GIRL FRIENDS(5)
森永みるく
百合度★★★★★(5.5)

百合漫画の最高峰の作品、「GIRL FRIENDS」いよいよ最終巻です。
今まで知らなかったけど、百合に興味があるという人は、この本を買えばまず間違いないでしょう。身近に百合に興味を持ち出した人がいるという方は、是非この作品を勧めてあげてください♪

試し読みページはこちら。


「友達以上」のキス…その先へ――
この二人どこまでいくのか――?
どこまで行くのかは是非自分の目で確かめてください!

単行本派の人は待望!雑誌買っていた人は感慨深いですね。
この感動をなんと言葉で表してよいのやら…。
ファンを長い事やっていても、森永みるく先生の作品って単行本1巻以上出たことがなかったから、先生に長編の構成力があるとは知らなかったんですよね。
しかし最後まで読んで、その盛り上げ方、1巻ごとの山の作り方、そして最後のまとめかたを見ると、ほんと奇蹟としか思えない作品でした。
みるく先生と同時代に生きることが出来て、この作品を自分のブログで紹介出来ることにすら私は嬉しさを感じてしまいます。

海外にも百合好きは多いのですが、この作品の場合特に話題にされてることが多かったですねー。うちのサイトに海外からアクセスしてくださる方もいるんですが、そういう方もこの作品が縁だったという人は多いような気がします。
翻訳版が出ているということもあるんですが、うちのサイトなんかは日本語でしか書いてませんからね。そんな日本の辺境のサイトにまでわざわざ来てくれるとは…この作品がどれだけすごい力を持っているか、ということですね。
良い作品はどこで読まれても良いんですね。

4巻では、少し気持ちがすれ違ってぐるっと一周しつつも、ようやくお互いの恋心を確認して、恋人同士のキスを交わすことが出来たまりとあっこでしたが5巻では…
巻末にはこしょねこさんの情報通り、番外編2本&描き下ろし漫画&あとがき漫画、さらに各話合間のイラストや扉絵も描き下ろしということで豪華すぎます!

ツンとデレのコミックハイ収録分2話、相手の惹くために、ツンになったりデレになったりするまりとあっこが可愛すぎます!
これはニヤけずに読むことは出来ない(笑)。
まりだと思って「あっこのことスキ?」(\\∇\\) と腕を組むあっこがアホっぽくてめちゃくちゃ可愛い!(笑)

さらに3巻の巻末であっこが小さくなってしまうおまけ話の続きも!
新婚さんごっこしてる2人が面白いですが、こんな状態にまでなっても、えっちの時どうしようか考えてしまって、身体にちゅっちゅキスをしてほんとにえっちをしようとしてしまう2人がすごい(笑)。
これは最終話1話前の、あっことまりがえっちをしてから、高校を卒業するまでの間のエピソードだったんでしょうかね。
萌え死ぬ~~~(笑)。
まさか描き下ろしでえっちシーンが含まれるとは思わなかった(笑)。

各話合間の描き下ろしイラストは卒業式の後の女子達の姿なんでしょうね。卒業記念証書や後輩達からの寄せ書きを手にしながら映っているんですが、これは何気に泣ける…。

あとがきではみるく先生、「次回感動の最終回!」が「きらいな言葉」だと仰っていますね。ちなみにこれは雑誌掲載時の34話ラストのあおり(爆)。

…はさておき(笑)、あとがきはやっぱりしみじみしてしまいました。「最終回はめちゃめちゃさみしい」…やっぱりそうですよね。ほんとに寂しいです。でも、「悲しい」じゃないんですよ。打ち切られて、悲しくて印象的になってしまった作品がいくつかありますからね。
(打ち切りじゃなくて雑誌休刊に伴って、ということですが森永みるく先生の「薔薇が眠れるまで」が途中で終わってしまったのも「悲しくて寂しい」終り方のひとつだったなー…)
この作品が終わったことは寂しいですが、本当に嘘偽りなしの「感動の最終回」で、そういう意味では、寂しさの中にも嬉しさも混じった、本当に良い読後感のあった最終巻でした。

