ラブフリッカー
(竹宮ジン)
百合度★★★★★(5.5)

皆さんもご存知の通り、百合姫の新人賞でデビューされた竹宮ジン先生の初百合姫コミックスです。
竹宮先生は元から女子同士の関係を描くのはうまかったんですが、「あたしのかわいいヒト」あたりから女子キャラの描き方に独特の色っぽさ、可愛さが出てきて、キャラクターに愛着も感じて作品もより面白く感じられるようになってきましたよね。
今回収録された作品でも、そんな愛着の持てる女子キャラが織りなす百合物語を充分に堪能出来ます♪

・「SEET SWEET SWEET」
描き下ろしでは、「Spike girls」のイチ先輩の後日談でした。そういえば恋に発展しそうな予感は充分漂っていて良い感じで終わっていたものの、このお話だけ女子同士、ちゃんと結ばれるところまで描かれてなかったんですよね。
しかしあの後イチ先輩は、美浜が他の子に告られてるところを見てモヤモヤしてしまい自分の恋心に気付いたようですね。そして相変わらず自分のことを好きだとダイレクトに伝えてくる美浜に、嬉しくて涙が零れてしまい、キスをして気持ちに応え、自分からもようやく告白。「幸せにします」と抱きしめる美浜が本当に嬉しそうですね。

カバー下の描き下ろしでは、相合傘のお話。「せいいっぱいの好きと嘘と」のミヤとカヨは小さい傘でもしっかり抱き合って濡れないようにして、これはミヤにとっては恥かしいかったようですがお約束ですね。
一方裏では「昔も今もこれからも」の凛子が同じ展開になることを期待したようにも見えたんですが、栄のとった行動とは……う〜ん、見事な外し方です(笑)。
栄はカラーの扉絵では凛子のタイをつかんで引き寄せてキスしようとしていたりして、とっぴな行動を取ってしまう性格の持ち主のようですね。

あとがきでは百合姫に投稿するため、作者さんがそれまでの仕事をやめて後がない状態を作ってまで投稿してデビューに至ったいきさつや、「生涯百合漫画家」が目標なことなどが語られています。
どちらもなかなか難しいことだと思うんですが(まあでも私も最近似たような覚悟は出来ちゃったかな…笑)、これくらいの覚悟があるからこそ、このように素晴らしい作品群を作ることが出来たんでしょう。

以下各話紹介。
・「あたしのかわいいヒト」
相手から告白してきたからといって、ファーストキスを奪ってしまったり、人がいないからと女子高の階段でキスをしたり、甘い紅茶を飲んだ後の先輩の口の中を舌で味わったり、茂みの中で先輩の方からキスさせたり、「好きな人の体の香りって興奮するんだよ」と先輩の汗を舐めたり、ヌードモデルをさせようとしたりと、純情な先輩を弄びながらもラブラブな、小悪魔な後輩がたまりませんね。

この作品はめちゃくちゃHITしましたね〜。雑誌掲載後も何度も読み返してしまいました。もちろん百合姫でデビューされた作家さんは皆注目してるんですが、この作品を読んでから、特別に注目するようになりましたし、個人的には思いいれが深い作品ですね。その他の作品も面白いことは言うまでもありません。
個人的にも気に入っていたこの作品が、単行本の巻頭を飾ることになって嬉しいです♪

・「Delicious Time」
扉絵でサンドイッチを両端から食べあってる絵がなんともエロティック。恥かしがり屋の女子高生とパン屋に勤める女の子が、どんどん惹かれていき、自分の前で赤くなってしまう相手の子もやっぱり最後、自分のことが好きだと告白して両思いになる展開がたまりませんね。読者がヒロインに感情移入してしまう話の持っていきかたが上手い!
この作品にはイチ先輩が一足早く登場しているんですよね。

・「Spike girls」
勧誘されたイチ先輩と2人で仲良く朝練していて、なんとなく両想いに思えていた美浜だったんですが、イチ先輩は女同士で付き合うことになった先輩のことがショックのように見えて……というお話。イチ先輩は何かまだ心の整理は出来ないものの、めげないヒロインの(文字通りの)アタックで、いつか結ばれる日も来そうですね。
どうやって結ってるのかよくわからないイチ先輩のキツネのしっぽみたいな髪型が可愛い(笑)。

・「せいいっぱいの好きと嘘と」
記念すべきデビュー作です。
作品は一緒に「憧れの先輩同盟」を作っていた恋のライバルと一緒に過ごすうちに、憧れていた先輩より相手の子のほうが気になってしまい……という展開。念願叶って先輩と付き合うことになった相手の子カヨが「先輩よりミヤのほうが好きだって気付いたんだから」と先輩と別れヒロインミヤの恋を応援することにして、「うん……頑張って告白する」とカヨが唇を噛みしめるシーンから「あたしもカヨのこと大好きだよ」と打ち明ける最後のシーンが秀逸ですね。

・「昔も今もこれからも」
前回カヨとミヤが最初に惚れていた(と思っていた)凛子にも想い人がいて、やっぱりそれぞれの事情があったんですね。気持ちをちゃんとぶつけた結果、最後想い人と結ばれて、大人のちゅーをする凛子先輩は照れながらも嬉しそうです♪



表紙は、モノクロに近いシックな雰囲気のイラストですが、作者さんはこんなカラーイラストも描けるんですね。
これは収録作品の中でも特に私が好きな、「あたしのかわいいヒト」のチカと先輩のイラストなんですね〜。この2人は個人的にも思いいれがあるんで表紙に抜擢(笑)されて嬉しいですね。
先輩を抱き寄せ髪の毛なんかも腕に絡めて、自分が先輩を所有しているという満足感を隠そうともしないチカの小悪魔的な様子がゾクゾクします♪抱き寄せられている先輩も、そんな風に独占してもらえて密かに嬉しそうな様子がうかがえますね。
是非このイラストは横にしてちゃんとした角度で鑑賞してください。ディスプレイを倒すのも危ないので、それは単行本が届いてからのお楽しみにしましょう(笑)。


先日発売された百合度100%な初単行本、「Girlsh Sweet アタシノ彼女」もダントツに良かったですね。竹宮ジン先生の百合な単行本が続けてまた読めるのは、読者としては嬉しい限りです♪