わたしの大切なともだち 3
(袴田 めら)
百合度★★★☆☆

内気なエビちゃんと、記憶を失くした橘ちゃんの友情の物語もいよいよ最終巻です。
やっぱり紙媒体で読む袴田めら先生の作品は良いですねえ。そして描き下ろしでは、気になる本編で再会した後のエビちゃんと橘ちゃんのエピソードが……!

2人の友情の復活の展開も面白いですが、内気で自分のしたいことを踏み出せないエビちゃんが成長していく過程も良かったですね。
いじいじしているエビちゃんに切れるカムヒア子先生、しかし漫画を描く一歩を踏み出せてあげて、エビちゃんのためにもなりましたね。
エビちゃんが最初、漫画を描こうとしても何も思いつけないところを、カムヒア子先生が、最初からすごいマンガを描こうとしなくても良い、落書きからはじめてもいいとアドバイスするシーンは良かったです。

友達をテーマに作品を作ろうと思ったのに、その友達とうまくいかなくて作品作りに行き詰まってしまうものの、同じく上手くいかなくなった和歌や寒河江っちが共同作業をすることにし、再び友情の大切さを再確認する展開も良かったですね。

そしてストーリーはやはり、事故にあった橘ちゃんの真実が明らかになっていく展開に。
これは2巻でも書きましたが、高井円さんの予想が大当たりでしたね。見事です♪

そして記憶が戻り大学へ戻ることになって、姿を現さなくなった橘ちゃんですが、実は橘ちゃんも自分に自信が持てなかったんですね。
ようやく仲良くすることが出来たのに、その間橘ちゃんが本当の橘ちゃんでなかったことがお互い引け目を感じてしまって、本当の自分は相手に嫌われているのではとお互いに心配して会いにいけない二人。
エビちゃんが自分の橘ちゃんへの気持ちを綴った漫画は、まるでラブレターのようで、読んだ周りの女子まで照れてしまう内容になってしまったというのが微笑ましいですね。
エビちゃんもブログに
再び私の大切な友達になってくれたら、大切な記憶になってくれたら嬉しい
と書き綴り、エビちゃんも
橘ちゃんに会いたい。会いたい。思い出が消えて悲しいなら、私が伝えてあげる。そしてこれからの事、一緒に考えるの
と想いは募り、ついに駆け出し、同じく会うために歩いてきた橘ちゃんと再会できたところまで本編は描かれていました。
内気なエビちゃんは、橘ちゃんの記憶が徐々に戻ってゆく中で、逆に不安が募ってくるものの、それに打ち勝つ事が出来、最後は自分の足で橘ちゃんに会いに行く勇気が持てるようになりましたね。
おーらんどーさん
そうですね。3巻では、エビちゃん同様、橘ちゃんもエビちゃんと仲良くなりたいものの自分に自信が持てずにいたことが分かり、でもやっぱり勇気を持って近づいていく描写が良かったですね。

描き下ろしの番外編では、エビちゃんと一緒の部屋でゲームをしている橘ちゃんの姿が!
Web掲載分だけ読んだ人はその後の2人の様子が気になったのではないでしょうか?この描き下ろしはそれを補完してくれますね。
すっかり可愛くなってしまった橘ちゃんも面白かったです(笑)。

エビちゃんと橘ちゃんの友情も良かったですが、和歌や寒河江っち、そしてギャル子さんたちの友情も、何気に良かったですね。

最初「フェアリーアイドルかのん」という児童向けの漫画を描いていたことも関係していると思うんですが、袴田めら先生の作品はいつも話がシンプルで分かりやすいですね。それでいて単調にはならず、意外な展開を入れてくるので、読者は飽きることなく最後まで読むことが出来ます。
私も袴田めら先生の商業作品は「フェアリーアイドルかのん」からほぼ全部読んでると思うんですが、つまらなかった作品ってないですよ。どれもそれぞれ面白いです。これは私が「プリキュア」や「おジャ魔女どれみ」、「きら☆レボ」など児童向けな作品が好きなことも関係しているかもしれませんね。袴田めら先生のちょっと児童向けなところもある作風はほんとにツボです。読者の方も、「プリキュア」など、児童向けの作品と百合の面白さの両方が分かる人には特におすすめかも。
専門学校が舞台ということで登場人物の年齢は比較的高めなんですが、内容は児童でも楽しめそうな漫画のような気がしましたね。それほど良質な作品でした。

1巻の紹介はこちら
2巻の紹介はこちら