くちびるためいきさくらいろ 1 森永 みるく


くちびるためいきさくらいろ 2 森永 みるく

百合度★★★★★(5.5)

瞳×奈々にまた会えますよ〜♪しかも後日談もついてそれがメインです!


おおお!昨日まで実に4巻までが品切れになってしまっていた森永みるく先生の「GIRL FRIENDS」が、1巻から5巻まで全部注文できるようになってる!双葉社さんよくやった!未入手の人は是非この機会に「くちため」と一緒に入手してやってください!

くちためを全然知らないという人は試し読みページで読んでみてください!この第1話は何度読んでも体が震えちゃうなぁ。

さて、以下瞳×奈々シリーズ5話以降の紹介を♪

・第8話「ないしょの恋人」
冒頭、バス停で再会するシーンは瞳と奈々にとってはテスト明けの10日ぶりということでそれほど時間が経っているわけでもないんですが、2人はそんな短い間会えなかっただけでも寂しかったのか、再会する際はほんとに嬉しそうですね。
このシーンは5年ぶりくらいに瞳と奈々に再会する読者の気持ち、作品を発表出来ることになった作者さんの嬉しい気持ちも重ねて表現されているようにも感じてしまいました。
私も瞳×奈々にまた会えて嬉しい!
再試を受ける事もある奈々は英語のテストに自信がないと言っていて可愛い♪奈々は漫画の内気キャラにしては特に勉強が出来るということもなくて珍しいんですよね。
まだバスの乗客が少ない頃は手を繋いで載っていたものの、人が多くなってきたら恥かしくなって手を離そうと言い出す奈々に焼き餅を焼いた瞳は、何か落とした振りをして2人で屈みこんだところをこっそりキス!その後は隣同士なのに携帯のメールでこっそりナイショ話をしていて、こういうシーンもきゅーんときますね〜♪

瞳×奈々も懐かしいけど、安倍ちゃんや橘さんの姿も懐かしいよ〜!橘さん携帯持ってないから電報って…私も携帯持ってないけどさすがに電報は打たないよ!(笑)
阿部ちゃんと橘さんが好きあってる気持ちが自分たちのそれと同じなのか気になる奈々。
比べて、自分達はもうえっちもしちゃってるけどどこまで何をしたらそれといえるのか迷う奈々。
どこまでって…どこまでしちゃったんでしょう?気になる!(笑)

「月に願いを」から登場していて瞳のことが気になっているようだった加賀見は他の子に押されながら「試合頑張ってください!」と応援…というか告白のような調子です。その子のことを話題にしながら「女子と付き合うとかアリ?」と聞かれても「あははは!ありえないでしょーっ!!」と笑って軽く答える瞳ですがもちろんこれは本心ではありません。

クラスメートが見てしまった瞳の携帯には奈々の姿が。「…普通、友達の寝顔待ち受けにするかね…」とちょっと不思議なような気恥ずかしいような表情をするクラスメートですが、どう見ても一緒に寝ているところを撮ったとしか思えない待ち受けですね(笑)。

「チョコレートキスキス」からの流れで読むとあの時奈々が贈ったチョコのお返しに今回瞳が返したように見えますが、ちょっと違うと思うので注意して読んでみてください。奈々がバレンタインのチョコを手作りしたのが1年生の時、今回ホワイトデーで瞳が返したのが2年生ということですから、多分その間もう一度瞳と奈々がチョコの交換をする機会があって、一年経って一周してまた瞳がホワイトデーのチョコを渡した…ということになると思います。作中でもだいぶ月日が流れているようですね。
百合姫で連載していた時は「チョコレートキスキス」が掲載されたのは1月18日発売の百合姫だったし2人が2年生に進級した「月に願いを」が掲載されたのが4月18日発売の百合姫だったということで、季節に合わせたお話を寄稿されていたと思うんですが、今回のホワイトデーのお話は雑誌に掲載されていた時期とも関係なかったし、単行本が発売される時期でもありませんね。ということはみるく先生はもうじき3年生になりそうなこの時期をあえて選んだということでしょう。
そういえば「GIRL FRIENDS」の時は1年生、2年生のエピソードはしっかり描いていたんですが、3年生のエピソードは最終話で駆け足で過ぎてほとんど描かれていませんでしたよね。「GIRL FRIENDS」はそもそも瞳×奈々シリーズで描けないところを描きたかった部分を補完したくて描いたということも仰ってましたが、逆に瞳×奈々シリーズも「GIRL FRIENDS」で補完したかった部分を描いているのかもしれません。

