プリンセス♥プリンセス
(青木光恵)
百合度★★★★★(5.5)

青木光恵先生初の、百合姫コミックスです。百合専門レーベルの単行本が出るのは初めてとはいえ、青木光恵先生は女の子同士がHをしているお話は百合姫に参加される前からたびたび描いていましたね。
やっぱり作者さんのムチムチな女の子に対する愛が溢れているなぁと感じた作品群でした(笑)。

作者さんサイトによると、なんと下絵やラフ画を全プレするとのこと!全プレ!?写メ撮って送るだけで!?豪勢な話ですね〜。しかし郵送代など青木先生が自費で負担するんですよね?大丈夫なんでしょうか?気前が良すぎてちょっと心配してしまいます。(^^;

単行本では雑誌掲載分から、かなり加筆修正されていますね。修正前の雑誌掲載分だけ載せておきますので、お手元の単行本の該当ページと見比べてみてください。

27ページ。どんよりトーンが増えてます。


29ページ。頭の花が復活(笑)。


36ページ以降数ページ。カーディガンにトーンがつきました。


60ページ。「百合姫Wildrose」掲載分もトーン追加などいろいろ加筆修正があります。個人的には上の嬉しそうな吉沢さんの顔の上に花が咲いてるところがなんか可愛くなってて好き(笑)。


84ページ。カーテンが黒くなった。


85ページ。パンツが水玉模様に(笑)。


93ページ。リボンと腰の衣服にトーンが。


99ページ。事後(笑)のシーンにトーンが貼られ、ちょっとだけ淫靡なな雰囲気に(笑)。


125ページ。決めセリフの写植がより大きく(笑)。


133ページ。やはり決めセリフは大きく(笑)。

面白い修正の仕方が多いですよね(笑)。もちろん修正はこれだけでなく、他にも細かいところがいろいろ修正されています。是非単行本で買って確認してください♪

以下各話紹介。

・「プリンセスプリンセス」
百合姫初登場作品です。
いつもヒロインの姫野(ヒメ)のことを気にかけてくれる百合に、ヒメはちゅーしたり着飾らせたり好きな気持ちを隠しませんが、百合は清楚に見えても「私はヒメとエロいことしたいの……同じチューでも私なんか舌入れたりツバ飲んだりしたいんだもん!!変態だもん。気持ち悪いでしょ!?」と泣きながら切々と訴え、本気で好きなのでした。しかしヒメも「百合ちゃんとはすんごいモゾモゾするわけ!!もっと置くまでくっつきたいって言うか!!体中なめたいなって思うの!!」と自分の「好き」も百合の「好き」と同じことを告白。せっかく作ったネイルも迷わず切り落として、百合ちゃんとHをします。お互いの気持ちが同じであることを、体を通じて確認する2人が良いですね。

・「シュガーコンプレックス」
自分のことを「ふっつーの女子って感じ」だと感じていたヒロインスズですが、ルックスの美しい女生徒吉沢さんに告白されます。おっぱいが好きだと最初に公言しただけあって、学校でもすぐに自分の胸を触ってくる吉沢さんに戸惑うところもあるスズですが、つき合っている彼女がうどんを食ってても美麗で、雑誌にモデルとして載っていることを嬉しく思ってしまったりする様子が良いですね。
ぽっちゃり気味の自分が釣り合ってないのではないかと気にしてダイエットをするスズですが、お泊りに行った際にHをしてそういう体型が好きだと告白され、この辺は青木光恵先生らしい展開ですね。青木光恵先生のファンならよくご存知のことかと思います(笑)。
つき合ってる相手が女子でも全く偏見がないどころか、逆に普通すぎるヒロインに嫉妬までしてしまう周りも良いです。

