わたしたちは皆おっぱい (1)
東風実花
百合度★★★★☆(4.0)

同性のおっぱいを触ったり見たりるのが大のシュミ……な主人公の女の子貴子が、意中の女の子のおっぱいを狙いながらも友情も育んでいくというお話です。
これは男性向けエロマンガのノリともまた違うんですが女子同士おっぱいを触りあうシーンは、女子同士ならではのキャッキャウフフした雰囲気がよく出ていて、楽しい作品ですね。

各話合間には雑誌掲載時についていた、担当N嬢の華麗なるアオリが。担当さんは女性だったんですね(笑)。担当N嬢と実花先生のやりとりや、作者さんが実際にも女同士でおっぱいについて語り合う会合に参加させてもらってるお話なども4コマで語られています(笑)。

単行本の巻末にはMINCE PIE名義で昔発表した読みきり、「海と泡沫」も収録していました。
これが意外に良いのです。
この作品は以前読んだ時は「わたおぱ」とはまるで違うというイメージが強かったですが、「わたおぱ」を読み返してからこの作品を読んでみると、共通してる部分は意外にあるなぁと改めて気づきました。同じことをギャグテイストでやるか、シリアスでやるかで作品の雰囲気は随分違ってきますね。

以下各話紹介。

第1話「やわらか転校生紗彩」
女の子のおっぱいが大好きなのに、それを気軽に言い出すことが出来ないほど思い詰めているために友達に気軽に触ることも出来ず、クラスの女子をガン見(笑)しつつ熱い想い(?)を胸に秘めているヒロイン貴子。
しかし転校してきた少女紗彩とトイレも一緒に行くほど仲が良くなって、ついにおっぱいを触れる関係になれるのでは……と思っていた矢先、ハプニングで胸を触ってしまった際、本性がバレてしまい、紗彩もドン引きで自分の人生も終わった……と悲観的になってその場を逃げさるものの、後日、紗彩は貴子のおっぱい好きに好感を持ってくれて、「さわってもいいよ。でもお返しに私も」とおっぱいを触りっこ出来る仲になれた……というハッピーエンドでした。第1話は読みきりで後に好評につき連載されることになりました。

第2話「巨乳委員長美希」
わきわきされると身構えちゃうから、いきなりやってと言う紗彩。いきなりなら触っても良いんですね。親しくなったものです(笑)。
ヒロインが次に目をつけたのは胸の大きなクラス委員の美希。「真面目な委員長が実は巨乳!おっきいよね〜」と楽しそうに語る紗彩も結構その気がありそうです(笑)。
体育の間も揺れる美希のおっぱいに目が釘付けで手もわきわき動いてしまいます。
そんな美希と仲良くなり始め、ひょっとしたら美希もおっぱい好きなのでは……と、お互いの趣味の本を交換して中身を見るもののそれはBL……ということでお互いの趣味が違うことに一時は悲しくて涙を流してしまう2人ですが、やはり仲良くなりたい気持ちは一緒、ということで最後3人で一緒に遊んでいて良い雰囲気ですね。

第3話「貧乳アイドルルミネ」
貴子にツンツンつっかかってくる貧乳少女ルミナが「巨乳ばっかりひいきしてないで、私のおっぱいも触りなさいよ!」といきなり言い出してきて……とこれは貴子の妄想だったのですが、その後2人でもつれて倒れてしまった際、小さいおっぱいを触ってしまってさらに興奮する貴子は、自分の胸は触っても楽しくないけど、他の女の子のおっぱいなら、例え貧乳でも楽しい事に気付くのでした♪

しかし手に入れたおっぱい……もとい親友2人まで何かよそよそしくなって、2人も自分から引き離して自分から何もかも奪うつもりなのか……と思いきや、バースデーカードを一緒にプレゼントされ、実はルミナは美少女好きで、親友2人と同様美少女だった貴子も相手に好かれてしまったのでした。