あとがき漫画の最後にある、あっことまりの幸せそうな笑顔も、特別に幸せそうに感じられますね。

本編のレビューの前に、ここでちょっと雑誌掲載分から加筆修正された分をチェック。雑誌掲載分だけ貼っておきますので、お手持ちの単行本の該当ページと見比べてみてください。
今回も細かい加筆がいろいろ入っていますね。最終話たまみんが原田君と映ってる写真のところには「ボーカロイド…」という説明が入っていますし、汗マークや細かい手描き文字、球体状トーンも増えました。特に最終話の加筆が多いです。他には…

単行本では白目追加(笑)。

「ドーン」の擬音が面白い具合に装飾されていますね。見比べてみてください。

あっことまりが肌を重ね合わせるシーン、よく見るとモノローグに吹き出しが書き加えられていて、3個とも違う効果が使われています。特に最後の「自分の体が一気に熱くなったのがわかった」のモノローグは凝っていて、みるく先生が2人の熱い気持ちを表現したかったのが伝わってきますね。

そして、私が今回一番ビビっときた修正がこちら。単行本では「どんなことがあってももうあなたを諦めない」になっています。
「あなたを諦めない」ですよ!
これは痺れる…!
森永みるく先生は絵で表現することも上手いんですが、言葉に力を持たせる事にもすごく力を入れていることが分かりますね。

このセリフは今回の帯にも使われることになりましたが、雑誌掲載時はなかったセリフなんですよね。

おまけ。

あっこがまりとマユちゃんの後をつけてきてしまったシーン。独り言を言ってるあっこの姿を左端の人が怪訝そうに見ていますね。
サイズの問題で単行本はいつも雑誌より横を削ってしまっている(逆に縦は若干長くなってる)んで、こんな風に見切れてしまっていることがたまにあるんですよね。
これはちょっとしたネタなんだけど、面白いと思うし、単行本オンリーの人が知らないのは惜しいと思ったのでちょっとここに載せておきます。


こちらは最終回を飾った時の雑誌の表紙(表紙イラストは単行本に収録されていません)。こちらも見ているとなんだか泣けてきてしまいますね。

さて本編のレビューを…。

第29話。
「一番特別な友達と、友達じゃないキスをしました」という冒頭のモノローグは……言うまでもないですね。新しい単行本のお話がスタートしている合図です(笑)。
付き合って初めてのクリスマスを意識して、赤くなる2人は初々しい百合カップルです♪
ダイエットをしようかと言い出したあっこに、「どこも太ってなかったよ?」と指摘するまりは、やっぱりお風呂場で倒れた時あっこの裸をばっちり見てしまったんですね(笑)。「ぎゃ~っ!!」と反応してポカスカ叩いてしまうあっこですが、皆には聞こえない声で「そのうち……まりのハダカも見せてもらうから~」と耳打ちし、まりも赤くなりつつ「…うん…」と答える可愛いまりに、そこが教室であることも忘れて後ろから抱きしめてしまうあっこ。
移動教室の際もつつつと自分の隣にやってくるまりの可愛さに、「まじ……やばい……!!」と家に帰ってからベッドの上でゴロゴロじたばた悶えてしまいますが、読んでる読者も同じ状態になってしまいますね(笑)。
クリスマスには一緒にデートをする2人。結局買い物になってしまったのを謝るものの、まりと腕を組んでピトっと体を寄せてあっこは幸せそうです。
「いつだって、あっこの言葉ひとつで世界が変わる。キラキラ輝く」
と感じるあっこ。これはみるく先生の作品にも当てはまる言葉ですね。
私もいつだって、みるく先生の言葉ひとつで(以下ハズくなったので略…笑)。
クリスマスにあっこがまりにプレゼントしたのはリングと手紙。「初めてのクリスマスは、ほんとにほんとに幸せで…」と感じ、手紙を愛しそうに唇を寄せるまり。手紙になんて書いてあったのか気になりますね。

私も百合漫画はたくさん読んできてるんで、いろいろなシチュエーションを見慣れてきてしまったんですが、未だにみるく先生の作品を読むとやっぱり悶えてしまいますね~(笑)。10数年も同じ作家さんの作品を途切れることなく読み続けていれば、飽きが来たって不思議ではないと思うんですが、全然そんなことはないです。みるく先生の創作パワーは尽きぬ泉なのでしょうか(笑)。

第30話。体重が気になって「まりの前で脱げないじゃん…?!」と思ったり「ま…まあでも…そういうのはまだ先の話だろうし…」と思ってしまうてしまうあっこや、「『その時』っていつやってくるかわからないものなのよー?」とたきつけてしまうすぎさんがすごいですね。すぎさんは2人が女友達同士が恋人になっても、やはりキューピッド役を続けてくれるようです(笑)。