この作品の2人は特に80年代テイストがするなぁ。吉沢さんなんて○○ちゃんじゃんか!……と思わず言いたくなってしまう程、80年代アイドルの面影が色濃く出てました。

描き下ろしでは「シュガーコンプレックス」の2人の馴れ初めのお話が。

・「ファースト・コンプレックス」百合度★★★★★
美人なクラスメートの吉沢さんと放課後2人きりになってドキドキしてしまう坂本さん。
生理になってしまってナプキンを借りたかったのに、坂本さんはタンポンしか持っていなくて、タンポンを入れたことがないから無理だと言う吉沢さんのため、保健室からナプキンと薬をもらってきてあげる優しい坂本さんに、吉沢さんは改めて(名前は知っていたようですし、以前から気にはなっていたようですね)惚れて、それ以降付き合うことになったようですね。
美人で格好良い女の子の方が実はシャイで可愛いところとか、坂本さんを見上げる吉沢さんがなんか大きい坂本さんの胸に視線が行っているような気がするところとかに、青木光恵先生の趣味が出ていますね(笑)。

・「バンカラ!! 乙女学園」
80年代テイスト?と現代の舞台がごちゃごちゃになってますね。スケバンの方が良い人で、お嬢様の方が女の子を監禁して脱がせたりして悪者になってるのもいかにもという感じ。とにかく笑った(笑)。

・「スウィートルーム」
家出らしき少女を泊めてあげて淫行……というより身体目当てが嫌で手が出せなかったものの、家族に連絡することを告げた夜に向こうから裸で迫られてあれこれしてしまい……というお話。男女だと悲惨っぽい話ですが、オチもついて女性同士ならではの楽しいお話になっていました♪

・「ランチボックス―芽衣子―」
雑誌掲載時に比べて、サブタイトルがつきましたね。雑誌で読んでると気付かなかったかもしれませんが、視点が違う2人のお話でタイトルも同じでしたからね。単行本では分かりやすくするためにサブタイトルをつけたんでしょう。

美味しい料理で相手の女の子ゆかりに好かれたヒロイン芽衣子ですが、テクニックで芽衣子をとりこにしたというゆかりもすごい。よく見るとこの話の女子高生はなんちゃってでした、とかオチはついてないんですね。ヒロインの芽衣子は28歳で立派な大人。で、JKとセックスもしっかりしているという。
……よく考えるとちょっと条例的に危ないお話だったかもしれません(笑)。
「いや〜、やっぱ体からかな?って思って!」などと語っていて、なかば体で芽衣子さんをオトしたようなゆかりですが、一方芽衣子の方も食べ物でゆかりをオトしたようなところはありますよね。
しかしその後は「付き合ってください」という一言をお互いに言ってないことが引っかかってギクシャクして、ちゃんとお互いプロポーズした後はうまくいって、結局のところこれが一番大事なことだったんですね。

・「ランチボックス―ゆかり―」
「ランチボックス」第2話。今回はゆかり視点のお話です。それまではバレンタインチョコを交換したり、女子同士じゃれあっている延長で自分の気持ちが伝わると思っていたけど結局芽衣子には伝わっておらず、恋も実らなかったヒロインのゆかり。これからはガツガツ行かなきゃ!と積極的になり、恋に落ちたお姉さんに「舌を入れるかおっぱいを吸うか……だな!!」と真剣に考えて、本当に実行してしまう展開が清清しいですね(笑)。
ナチュラルオーガニックな服の下の豹柄の下着に興奮して写メを撮ろうとして、最初は断られるものの、「絶対に誰にも見せないなら……いいよ……」と恥かしそうに言う芽衣子さんにゆかりが大興奮するシーンは、読んでる側も思わず興奮してしまいます(笑)。その後2人でHしてる姿をムービーで取ってしまったりする展開も萌えます♪


美味しそうな料理を見たら写メ撮りたくなってしまう女の子って多いですよね。青木先生の描く女子キャラは食べ物同様、美味しそうな女の子(笑)を見た時も同じように反応してしまうようです。
これは青木先生にとって相手のことが好きになる感情が理屈でなく、感覚的なものだということもよく表してますね。
そもそも感覚でなく理屈だったら、相手がぽっちゃりかスリムかなんてことはこだわらないでしょうし(笑)。
青木先生はぽっちゃりした女の子がめちゃくちゃお好きなんですよね。これまでに青木光恵先生が出された他の漫画を見てもそれは伝わってきます。
この作者さんの作品には女子同士のセックスシーンがよく出てきますが、サービスで無理に描いているというよりは、あくまで描くのが好きでストーリーにそういうシーンが入っている感じが良いですね。