・第9話「クラスメイト
学校の携帯掲示板に他の生徒(奈々のことですね)が入ってきてるのを非難する書き込みがあるのを見て、気をつけたほうが良いと教えてあげる瞳の友達千絵は瞳と奈々の関係がただの友達関係ではないことをやはり察していたんですね。
…というかこの女の子は千絵という名前なんですね。第1話で瞳と相合傘してた子ですから、かなり最初の方から登場しているんですが名前が出てきたのはここが初めてのような気が。(^^;
そんなわけで奈々に応援に来なくて良いと伝える瞳ですが、少し寂しそうな奈々を抱きしめてあげて、しっかりフォローはしてあげてますね。
さらに「そうだ……奈々、今度うちの生徒になっちゃう?」と誘う瞳はなんと奈々に自分の制服を着させて自分の高校に連れて行くのでした。
日曜日の誰もいない教室に2人で座って、「同じ学校だったらこんな感じだったのかな……」とと思いつつ、隣の瞳と見つめあう奈々ですが、瞳の視線にはあまりに愛がこもっていて優しげで、思わず赤くなってしまうのでした♪
そして目をそらして窓際のカーテンに歩いていき「か…かくれてちゅうとか…してたかな…?」などと思わせぶりなことを言う奈々は思いっきり狙っていますね。誘い受けスキル高い!(笑)
そんな奈々のおねだりに対し瞳もちゃんと応えてキスをしてあげ、さらに唇は下のほうに降りていき膝も割る瞳に奈々も思わず感じてしまい…。

って…学校で!んまぁっ!!!んまぁっ!!!
ドキドキする一日を送れた奈々はその夜、洗濯をすると言って持って帰った瞳のブラウスの匂いを嗅ぎ、一人身体が熱くなってしまうのでした…///

そんなラブラブな二人ですが、千絵からメールがあり、再び何か言いたいことがあるから自分のうちに泊まりにくるよう言われるのですが…。

・第10話「嵐の前」
誘われて一緒に買い物に行った後、親友の千絵の家にお泊りすることになった瞳。
そこで瞳は千絵に、自分が過去に女の子に告白され、その子には「冗談でしょ」と答えて「そもそも同性同士って本能的にありえないつーか。女の子同士だったら擬似恋愛なのかな?」などとキツイことを千絵が考えていたことを話されてしまいます。
それを聞いた瞳は我慢出来ず、自分の奈々に対する想いを吐露。

そしてついに自分が奈々と付き合っていることをカミングアウトしてしまいます。
「ごめん…引くよね」とうつむく瞳が切ないですが、千絵は「別にいいじゃん?さっきの話は誘導尋問だから」態度を急変させて瞳はびっくり。擬似恋愛といったのは自分のケースの話で、千絵は真剣に悩んだものの相手の女の子はその後すぐに彼氏が出来てしまったというのでした。
千絵は瞳が本当のことを打ち明けてくれないことを寂しがっていたんですね。それにしてもバスケの試合に勝った時も他の女の子とハグせず腕も組まず、なのに応援に来た奈々にはベタベタしてる瞳はほんとに一途(笑)。
そんな瞳の態度のせいでBBSにも苦情を書かれていることを千絵は心配していたのでした。

そして千絵は自分が嫉妬もしていたことを告白。恋人なら仕方ないけど、一番仲いい友達は自分だよねと気持ちを確認して、瞳も思わず赤くなってしまいます。この辺も良い雰囲気ですね。友達に話したことをびっくりする奈々ですが、自分たちは強い絆で結ばれることを信じ、自分も安倍ちゃんに話してみようか…と思うものの、今回は上手く出来なかったのでした。
一方瞳は家族と口論。呼び出した奈々には「私…家出する」と言い出し、奈々はおどろいてしまうのですが…。

・第11話「本気の家出」
冒頭から女子同士、愛の逃避行をしようとしている姿や「ここからは、いつもと違う朝」というモノローグにわくわく♪
やはり瞳は引っ越さなければいけない状態だったんですね。というわけで当然ながらそれが嫌な瞳は奈々を連れて家を出ることに。
奈々はテレビである渋谷にいる家出少女の危ない目にあう特集なども頭にちらついて、夜はやはり漫画喫茶などに泊まるのか…などとシリアスに考えるのですが、瞳の答えは「大丈夫、お風呂は温泉だから」という気楽なもの(笑)。さらに着いた先は温泉旅館で「新婚旅行しちゃおうかな♪」と瞳は奈々に引っ付きいちゃいちゃ♪
奈々は奈々で「ちょっと瞳と家出します。なにかあったらメールして」などと家族に書きおきでのこしてたりして、冒頭のシリアスなノリから一変しててこの辺は上手いなー(笑)。

