こちらのWeb漫画も百合っぽいですね。

Web拍手でコメントをいただきました。
青木俊直先生の参加は嬉しいですね!ご存知かもしれません同人誌で描かれている「花百景」というシリーズが非常に百合作品として完成度が高く、いつか商業でも百合漫画をと毎回アンケートに名前を描いてましたwついに念願かなったと言った感じです。
コメントありがとうございます!青木俊直先生の作品、確かに良かったですよね〜♪

・「エンドレスルーム」(藤が丘ユミチ)
名前を聞いたことのない作家さんだったので、正直まだ技術の拙い新人さんなんじゃないかとも心配してた部分もあったんですが、全くの杞憂でしたね。女の子キャラも上手いです。
しかしストーリーは新人さんならではなのか、今まで見たこともない突飛な展開で、新鮮でよかったです。編集者さんも良い漫画家さんを見つけてきますね。
ヒロインが肌見たさから、お嬢様の服を脱がせてしまうシーンもドキドキしました♪

・「Green.1話」大朋めがね
前回までのシリーズは一区切り、新連載が始まるようですね。
初めて会った時「びじーん。」と見惚れてしまったり、パンツを見られて恥かしがったり、キスをされるかと思ってドキドキしてしまうヒロインのつぐみが良いですね。
「運命やらロマンティックを感じるような事もない、そんな始まり」とのことですが、私は結構感じました(笑)。

・「ロンサム・エコー 上編」きぎたつみ
やっぱり律子さんはドジっ子でしたか(笑)。いろいろ気になる引きでしたね。
この作者さん、Vol.1の時から比べて絵柄が格段に上手くなったような気がします。

・「プライベート・レッスン」ナヲコ
「考えすぎ、ばかね」とたまこを諭すとり姉ですが、今の自分はもう着そうもないのにお揃いで着た服を大事に取っておいたようだし、新キャラの先輩にはやはり特別な想いがあるようにも見えます。とり姉の気持ちとたまこの運命やいかに。

・「はみだし音楽隊」水谷フーカ
春子は真紀が自分のために厳しくしていると思ったからこそ、頑張れたんでしょうね。それが少し違っていたと知って途中気持ちは揺らいで辛くなってしまいますが、やはり真紀のために頑張ることが出来て、真紀も認めてくれたようです。

・「タンデムLOVER」カサハラテツロー
第2話。予想に反して、今回は前回とは全然違う登場人物のお話でしたね。雰囲気も随分違います。世界観だけ同じでした。
相変わらず独特の作風もすごいですが、最初から最後の結末まで、プロットが見事でした!

・「ガールズライド」磯本つよし
VOL.4の「ガールズライド」の続きですね。
ナンも二輪免許を取ったんですね。確かにバイク乗りは寒さに耐えなきゃいけませんね。私もせっかく二輪免許取ったのに、体調壊して寒さに耐えられず結局乗れなくなってしまいましたし。(^^;
しかし2人は一緒に自販機の缶コーヒーを飲んだり、マフラーを贈ったりして、寒さも交際にうまく生かしていますね。
最後は外で雪が降ってる中、一緒の部屋で同衾する展開に。雰囲気も良いです。

・「しまいずむ」吉富昭仁
お姉ちゃん同士もガチだなぁと思って読んでいたんですが、妹同士も結構ガチなことが今回分かりました。それに反して、姉妹同士の関係は容赦ないですね(笑)。

・color illust(かずといずみ)
少女2人でピクニック。制服が違うからお互い違う学校に通っているんでしょうか。木漏れ日の描写も綺麗ですね。
そういえば「百合姫S VOL.3」に寄稿されていた、少女同士相手の手を息で暖めてあげてるイラストは良かったんですよね〜。ご本人もその時のコメントでラブラブな女の子たちを描くのがものすごく楽しかったと仰っていましたが、この方はイラストで描く百合が意外に良いんですよね。

・表紙(カトウハルアキ)

表紙は事前情報通りカトウハルアキ先生。言わずもがな、アニメ化もされた「ヒャッコ」の作者さんです。
ベッドの上でお菓子なんか置いちゃっててかなり散らかしてるし、2人とも下着姿というラフな出で立ちなんですが、気のおけない親しげな間柄なのが伝わってきますね。
裏表紙も仲睦まじげに肩を寄せ合っているんですが、奥付の暗号通り「パンツ丸見え」なので本屋でレジに持っていく際はご注意を(笑)。


次回VOL.7ではかがみふみを先生、ヤスダスズヒト先生が初参加されるそうです。さらにはカバーは西E田先生が手がけられるそうです。
かがみふみを先生は「えんまちゃん」という作品で良質の百合漫画を、ヤスダスズヒト先生は「ピンキーコミック」で微百合要素のある漫画を描いていましたね。
西E田先生はエロゲーの原画や、成人向けの雑誌の表紙などを手がけられている方ということで、やや私の趣向とは違う畑の人……のはずなんですが、なんか百合属性がピピっと感じられる人ですね。百合を描いてくれたら良いのになぁと以前思っていたことがあります。私はエロゲーのイラストレーターなんてほとんど知らないはずなんですが名前はよく覚えていたし。どんな表紙になるんでしょうね。多分良いのになると思いますよ。楽しみです♪

他予定執筆陣は
磯本つよし、大朋めがね、カサハラテツロー、かずといずみ、きぎたつみ、玄鉄絢、コダマナオコ、杉浦次郎、関谷あさみ、ナヲコ、藤が丘ユミチ、水谷フーカ、吉富昭仁
とのこと。森永みるく先生がいないのはスケジュール的な問題でしょうね。しょうがないです。
鈴木有布子先生がいないのも惜しいですが、鈴木有布子先生は今回VOL.6に掲載された作品くらいが百合的なスキンシップ的には限界かなぁとも思うんですがどうでしょうね。(なんとなく紺野キタ先生の「昼下がりの……」を連想してしまいました)その代わり今回収録されてる作品はすごかったです。必見!

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