クイーンズブレイド -Hide&Seek-(5)
南崎いく
百合度★★★★★(5.0)

南崎いく先生の「クイブレ」、ついに最終巻です。今回は本編7話収録ということで、4巻までと比べても一番ページ数が多く分厚いですね。

4巻では、試合には勝ち続けることが出来たものの愛されている敗者に比べ、自分が最愛の相手レイナに優しくされていないことから、徐々に心の弱さが膨らんできてしまったエリナは、同じく「何かが欠落した魂を持ち合わせている」者であるクローデットのベッドに自分から潜り込んだりして、甘えるようになりますが、果たしてエリナが傷の舐めあいという後ろ向きな感情からクローデットと結ばれてしまうのか、元に戻って強引な愛を貫いてレイナの心を強引に奪うようになるのか、結末が気になる最終巻ですね。
最後はあっと驚く展開があるかもしれませんよ。姉妹の決着云々は関係ないところでですが(笑)。

あとがきの描き下ろしでは、クローデットとエリナがガチちゅーをしそうになってる姿が!エリナに下から迫られて、赤くなってるクローデットが可愛いですね。
またエキドナが素っ裸のイルマの胸に後ろから手を回していたり、絡みつかせた足は股間のあたりをとらえていたり、最後だからと言って描きたい放題なことをしています(笑)。
カバー下では、互いに意中の年下の女の子に想いを馳せているものの、ストレートに愛情を表現することの出来ないクローデットとアレインが酒を酌み交わしてる4コマが(笑)。
いよいよレイナお姉ちゃんと対戦することになったエリナ。全国放送されていてもお構いなしに、というよりむしろだからこそ見せ付けようと、カメラの前でお姉ちゃんを押し倒してぐりぐりすりすりしてお姉ちゃんを思う存分堪能してしまいます。
自分の物にはならないお姉ちゃんをどうしても捕まえておくため、本気でレイナを締め付けるエリナですが、エリナはレイナが実は力を持っていることに気付いていて、ついに敗戦してしまうことに……。

レイナに敗戦してから生きる意味を見失ってしまったエリナが唯一心が開ける相手は、それまで避けていたクローデットだったのでした。寝る際もクローデットを掴んで離さず、甘えてくるエリナ。しかしクローデットはそんな風にエリナが壊れてしまったことを快く思っておらず、レイナを倒すことでエリナを元通りにしてやろうと考えます。
一方エリナは、避けていたクローデットに自分が心を許すようになった関係を思い起こし、それならばレイナも自分のことを振り向いてくれる日が来るのでは……と立ち直る気配を見せて……。

レイナとクローデットの一騎打ち。やや気持ちが吹っ切れ、会場に向かうエリナですが、強いクローデットがもしレイナに致命傷を与えるようなことがあったら、クローデットを許すことは出来ない気持ちが生まれるし、自分は大切なものを2つ同時失ってしまうと危惧します。
城を放棄して旅に出たレイナを咎めるクローデット。一方レイナは旅先で村人たちの姿を見て、自分のやるべきことが分かったと反論し、お互い自分の主張を譲りません。

最終回。激戦の末勝ったのはレイナでした。勝負をしたクローデットとは試合前は敵対していたものの、試合後は抱きしめ、こんな風に抱き合うのは初めてだとクローデットは気付きます。
レイナはエリナも呼び寄せ、3姉妹のわだかまりも解消。絆は深くなりましたね。
アルドラとの決勝戦は省略されていましたが、余計な戦闘シーンを省いて、返って良かったですね。優勝したレイナは女王の座に……つくはずがまた旅に出てしまい、代わりにクローデットがその座につくことに。ユーミルは専属の武器屋の座を確保出来たようですね。
そして4年後……縦ロールになったものの(?)ユーミルがクローデットの側に仕えているのは約束どおり仕えているからなんでしょうね。鋼鉄参謀という役職も与えられたようです(笑)。
そしてポニーテールで下乳も眩しい美少女がひとり……これは誰かと思いきやなんとフロレルなんですね。まさかとは思ったけどやはり女の子だったとは……さすが南崎いく先生、仕掛けてきますね(笑)。
エリナは相変わらずお姉ちゃんを待っているようですが一方女王になったクローデットにも忠実に仕えているようで、どのカップリングで結ばれたかというより、3姉妹の絆が確かになったことが描かれているように感じたエンドでした。

入り乱れ移ろい変わり、そしてまた元のところへ戻ったりもする3姉妹それぞれの気持ちの描かれ方がメインでしたが、個人的には心の弱さが隠し切れなくなったエリナがクローデットにしがみついて離れなくなって、寝る時も一緒で甘えてくる展開もかなりの見所でした(笑)。クローデットもいっそ、病んでるエリナをそのままにして、自分のしたい放題にしてしまったら面白かったのに……と邪な私なんかは思ってしまいましたが、クローデットにはそういうことは出来なかったんでしょうね。
クローデットは最後まで相手のことを本当に想っている真面目で優しい女性で、この作品の真のヒロインのように見えてしまうような存在でした(と言いつつ私は単純で自分の気持ちに一直線なエリナも好きだったりするんですが…笑)。

対戦後にレイナはエリナのおでこにキスをして「愛してるわ……」と言ってあげたし、クローデットにも同じく対戦後に「幼い頃から貴女が大好きで、心から尊敬し……お慕いしておりました」とぎゅうっと抱きしめて、3姉妹とも愛し合っていることが確認されました。
つがいの関係にこだわらず、3人が等しく愛し合ってそれぞれ幸せを感じているというのは、私の理想の百合の形ですね。


クイーンズブレイド -Hide&Seek-(5)

表紙はやはり3姉妹になりましたね。内容からしても納得です。
こういう色っぽい百合イラストを描けるのも南崎いく先生ならではでしょう。
Webに表紙が来た時、なんかレイナがエリナの脇を撫でているように見えたんですが、あとがきを見るとやっぱり作者さんは女性の脇の下に色気を感じてらっしゃるようで、確かに1巻から通じて表紙は意一貫して脇を見せたものになっていたのでした(笑)。

原作つきということでいろいろ制約もあっただろうし、細かい作画が大変だったと思いますが、最後までしっかり描ききって、なおかつ百合ネタも随所に入れた南崎いく先生はすごいですね。
しかしやはりオリジナル作品も読みたいですし、「百合姫Wildrose」、さらにはティーンズラブ百合な単行本が出ることなど、百合ジャンルでのさらなる活躍をめちゃくちゃ楽しみにしております!

1巻の紹介はこちら
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