悪戯ちょうちょ(1) (綾瀬マナ)

百合度★★★★★(5.5)

一緒に音楽学校に通ってる幼馴染み同士の百合漫画!
女の子同士が求愛しあう様子を音楽を題材にした描いている作品ということで、可憐で繊細で楽しく、そして情熱的な百合描写が素敵な漫画です。

こちらに試し読みページが

作中に
こんな異常な程ピアノが好きなんて
こんなに、なのはと一緒にいたがるなんて
人に知られたら恥ずかしいもの…
とさくらが泣きながら自分の気持ちを隠している心情が語られるシーンがあるんですが、さくらがなのはのことを好きすぎる気持ちと一緒に、音楽に対しても好きすぎるから自分の気持ちが恥ずかしくて隠してしまってるところが面白いですね。
確かに好きすぎる気持ちは隠したくなるものかもしれない。楽器が演奏できても、自分の家で演奏したくても、近所迷惑で苦情がこなくても、自分が楽器演奏するのが好きなのが知られること自体恥ずかしいってことはありますからね。
さくらはなのはが好きな気持ちも同様な感情を持っていて、普段は隠してるんだけど抑えきれなくなって、後半に向けて気持ちが爆発していく様子が描かれてるのがうまいなぁと思います。

校舎に忍び込んでまでピアノを弾いてしまうさくらは両親と疎遠なことが少し寂しい素振りな女の子。
そんなさくらのピアノの弾くピアノの音は一発で聞き分けることの出来る幼馴染みのなのははさくらのピアノにほれ込んでいて、忍び込んで弾いていたことを知って、咎めるどころか後ほど自分も一緒に校舎に忍び込んでさくらのピアノに聞入ってしまう程。なのはは歌を歌うのが好きで、さくらのピアノに合わせて歌を歌ったりして気持ち良さそうですね。
さくらは、幼い頃両親が不在でやけくそで弾いていた演奏会にもかかわらずなのはが自分のピアノに聞きいってくれたことがうれしくて、その後もピアノを弾くことが好きなままでいられたようです。そんななのはをまぶしそうに見つめるさくら。「好きなものはピアノと…」後に続く言葉は書いてなくても分かりますね。

さくらとなのはは学内で行われるコンクールの存在を知ります。しかしコンクールは1年生は出られない。それを知ったさくらですが、受験の兄がいる家でもピアノを弾けないことに我慢ができず、なのはと一緒にいたいと思う気持ちも抑えきれず、翌日なのはの方に走ってきて「私コンクールに出たい!」と告白…というか欲情してなのはを押し倒してるみたいに見えますね(笑)。

本当は甘いもの、可愛いもの、ピアノ、なのはのことが好きなのに恥かしくてなかなか表に出せないさくらですが、そんなさくらになのははケーキをあ〜んしてあげて、それをしてもらってるさくらの恥かしそうな顔がちょっとエッチな感じです(笑)。
さくらが落ち込んでる原因がピアノが弾けないことであることを察してあげたり、隣で歌を歌ってくれるなのはに、さくらが元気を取り戻したり、なのはの存在を表現しようと思ってさくらがピアノを弾くのも良いですね。

2年になるまで待てないからコンクールに出たいと言い出すさくらは、なのはと一緒に出たかったんですね。しかしそれは規定違反だからと言い聞かせ、それでも引き下がらないさくらに「考えさせて…」と答えて2人はすれ違ってしまいます。落ち込んでピアノを弾いていてもなのはのことばかり考えてしまうさくら。
しかしさくらの弾くピアノを遠くからでも感じ、それがまるで虹を出したような演奏だったことに胸を打たれたなのははさくらの元へ駆けつけ、「許してねさくらちゃん。信じていたはずなのに疑って不安にさせた。あのね、さくらちゃん、私も一緒にコンクール出たい」と決意を打ち明けます。
規定違反まで犯して自分に付き合ってくれるなのはに「どうして私なんかにそこまでしてくれるの…?」と問いかけるさくらですが、なのははその問いにカアアアと恥かしくなってしまい、思わず「――それは、誰よりもたいせつなともだちだもの」と答えます。