クリスマスのプレゼントを交換した2人。まりはあっこにブレスレットを贈っていたんですね。さらにあっこがまりに贈った指輪には手書きの手紙が。
まりが言ってくれなかったら
私はバカだから
自分がまりを好きな事に
気付かなかったかも…
だから
ありがとう 私を好きになってくれて。
まりのことが
大大大好きです。
シンプルだけど心に来ますね。意外に小説家や詩人でもこんな文面はぱっと思いつけないかも(笑)。
そんな中、まりは再会した中学の頃の友達、マユとたびたび会うようになり、気になって気になって思わず尾行してしまうあっこですが、マユには他に好きな人が別にいて、まりは相談に乗ってあげてるだけなんですね。
本当に買い物をしていただけと分かっても、まりが自分が教えたメイクの仕方をマユに教えてあげていることにモヤモヤしたものを感じ、顔をいじっているのを見てわなわなしてしまうあっこが可愛いですね。
しかしなんとか平静を取り戻したあっこは、周りにいっぱい女の子がいることに気付き、果たして自分とまりが彼女らとどれだけの違いがあるんだろうかと考え込んでしまいます。
「キスって…友達とも…だってそれじゃ…」と1人葛藤して行きついたふと浮かんだ疑問。
「――キスよりももっと確かなものって」
その先を考えてしまっているのか赤くなってしまうあっこ…(笑)。

第31話。
ホームルームの時間にも真剣な顔でケータイサイトを見つめるあっこ、家に帰ってきてからもパソコンで何やら真面目に調べてると思ったら「女同士 H 方法」などというキーワードで検索してエロサイトを見ていたのでした(笑)。
これはもちろんまりとHする時に備えて、どんな風にするのか調べていたのですが、まだまりが彼氏と経験したという誤解が解けていないことからわだかまりを抱えていて、自分もまりとそういう行為を早くしたいという焦りもあったようです。
それにしても「まりと……こういう事したらどうなっちゃうんだろう……」と考えてドキンとしてしまうあっこが本当に可愛いですね♪
そんな中、マユにメイクをしてほしいとまりにお願いされ、メイクを手伝ってあげるのですが、その中であっこはマユに他に意中の人がいることに安心し、逆にまりはメイクをしているあっこの顔がマユと近いのに嫉妬してしまい、とりあえずマユちゃん絡みの気持ちのすれ違いは解消したようですね。
マユが帰った後、妬いてしまったまりがあっこに抱きついてきて、こちらも本当に可愛いですね。
そんなまりにズッキューンとしてしまったあっこは「まり……キスしていい?」と聞き、まりは「き……聞かなくても……いい」と応え、2人は5度目のキスをすることに。
今回は舌も絡めあったり、あっこの唇でまりの唇を挟んだり、かなりディープなキスです!
「あっこと抱き合うのが……こんなに気持ちいいなんて知らなかったな……」とまりは幸せそう♪
そしてこの流れならいける、と思ったあっこは、ついにまりを押し倒し、「私も知りたい……もっとまりの……」と首筋にキスをし胸に手を置きすりすりと触ったり……。
まりもビクンとしてしまいますが、やはりそこまでは考えていなかったまりに「まって!」と言われてしまい今回はここまででしたが「私も(女の子同士のHの)予習してこないと……」と心の準備を考えるまりとあっこの関係がますますドキドキな感じになってきましたね。
今回は女子同士の絡みシーンもあるんですが、女体同士のずばりな絡みがエロくてすごいというよりは、やっぱりそこまでの流れがたまらないんですよね~。

第32話。マユちゃんは例の先輩とうまくいったようですね。なるちゃん先生も出産休暇ということでいつの間にうまくやっていたのやら(笑)。
今回はどう見てもめら先生な袴田さんも登場!?漫画家志望で専門学校に行くという事であっこと一緒に職員室に呼び出された2人ですが……あっこが専門学校に行くという決意は意外に固いようです。
友だちと相談しても、この問題はなかなか解決が見えません。
一緒にいたいと思うまりとは言い合いになってしまう展開に。

