むげんのみなもに1
 高崎ゆうき
百合度★★★★★(5.5)

寿命が尽きてしまうみなものために、カギリが人を殺して時間商人のキスで寿命をもらい、少しでも長く一緒にいられようとするお話…一見してそんな風に読めるんですが、ただ、細かいところを読むとミスリードさせている部分もあるんじゃないかと思わせる描写もあって、これから先、どんでん返しの展開がいくつかあるんじゃないかと個人的には予想している作品です。

・intermission「みなもと甘えんぼデイ」
描き下ろしでは、タイトルどおり甘えんぼになってしまうお話が。甘えてるのはみなもじゃなくて、なんとキイちゃん(!)なんですね。
ポテチや「ねこねこジュース」を用意して一日中ぴったりくっついて(本人曰く「私たちつがいですっ」とのこと…笑)トイレにまでついていくのがすごい(笑)。
顔はポーカーをしていても、手に汗をかいていることでお互いカードが分かってしまいつつも、手を握りあって、見つめあい、キイちゃんが安心するまでいっぱいキスもし…つかの間ではありますが幸せそうな2人が良いですね。

高崎ゆうき先生は元々、甘々な作風の百合を描いていた方ですし、描き下ろしでは本来の力が発揮されているような気がします。
第1話では、傷のつかない身体に嫉妬したみなもがキイちゃんのおっぱいに噛み付くシーンや、その後「みなもだって、とっても綺麗です」と服を脱がせてじっくり裸を見たり、その胸に顔を埋めたり、じゃれあってキスをしたり、エロティックなシーンでしたね。

第2話、冒頭怖がられている(らしい?)幼い少女に、彼女と同じくらいの年齢に見える少女が心配して近づいて、その後仲良くなっていった(ように見える)シーンがあるんですが、これはちょっと気になるシーンですね。
単純に考えればこれはカギリ×みなもですが、みなもは倍の速度で成長しているはずだしカギリは不老不死のはずなので、幼い時の2人は、一方はもっと若く、もう一方はもっと成長していると考えられますので、これはカギリとみなもではないかもしれません。
片方の少女が時間商人という可能性もありますし、何かさらに事情があるとも考えられます。もう少し話が進んだらこの辺も分かるでしょうかね。

第3話。「ちびキイ(猫)は実は私が殺したんです」ととんでもない嘘をつくキイにびっくりしてしまいましたが、それが優しさだとすぐ気づき、その優しさを見つけ出せるみなもは、ある面ではすごく大人で、キイのことを誰よりわかっているんですね。

第4話は教室でエッチして見られてしまい、そんな経緯で追い詰められ、心中したいとキイちゃんに申し出る百合カップルのお話。しかし片方の子が直前にためらう胸のうちを告白して、役目も今回はなくなってよかったか…とキイが安心したところ…。前話ののら猫の話がここで伏線になりましたかー。うまいですね。結局殺す事を迫られ葛藤するキイの心境も強く伝わってきます。
しかしキイたちの飼っていた猫は無事戻って来、それが時間商人の計らいだったというラストは、シリアスな展開の中にもほのかに希望が見える、良い終り方でしたね。

公式の紹介では…
朝起きて、ご飯を食べて、抱き合って、キスをして。そして誰かを殺しに行こう―。
不老不死の少女・カギリは、常人の倍のスピードで成長してしまう少女・みなものために、夜な夜な人を殺め、時間商人から時間を買う。誰かの時間を奪ってでも、あなたと一緒にいたい。
でも、本当に? 唯一の贖罪として少女は獲物に問う。「あなたは悪い人?」
百合コミック界の俊英が贈る、狂おしいまでのアンビヴァレント・ラブロマンス
予告を引用しますと…
不老不死の殺し屋・カギリは、倍の速さで寿命を消費する少女・みなもに想いを寄せるがゆえ、殺人を繰り返す。愛する人を守るため、今夜も自らの手を血に染めてゆく…。悲しくも愛おしい恋物語が今はじまる――
そして作者さんの紹介にによると…!
一言で表すと、「不死少女と薄命少女がキスしたりおっぱい噛んだりする漫画」です。
とのこと。シンプルな紹介ですね(笑)。