第4話「ドキッボインだらけの文化祭!前編」
文化祭を間近に控えたおっぱい大好き鎌上貴子。
結局出し物は男装劇をすることに決まるのですが、劇の練習をしてる間揺れる女子たちのおっぱいに見惚れてるのがすごい。
いつも女の子に囲まれているルミナ(美少女好き)が羨ましいなぁと思っていたところ、その中から抜け出してきてつつつと自分の元に近寄ってきて、周りの子たちのようにあまり騒がないから貴子と一緒にいたいと言われキューンとしてしまい……とここまでは良かったんですがテンションがあがった貴子が思わずルミナのおっぱいを両手で触ってしまい台無し(笑)。
取り巻きに貴子とルミナではつりあわないから近づくな、言う事を聞かないなら自分は劇に出ないと言われてしまい、劇で代役をこなしてみせると言ってしまうことになってしまい……。

第5話「ドキッボインだらけの文化祭!後編」
というわけで文化祭で劇に出なければいけなくなった貴子。練習のための合宿と聞いて、女子同士一緒にお風呂に入って手が滑っておっぱいに……などと妄想するものの1人ずつ入ることになっていてそれは叶いません。
しかし湯上りの女子の皆のノーブラの胸がたゆんたゆんしているのを見て、朝起きても彼女らのはだけた胸元を間近で見ることが出来、眼福を感じてしまいます(笑)。
さらに舞台本番、衣装の緩んで露になった女子たちの胸に貴子の目は釘付け。
おっぱいを鷲掴みにしたいなどと邪なことばかり考えている貴子。こんなんで自分の演技は大丈夫なのか……と思いきや、貴子はピンチの女子を救おうと颯爽と振舞って劇もなんと大成功。

第6話「い・け・な・いおにいちゃん!」
新たに登場した貴子兄もおっぱい好きということで、兄の魔の手からみんなのおっぱいを守ろうとする貴子が勇ましいですが、倒れこんだところを大きい女子のおっぱいを鷲掴みにして(←?)受け止めてもらおうとするものの、結局貧乳少女の固い胸でガツンと受け止めてもらうことになったりして、邪なのはやはり貴子の方だったのでした。兄は結婚を控えているということもあってか(あるいはおっぱい好き=ちゃんと体が成熟した女性が好きということで年下趣味はないのか)、結局貴子たちの友達には全く無害でしたね(笑)。

描き下ろしの扉絵では、珍しく貴子がセクシーなようなそうでないような衣装で映っていました。

この作品、面白い題材だと思うんですよね。個人的には、おっぱい好きというのは百合への入り口になっている場合が多いと思うんですが、この作品はそれをかなり極端にした例ですね。頭からっぽにして読むと面白い作品です。



東風実花先生はMINCE PIEという名義でも活動されていまして、そちらの作品もかなり百合っぽかったんですよね。MINCE PIE名義の作品は、「わたしたちは皆おっぱい」のお馬鹿ではじけたノリとは一味違い、しっとりとして良い雰囲気の作品でした。こういう作風を描ける人なら、「わたしたちは皆おっぱい」も大化けして良作百合になる可能性もますます高いんじゃ……と思ってしまいました。
単行本の巻末にはそのMINCE PIE名義で昔発表した「海と泡沫」も収録していました。これは表題作とは全然雰囲気が違ってしっとりした作風で、是非こちらも収録してほしいと思っていたのでした♪

・「海と泡沫」MINCE PIE 百合度★★★★☆
ノストラダムスの予言まで後2年という1997年の少女たちの話。
大人っぽいクラスメートの女子織葉さんに、突然海に行こうと誘われてドキドキしてしまうヒロインですが、織葉の子は自分が周りから悪く見られているのを苦にしていて、汚れた自分は中学生のまま人生が終わったら良いのに、と海に入っていくものの、ヒロインは自分もキレイなんかじゃないと制服のまま海に入って同じだということを主張し、抱き合って帰りのバスでは手を繋いでいる2人が良い雰囲気でした。

この作品で織葉が嫌がっている自分というのは、胸も大きくなって大人になっていく自分で、逆にヒロインは水で透けた織葉さんの胸元を見て赤くなっている通り、大人な織葉さんの体に惚れていて、最後にそれに自信を持つように言って聞かせ、織葉さんも心を許して気持ちが繋がり、そこから世界が広がっていく構図になっているんですよね。

相手の成長しつつある胸を、真面目に思い詰めて好きになるか、情熱に任せてつっぱしってしまうかの違いはありますが、成長していない自分に比べ、成長している同性の胸に興味を持ってしまうというテーマは「わたおぱ」と共通していますね。