そして一緒に温泉に入る2人。「瞳の裸、ちゃんと見るの初めてなんだもん…部屋だと…いつも布団かぶってるし…」と赤くなってしまう奈々が可愛いですが、普段どんな様子でエッチしているかちらっと想像させてくれるセリフが萌えます(笑)。
そしてそれを言われた瞳も意識してしまい、ついつい奈々の裸を横目で見てしまうのでした♪

しかし結局お互いもう愛し合っていることは確認済みですから、身体をじろじろ見ようが、人目がないところではこんな風に裸で抱き合ってキスを交わそうが問題ないんですね♪

意外に将来のことを真面目に考えて計画をしていた瞳。でも世の中はやっぱり甘くありません。コンビニに行った帰り、よからぬ男たちに後をつけられ、草むらに逃げこんだものの奈々をこんな危険な目に合わせたのは自分のせいだと責任を感じた瞳は「奈々を守れるなら私はどうなってもいい…」と自分はそこから飛び出してしまい…。

女子同士には限らないけど、働くことも住む場所を探すことなど、やはり努力しないと理想の生活は手に入りませんね。2人一緒に歩いていてもよからぬ男につけられて危なくなってしまう女性同士はなおさら立場が弱い部分があるところも描かれていました。

・第12話「わたしたちの物語
命をかけても奈々のことを守るという瞳ですが、切羽詰った表情で語るそんな瞳に「瞳にまもってほしくて瞳とつき合ってるんじゃないよ…?何で」と奈々は諭します。
瞳は、自分が好きになっていなかったら奈々は普通の女の子だったから、自分が守らなければいけないという使命を感じていたんですね。
しかし奈々は、自分も瞳と同じくらい好きで大事で、守りたいと思っている気持ちを伝え、お互いの気持ちを確認することが出来たのでした。
酔っ払いは走って酔いが回ってあっさり自滅。まあ瞳が深刻に考えすぎていただけで、元々たいして怖い存在でもありませんでしたからね(笑)。
そして瞳と奈々も大人になったら一緒に住む約束を交わして、家に帰ろうと決意。
元々新婚旅行だったからと、星空を眺めながらまたキスを交わす2人が良いですね。
そして友達に連絡した所、帰ってきたのは千絵や加賀見んや安倍ちんの心配して泣き出す声。やっぱり掲示板に書き込みをしたのは加賀見んで、2人が家出してしまったことから彼女はそのことを気にしていて、千絵は千絵でひっかけてカミングアウトさせたことを気にしていて、安倍ちんは自分だけ橘さんとラブラブで幸せで奈々をぼっちにさせてしまったことを気にしていたんですね。

「もー皆なんで自分のせいだと思うんだろ…。愛されてるから…?」「かなー?」と楽しそうに語る瞳と奈々。
家に帰ってみると、瞳の父親のやつれた顔が。こちらも心配で、全国を探し回ると本当に出かけてしまっていたんですね。そして充分後悔した父親は瞳が日本に残ることを了承。なんと2人のために、アパートを借りてあげてしまったんですね。
同棲生活を始める2人は2人きりになたらさっそく横になって、入籍はできないけど結婚式をふたりであげようと誓いあい身体もくちびるも重ね、幸せな生活を始めることが出来るのでした…。
ラスト、新居でダンボールの整理も終わらないうちから待ちきれなくてラブラブいちゃいちゃし始めてしまうってシーンって、何気に私の好きなシチュエーションのひとつだったりします(笑)。

この最後のシーンの雑誌掲載分は何かページがずれてしまったとツイッターで仰っていたんで、どういう風に修正が入るのか気になっていたんですが、そうか〜こうしたかったのか〜。セリフの順番、配置が全然違いますね。ちょっと違うだけで随分印象はよくなるものだなぁ。

瞳×奈々のラブラブっぷりも良かったけど、周りの心配と、それに対する瞳&奈々の反応がもう涙なくしては読めなくて…。こういう感想を持ったのは自分だけかもしれませんけど、予想外な方向で感動してしまった。百合好きの皆から愛されている森永みるく先生ですが、きっと読者のことをこんな風に思っているんだろうなぁという森永みるく先生の読者を包み込むような優しさが伝わってきました!
森永みるく先生、素敵な百合作品を本当にありがとう…!!