青木光恵先生ここ1〜2年、急に百合姫に寄稿されるようになった印象がありますが、青木先生が持ち込んだのか編集部が誘ったのか、正確な経緯は分かりませんが(私は青木光恵先生が持ち込んだと推測しているのですが…笑)ともあれ、「百合姫」に参加されることになったのは遅かれ早かれ、必然の結果だったんじゃないかと思います。


表紙は後ろの子が前の子の腰にあててる手つきが色っぽいですね〜。この2人は「スウィートルーム」の2人なんですね。のぞみが眼鏡かけてるのが見覚えがなかったんですが、雑誌掲載分読み返したら確かに扉絵で1回眼鏡かけてました。ということは後ろにいる女子高生っぽいのはなんちゃってJKの奈々(笑)。本編にはJK×JK同士や28歳女性×JKのエッチありの危ないお話なんかも収録されてるんですけどね。

今回の作品集は番長やソロリティ、超ロングスカートのセーラー服など昭和の香りのする女子のお話も楽しめます(笑)。
私もそんな若くはないですがさすがにここまでスカートが長い子は周りにいませんでしたね。「スケバン刑事」は見ていたが(爆)。
ソロリティも……というかそういう世界はあったのかな?リアルタイムで当時を過ごしていた人もレディースやソロリティに実際入っていた人は少ないだろうし、私からするとどこまでが現実でどこから虚構なのか気になってしまう作風でした。

タイトルはもちろん収録作品の中の一作で、「お姫さま×お姫さま」という意味だと思いますがそういえば80年代にそういう女の子バンドもありましたね。女子だけで構成されたバンドで、当時一世を風靡していました。ひょっとしたらこの辺ともかけてあるのかも。

青木光恵先生と言えば、ファンならご存知の通り、昔から女の子、それもムチムチな女の子をこよなく愛していることが伝わってくる漫画を描き続けてきた人ですね。
最近はモデルさんもアイドルも細い子が多いですし、ムチムチな女の子はめっきり減ってきたように感じるんですが、確かにムチムチな子は時代を問わず可愛いと私も思うんですよね。
この作者さんは私よりも一回り世代が上の人っぽいですが、無理に若ぶった作風にするわけでもなく、自分の姿勢を崩さず描いてるのが良いです。

青木光恵先生というとその昔、「美粋」だったかどこかで「女の子が好き」という単行本が百合っぽいと聞いて、90年代に本屋のあちこちを必死こいて探し回っていた記憶があります。名駅や栄の大きな本屋……これがまた目が回ってくるほど広大なんですが、足が痛くなるまで探し回ったものの結局ついに見つかりませんでしたね。
今なら通販でポチっと買えるんですが、その頃はそういう便利なものは簡単に使えない時代だったんですね。私も電車に乗って名駅くらいまでは行ける年でしたがまだクレジットカードなどは持てなかったし何よりネット環境がありませんでしたし。
結局その本は見つけられなかったんですが、その後こちらの下の方でも紹介している通り、続編は買うことが出来て、本編は思っていた程百合ではなかったんですが(こういうことはよくある…笑)、巻末に収録されていた「LOVE&SEX」はめちゃくちゃ良くって、買えるような時代になって良かったなぁとしみじみ思ったものでした。
そして今回は全編百合オンリーな内容の百合姫コミックス……感慨深いですね。欲しいものがなんでも手に入る時代になったような錯覚も覚えてしまいます。いえ、好きだったけど消えてしまって残念だった作家さんも結構いるんですけどね(苦笑)。
しかし青木光恵先生はその中でも生き残ってくれて、百合雑誌にまで参加してくれるようになったのは嬉しいことですよね。

……とか描いてたんだけど、青木光恵先生のツイートによると「百合姫に描く予定は入って無くて、これが赤字にならなければまた描かせてもらえるようです」とのこと。確かに百合姫の予告クレジットには青木光恵先生の名前はなかった……。ひいー!これは厳しい!是非とも売れてくれなければ……。
やっぱり漫画家さんが10年20年仕事を続けられていくということは、簡単なことではないんですねえ。改めて実感してしまいました。しかしこれからも青木光恵先生の独特でえっちな展開もナチュラルに含んでいる百合漫画は読みたいし、是非生き残って欲しいものですね。

「パパイヤ軍団」1巻&「女の子が好き」の紹介はこちら
2巻の紹介はこちら。