やはり百合好き的には少しでも長く一緒にいて欲しいと思うでしょうが、しかし私はあっこの気持ちも分かるなぁ。一緒にいることは大切ですが、自分の将来のビジョンもないと、一緒の人生も行き詰ってしまうと思うんですよ。
漫画の世界だからと割り切って甘い展開にすることは簡単ですが、みるく先生は一歩踏み込んだハッピーエンドも出来るんですよね。
皆さんお忘れかもしれませんが、瞳と奈々なんて高校すら別々だったのに、恋人同士として心の絆は離れずにいられたことですし。
みるく先生の作品では、学校や職場や夢が同じでなくても、女子同士愛し合っていられる、あるいは離れているからこそ一緒にいたい気持ちが強くなるような、漫画が上手く描かれることが多いような気がします。

第33話。進路のことで少しギクシャクしてしまったまりとあっこですが、やはりお互いを想う気持ちには変わりないのでしょうね。まりは進路希望をあっこと同じ、美容系の専門学校にしてなるちゃん先生に提出するのですが、さすがにこれは唐突で行き当たりばったりすぎたのでした。正直私もびっくりした(笑)。
その後まりはなるちゃん先生に、友だちにしても恋人にしても、お互い一緒にいるための努力をしなければいけないけど諦めたらいけないと諭されます。
そしてその後まりがした行動とは、とりあえずあっこのために手作りのお弁当を毎日持ってくることだったのですが、これであっことのわだかまりはすっかり解けたようですね。内心「よかったー!!よかったー!!」と喜びながら、涙まで流して(笑)、ついには友だちの前でもまりに抱きついてしまうあっこがめちゃめちゃ幸せそうです。これはまりの将来が美容系の仕事をしているあっこを支えるお嫁さんになってしまうフラグ……?(笑)
物語は卒業を控えた2月ということなんですが、2月といえばバレンタイン。お弁当作りに熱中するあまりチョコのことはすっかり忘れていたというまりに、あっこはすっかりふくれてしまいます。スタスタ歩いて行ってしまうあっこの後ろで青い顔して涙目になってるまりがめちゃくちゃ可愛い(笑)。
しかし「今度の土曜日、うちに泊まりに来てくれたら…許す」と提案してまりも了承して一件落着……というか2人とも赤くなって、やはり恋人になってから初めてのお泊りというイベントを、お互い意識してしまっているようです。
そして当日、初めて来た時のようにファッションショーを始めてしまう2人ですが、その中であっこが取り出したのは、以前まりのために買った水着なんですね。あっこはあのすれ違いの日から今日まで、これをまりに着せたくてしょうがなかったんでしょう。
そして実際にまりが自分の買った水着を着ているのを見て「思ったとおり……」とうっとり。自分も水着姿になってぎゅっと後ろからまりを抱きしめてしまいます。
そして好きな相手と肌を触れ合うことを「……きもちいい……」と思ったあっこはさらにまりの首筋にキスを。「あ…あっこ…あの……あっ」と感じてしまった後、かあーっと赤くなるまりが可愛いですね。
そしてあっこの行動はそれだけに留まりません。
まりの水着の結び目をはむ!と口に加えてほどき、見つめあい母親が出張中であることを確認した上でキスを交わします。

私たちはただ、好きな人と素肌で触れあうことの幸せと気持ちよさで、いっぱいだった。
このモノローグはどちらのものかはっきり描かれてないんですが、ここはまりでもあっこでもおかしくなく、きっとこれは2人の共通の心情だったんでしょうね。
それにしても、よく見るとまりだけでなく、あっこの水着もほどけていますね。瞬時にあっこが後ろに手を回して自分でほどいたというのは考えにくいような気がしますし、ここはあっこの背中に腕を回したまりの手がそのままあっこのビキニをほどいたと考えるのが妥当な気がします(笑)。
2人とも裸になって肌を触れ合わせたい気持ちが重なって…。

2人がHするからってはしゃぐのもゲンキンな話かと思われるかもしれませんが、ここまでほぼ5巻分費やして、2人の気持ちが近づいていく様子が描かれてきたのを最初から読んできた読者なら、やっぱり感動と興奮を感じずにはいられません!

34話。
前話で2人きりの部屋でファッションショーを楽しんだ後、水着をほどきキスを交わしたあっことまりですが今回はついについについに!
正直朝チュン描写だけで終わるかとも思っていたんですが、期待を遥かに上回る展開が描かれていました!

