レンアイ女子課(1)
森島明子
百合度★★★★★(5.0)

森島明子先生の百合姫コミックス最新刊です。
森島先生が百合姫で本格的な連載をされるのは始めてですね。今回のお話では、ブライダル会社に勤めるOL同士の百合が描かれています。

群像劇風な今作ですが一番の主役はやはり、第1話の語り手だった姫乃だと思うんですよね。
姫乃はなんと最初ノンケで男を狩ろうとしていた女の子!
森島明子先生の作品にしては珍しいヒロインですよね。
ノンケ作家さんだとやっぱりノンケヒロインが百合に……という漫画を描くのは上手い……というか本人がヒロインの気持ちになって描けば良いだけなので、結果的に上手く描けてしまう場合が多いのですが、森島明子先生みたいなガチ百合作家さんは難しかったのではないでしょうか?
しかし姫乃が女性である白羽さんに徐々に惹かれていく様子は実に上手く描かれていて、新境地を開いたと言っても良いんじゃないでしょうかね。

描き下ろしでは最新話の後日談が。
カメラの前で堅くなってしまう咲ですが、姫乃の顔を思い浮かべたらとびきりの笑顔になる事が出来て、咲が姫乃に惹かれていく傾向がますます強くなっていましたね〜。
女子が女子の事を好きになっていく、自然な感情の変化が絶妙に描かれていました♪やっぱり女子が女子を好きになることは、自然で素敵だなぁと改めて思ってしまいましたね。

カバー下には、作中の大型ポスターにもなった、咲と蜜姫のウエディングドレス姿が(笑)。作中ではちらっと描かれていただけですが、森島先生ちゃんと描かれていたんですね。

本編も、トーンなど加筆修正部分が多数ありました。

あとがきページも結構ありますね。森島明子の女の子萌えについての考察は相変わらず深い(笑)。蜜姫と香が自然にキスしてしまうシーンは、森島明子先生の脳内で妄想が進行していったために、その後ちゃんと展開も描かれることになったんですね。理屈で最初に考えた構成と違う妄想が生まれてストーリーも変わっていく…分かるような気がしますね。私を含め、ブロガーや作品を批評する人が、連載が続いている作品を評して「この作品はこうだ!」と断定しても、それが大方の場合外れていく(笑)のも、こういう風に作品が生成されていくのが大きな理由のひとつかもしれませんね。
第1話。それまで彼氏をとっかえひっかえしてたヒロインのOLの姫乃が、移動してきた綺麗でカッコイイOL白羽さんにときめいてしまうお話です。
実は白羽さんには彼女がいたのですが、彼女が訪れた後に部屋に来た姫乃が、シャンプーの匂いで2人が女同士でHをしていたと気付くシーンが仄かに色っぽいです。それに気付いて胸がぎゅうっとしてしまう姫乃は、白羽さんに対する自分の感情に気付いたようですね。
女の子相手に恋をするのは初めてなヒロインが、今までといろいろ勝手が違うことに戸惑いつつも白羽さんにアタックする姿が勇まくて面白かったですね。それにしても「ばキュン☆」は可愛いと私は思う。目の前の人がほんとにやったら目が点になりそうですが(笑)。

第2話。今回は前回の姫乃と白羽の話は一旦置いて、同じ会社の女の子根角文さんと美容部員さんの女性紅原さんとの恋のお話でした。森島明子先生は以前「プチプリンセス」という雑誌で、女の子向けの美容関係のレポート漫画なども描いておられたんですが(あれ単行本になってないのが惜しいんだよなぁ)、その経験がこの辺にも少し表れているんではないでしょうか。
好きな女の子の肌を触るのが気持ち良いと思う紅原さんと、好きな女性に触られるのが気持ちよいと思う文。こういう風にお互いの気持ち良さが通じ合うのが百合関係では大事なことが分かりますね。

第3話。今回はなんと「瑠璃色の夢」収録の「ハニー&マスタード」に出てきた香と蜜姫のお話です。
キスも日常的に交わす関係なのに、なぜか他に恋人は別に作って、蜜姫とは恋人ではないという香ですが、恋人に戻ってもしまた恋が終わったら友達に戻るのは難しいから、蜜姫は香を恋人より大切な、特別な友だちでいようとしたようですね。しかしそれだけでは我慢できない香の気持ちに蜜姫も応え、最後ベッドで抱き合って、それまで禁忌だったセックスをする展開が熱いです!
……途中姫乃が蜜姫に女子同士のHを教えてもらいそうになってしまう展開に邪な好奇心からワクワクしてしまいましたが(笑)本当にしていたらカオスになっていたでしょうね。

第4話。香と蜜姫が一晩でマニキュアがはげてしまうのは……お仕事が大変だったからではないんですね(笑)。
少し嘘をついて見栄を張る姫乃と、女子が好きな女子ゆえに鋭くて即座に見破ってしまう白羽さんのやりとりが面白い(笑)。
仕事に忙しくなった恋人黄実とうまくいかなくなって、昔のことばかり思い出すようになった白羽さんは、姫乃と一緒にいるうちに、かつて恋人と一緒にいた時のような楽しい気分を思い出し、ついに姫乃に「好き!」と告白。まさか「ばキュン」が白羽さんを射抜くとは。本当にハートをキャッチされてしまいました(笑)。
単行本1巻の終りあたりに収録されそうということで、今回は一区切りついた感じで終わっていましたが、しかし本当に黄実ちゃんは白羽さんから心が離れていったのかどうか、気になりますね。


最後姫乃の「ばキュン!」が白羽さんに何と命中(笑)。ハートを射抜かれてしまった白羽さんですが、今後はどうなっていくんでしょうね。
これまでは積極的にアタックし続けていた姫乃ですが女の子と付き合った経験はないということで、いざ体を求められたら経験豊富な白羽さんの前で戸惑ってしまって攻め受け逆転、みたいな展開もあったら面白い……かも?(笑)
いえ、もちろん白羽さんがきみちゃんとヨリが戻ることもあるんですが(笑)。どっちみちこの2人は一度ちゃんと話し合わないといけないでしょうね。


第1話の扉絵には、姫乃と白羽さんがまん中に、右には第3話に出てきたお馴染み蜜姫と香、左には2話に出てきた根角さん……と来れば当然上に出てる、2組のカップルの様子も今後描かれていきそうですね。

左上の2人は百合姫掲載分では「乙女の職場でラブバトル勃発!?」とあおりがかかれていますが、この2人は主任の城王さん、ドレスデザイナーの鐘古さんというそうです。
右上の2人は「友情と愛情、両方ゲット♪」と書かれていますね。まだ名前は出てないと思うんですが、作中にはちらほら登場していて、左の子はゲームが好きそう。右の子は可愛いドレスが好きなようですが、仲が良さそうなシーンもちらほら映っていますよね。
彼女たちが恋仲に落ちる展開も今後描かれていきそうです。

今回のお話も、森島明子先生の女子同士、普通に恋愛をする様子が読みたいという気持ちが、ひしひしと伝わってきましたね。

「半熟女子」1巻の紹介はこちら
2巻の紹介はこちら
「楽園の条件」の紹介はこちら
「瑠璃色の夢」の紹介はこちら
「お江戸とてシャン」の紹介はこちら。