第13話「くちびるにチェリー」
怪我をしてフルートがふけなくなったことがきっかけだったのだけれど、フルートを吹く姿に中学生の頃から憧れていた絵里と友達になれたちはるは狂おしい程絵里に恋い焦がれていたものの、それが彼女や周囲にバレてしまったら自分たちの関係は終わってしまうと思って、自分の恋心は堅く心に秘めていた…というお話。
周囲にばれないよう触るのは1日3回だけ、自分の肩にもたれかかって眠る絵里を見て「このまま世界が終わっちゃえばいいのに…」と思ったり、絵里が口を付けたストローに夜こっそり口付けたり、「ふたりがデキてますって言っても不思議じゃないよね」と言うクラスメートに対して「やだも〜変なこと言わないでよ〜。そんなの気持ち悪いじゃん…ね?」と心とは裏腹なことを言うちはるが切なすぎ!
そんなことを考えてぼんやりしていたちはるに、絵里が元気付けてあげようと、ずっと吹いてなかったフルートを吹いてあげ、その姿にちはるも自分も恐れるのをやめて、自分の気持ちを告白しようと決意するのでした。
この作品も良いんですよね〜。多分瞳×奈々シリーズ以外のくちためエピソードの中では一番人気があるくらいなんじゃないでしょうか。この作品は、ちはるが告白して結ばれるまでが描かれてないからこそすごいなぁと思ってしまうんですよね。描かれていたら読者は安心するでしょうけども、描かれないことで不安を抱えながら、読者も勇気を持つことの大事さを実感することでしょう。

最終話「ホントのキモチ。」
告白してきてくれたふわふわロングの女の子みちるに、女の子同士だけどそれまでろくに友達もいなかったから悪い気はしない…と思っていた地味な野坂さんですが、部屋に招きいれて押し倒されキスをされた際彼女に平手打ちをしてしまい、彼女を傷つけた…と後悔するものの、翌日髪をばっさり切ってきた彼女は、全然へこたれてなくておぼこい彼女を男の手垢がつくまえに自分が頂いちゃおうかにゃん…などと邪なことを考えてる肉食系百合女子だった…というお話。
最後ちゃっかり額にキスをしたところ赤くなってる野坂先輩を抱きしめてご満悦なみちるが良い味出してますね(笑)。

この作品が単行本の最後を締めくくってることもあって、切ないパートもパートもありつつ、全体的には楽しくてハッピーでラブラブな印象の百合単行本集になりましたね。皆さんも是非読んで、幸せに浸ってください♪

別に古本で買っちゃいけないというわけじゃないんですが、皆さんも旧版くちためなど、みるく先生の漫画を古本で買ってしまったことはあるんじゃないですか?私も「Study after school」と「にくらしいあなたへ」は実は古本屋で買ってしまったんです。昔はネット通販とかもできなかったし、新刊売ってる本屋では見つからなくて、なぜか古本屋の方で先に見つけてしまったんですよね。ネットが普及してない時代だったから新刊が出てるという情報すら私は知らなくて、何気なく古本屋回ってたら「あれ!もう新刊売ってるじゃん!」みたいな感じで見つけてしまったんですよ。
信者の私ですらそういうことになってしまうくらいですから、みるく先生のところにはあまり印税入ってきてなさそう。百合の女神なのに…。森永みるく先生の作品は入手困難な作品は中古で買うしかないですけど、みるく先生に対価を払う機会ってなかなかないんですよ。みるく先生にお布施できる貴重なこの機会を是非利用してください(笑)。

ファンの間でも続編は待望だったんですがみるく先生も続きを描きたいという気持ちがあったからこそ、この復活も実現できたんでしょうね。絵柄も当時とは少し変わってしまっているし、新しいキャラで新しいお話にした方がみるく先生も楽だったんじゃないかと思うんですが、あえて瞳×奈々の2人にこだわって続きを描いたのは、みるく先生も瞳×奈々に強い愛着がまだあったからでしょう。
で、描きたかったのはやはり瞳×奈々のその後も愛し合っている姿、それからカミングアウトするかどうか、また女子同士で愛し合っている2人に対する、周りの友達の反応も描きたかったんじゃないかと思います。
やはりその辺のお話も単行本のあとがきに書いてありましたね。やっぱりみるく先生、瞳×奈々のラブラブに加えて、千絵や加賀見など友人たちとの絡みエピソードが心残りだったんですね。やはりそうでしたか。ファンの皆さん瞳×奈々のことが一番気になると思うんで結局この2人メインのエピソードになってしまいましたけど、作家としては多分こういうキャラクターとの関係性をいろいろ考えていたんじゃないかと想像していたところでした。

この作品は、特に2巻は瞳と奈々が幸せそうな様子がいっぱい詰まっていましたね♪
皆さんもこの本を手に入れて、満期になった幸せ百合貯金を是非おろして来てください♪

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