キスをし、熱く舌を絡めあう2人。はーはーと熱い吐息が漏れてしまいます。
ここで「ごめん、やっぱり……」と言い出すあっこに、正面から裸で向かい合ってHすることを実感して、さすがに女子同士では出来ないと言い出したのかと思い込んで一瞬落ち込むまりですが、これはあっこも初めての経験に、頭がパンクしてどうしたら良いか分からなかったのでした。
実はHをするのは男女問わず初めてだと告白するあっこですが、まりも自分もそうだと告白。お互いの誤解も解けましたね。
「初めてだけど自分はあっこにどうしたいか分かっている、でもほんとにいいの……?今なら冗談で済むから……下脱いでないし……」と念のため断っておくまりですが、あっこは毛布の中でごそごそして、即座に水着の下も脱いでまりの下も脱がせ、自分が女子同士、まりとHすることにはなんの迷いもないことを示します。

そして自分はあっこにどうしたいかわかっていると言うまりの方から、自分に好きなようにするよう促します。
「まりは……どうしたいの?」と聞くあっこに「さ……さわりたい……あっこに」と恥かしがりながら答えるまりは、望みどおりあっこの裸の胸などを触っていきますが、そうしている間、ふと触れたあっこのひざがまりのアソコに当たってビクンとした際、あっこはまりがすっかり濡れてしまっていることに気付きます。
多分まりはこの時点でまだあっこから愛撫はされていないんですよね。つまり身体を愛撫されて濡れたのではなく、キスと、自分からあっこに愛撫しているというシチュエーションに感じて濡れてしまっているのです(笑)。
恥かしがっているそんなまりを見て、あっこも「私もだよ?…ね?」とまりの手を導き、自分のものも濡れていることを確かめさせてあげます。
それを確かめ、「……うれしい……あっこが同じで……」と涙を流して嬉しがってしまうまり、さらにその涙にキスをしてあげるあっこ……。

その後シーンが切り替わるのですが、「ふふっ」とにやけながらまだ布団の中で裸でいるまりの髪を愛しげに延々なでなでして可愛がっているあっこと、恥かしがっているまりの様子から、2人がそれまでとは違う深い関係を結んだことが分かりますね。このシーン可愛すぎ!
さらにそっけなく描写されている時計を見るとすでに12時を過ぎて深夜になっていて、やっぱり2人が延々愛し合っていたのが分かります。
2人は夜ご飯も食べるのを忘れて、行為に耽っていたんですね。
お腹が空いたからとベッドから抜け出し、裸のまま買い置きのパンを食べ始めてしまうあっこ。このシーンはファンタジックな雰囲気の中で朝チュンしてる描写よりはるかに生々しいのですが、あっこの姿は可愛いですね。
みるく先生の描く百合漫画は、やってること自体は現実っぽくはあるんだけど、しかしそれをみるく先生が描くとなぜか萌えるシチュエーションになってしまうという……この辺にもそういうみるく先生のそういう才能がちらっと表れていますね。

菓子パンをがっついてるそんなあっこの姿を見て「栄養偏るよー?」と気遣うまりですが、やっぱり毎日お弁当を作ってきたり、進学も短大の家政科にしようと決めたのも、あっこに美味しくて栄養のバランスのいいごはんを作ってあげるためだったんですね。まり曰く「努力の餌付け作戦」だったそうです。あっこも「いいお嫁さんになりそうー♪私の」とお互い大喜びですね。

疲れ(←「なんの疲れ?」とか聞かないように…笑)もあったのでしょう。自分の隣で寝息を立てるあっこに、そっと口付けするまり。1巻ラストと同じシチュエーションではあるんですが、キスをすることにいちいち確認を取ってないことを心配する必要もない程の仲になった今では、まりが自分の気持ちすらよく分かっていなかった1巻の時とはまるで違いますね。
「一緒にいよう。どんなことがあっても」と誓うまりの姿を見てるとこみ上げてくるものが……。

そして2ヶ月が過ぎ、まりとあっこも3年生に…。

最終話は高校3年の卒業式、そしてそれぞれの進路に進んだ後の姿まで描かれていて、まりの髪がどんどん伸びていっていることにも象徴されている通り、時間の流れを感じさせる展開でしたね。1年の2学期から2年までをじっくり描いてきたこれまでの作風とは対照的です。

卒業式の日に、お互いの両親と会ってまりとあっこが緊張するシーンは、後に2人で将来のことを考えて不安を感じている心情にも繋がっているのでしょう。2人で一生一緒に暮らしていくとすれば、ゆくゆくは両親にも関係を話さなければいけない日が来るでしょうし、あるいは友達にも……?
しかし2人で一緒に考えることが出来るなら、そんな不安にも打ち勝つことが出来る気分になれる強い2人の姿が描かれていました。

最終話は時間を切り取って映像に残せる「写真」が効果的に使われていましたね。
杉さんが機転を利かせて、卒業式の日の後、プリクラを撮るシーンも象徴的です。セーラー服姿でキスをしながら映る2人ですが、セーラー服を着たのは多分この時が最後だったと思うんですよ。
5巻の扉絵で映っているのは、このプリクラのシーンなんです…
そしてその後、別々の専門学校に通う際もまりはその写真を待ちうけ画像にして大切に持っているから、専門学校に一緒に勉強する相手があっこと違う子でも、気持ちはあっこに繋がっていることが出来るんですね。
冒頭も3年の時に撮った写真が一杯出てきますが、写真の中の女の子たちの姿は完全に止まっているのと対照的に、本編ではまりの髪も伸びていって、どんどん時間が流れていく様子が強く感じられる演出になっていました。

みるく先生の作品で、こんなに時間の流れを強く感じたのは初めてです。いつもは女の子たちの限られた時間の一部の中でのお話を描いていたことが多かったので、時間が実際に流れていることを感じさせるお話がくると、急にそれまでの時間が、本当に大切なものだったんだなぁと実感がこみ上げてきてしまいます。
そんなことを強く実感してしまうのは、この作品が単行本5巻分にも渡って連載が続いたせいもあるでしょうね。
正直この作品が始まるまで、みるく先生が長編漫画の構成力までめちゃくちゃ持っていたことなども知りませんでしたし(単行本が2巻以上出るのは初めてでしたからね)、この作品のおかげでみるく先生の作品の、新しい魅力をたくさん知ることが出来ました。

そしてこの作品で描かれた女子同士の関係。
今なら女性同士の出会い系サイト、コミュニティやバーなど、女性が好きな女性が集まる場所はいろいろありますし、女性の恋人を求めて女性がそういう場に赴いて、成立するビアンカップルも多いと思うんですが、この作品ではそうではなく、普通に日常の中で女子同士友達を作ることが出来る学校という舞台にして、数多くの女友達の中から、自分にとって一番大切な人を見つけ、その人と恋に落ちていく過程が描かれていたところが魅力でしたね。

タイトルの「GIRL FRIENDS」というのはもちろんまりとあっこの2人をメインに指してはいるんですが、それだけではなく杉さんやたまみん、くのちんやうららなど、一緒に楽しい学校生活を送った女の子たちも重要な存在になっていたと思います。
つまるところ女子同士が出会って結ばれるまでの過程が描かれる百合作品に、女子同士楽しく過ごす日常をふんだんに取り入れたことによって、普通の百合漫画とは一味違う深みのある作品になりました。

続編はありうると思っていたんだけど……これまでとは違う時間の流れが描かれていた最終話を読むと印象がちょっと変わって、やっぱりないかもな~と思ってしまいました。なぜならこの作品が第1話から最終話まで、あまりに完成された世界だと思うから!
この完成された世界に続編を作って、それが蛇足にならないようにするのは……かなり難しいことのようにも感じられます。
いえ、ドラマCDも予定されていることですし、まりとあっこの姿自体は必ずまた見れるんですけどね。ただ、続編シリーズとなると難しいかなぁというのが私の今の率直な感想。今後2人の続編があるとしても、それは切り口の全く違う作品になりそうですね。

そうなってしまうと、本編でまりとあっこの姿を見れるのはこれが最後になってしまうということで……あーやっぱり泣けるなあもう!
最後、どんどん姿が変わって新しい生活を始めているまりをみると、本当にこれで最後なんだなぁという実感がこみ上げてきてしまいます。でもまりが最後まであっこと繋がって愛し合って暮らしている様子を見ると、嬉しさもこみ上げてきます。これは悲しくて泣いているのではないのですよ(笑)。嬉しくて泣いているのです……。


この作品に出会えて良かったです。
みるく先生ありがとう。

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