しかしさくらは「ともだち」という言葉になぜかショックを受けて涙まで流してしまい…。

さくらは幼い頃、うれしい気持ちも渦巻く怒りも全部ピアノにぶつけて弾いていて、それは先生には咎められてしまうものの、なのはには「せんせいよりすごい。わたし一番好き」と言ってくれた言葉が忘れられなくて、なのはのことを特別な存在に想うようになったんですね。

「ともだち」と言われたことも嬉しいどころか逆にショックで「ともだちじゃ全然足りないの。もっと繋がりたい。もっと知りたい。二度と離れられないほどその先へ行きたい。ねえなのは、こんなに想ってるなんてあなた知らないでしょ?」と思い詰めるほど、なのはのことが好きになってしまっていたのでした。さくらのなのはに対する溢れんばかりの気持ちの描写が熱い!

声楽科の女の子たちに比べて、自分らが地味でクラシックの話でも盛り上がらないことを不満に思うさくらの友達のピアノ科の女の子たちですが、さくらたちとは話も合って楽しく話を出来ることを「ええなあこういうの」と思い、さくらも嬉しく思うようになります。
匿名でコンクールに応募したことがばれてしまい、ピアノ科の子たちとも距離が生まれてしまいますが、逃げる2人を追いかけて、自分の気持ちを正直に伝えたところ、2人もわかってくれつつあるようですね。
応募したコンクールではなのはの声は合格点だったものの、さくらのピアノ演奏の癖が問題となり、皆の前で演奏することに。
審査を受けさせてもらうことになったのはいいけどさくらは緊張してガチガチ。
そんな相方のピンチを察してかけつけて、ピアノ演奏の舞台の裾で、歌を歌ってさくらを乗せてあげるなのはが優しいですね。
なのはの応援もあって、片思いの歌なのにまるで恋が実って両想いの歌になってしまったかのようなさくらの演奏に、審査員の先生も顔をしかめながらももう少し聞きたいとファイナリストの指輪を与えるのでした。

それを使って婚約指輪の交換みたいなことをやってるなのはとさくらが微笑ましい(笑)。
世界中を一緒に回ろうと誓い合ってくれたなのはに思わずさくらはかけよって髪に顔を埋め「なのは、大好きよ」と告白!
第1話から言いそうで言わなかった「好きなのは」の続きがついに出ましたね♪

そんなさくらになのはも「おかえしー!」と抱きつき、「私も大好きよ」と応えて、さくらもなのはと一緒なら、もう何もこわくないと思うのでした♪

第6話が良い感じで終わってたんですが、やはり単行本1巻もここまで収録されていましたね。次号コミックハイ7月号(森永みるく先生の漫画も入ってるコミハイです)でこのお話の続きが読めるんですが、なのは視点も描かれていくのか、両想いだと分かった2人の関係が今後どうなるのか、いろいろ気になりますね。

カバー下の書き下ろしでは、舞台になっている鶯坂音楽学校の制服や購買部で売っているものなどが解説されてるんですが、オリジナル制汗剤なんてのがあって、同じ種類の制汗剤と同じセッケン使って友達同士同じ香りにするのが流行っているなどという超萌える設定が!実際にこういうのが流行ってるところがあるのかどうかは分かりませんが、こういう発想が出てくるだけでもすごいですね(笑)。
ピアノなど楽器を弾く子の指先を暖めるため、ちょっと大きめのオリジナルカイロが売ってるなんて設定も、実際にありそうで面白いお話です。

表紙は…こんなにエロくなるとは思いませんでした(笑)。しかしさくらのなのはへの一途な思いが上手く表されてるイラストですね〜♪


こちらは雑誌の表紙を飾った時のイラスト。コミックハイ!で連載してたんですよね。なのでくちため目当てにコミハイをチェックしてた人は一度くらいは目にしたことがあるんじゃないかと思います。
ただ、くちためが連載されていた時に掲載されていた回は可憐ではあったもののあからさまにいちゃいちゃしたりするシーンは少なかったので、まだ話題にはなっていなかったかもしれません。なにせ一緒に載ってたのがくちためでしたからね。こちらに目を引かれてしまうのは仕方がない(笑)。
しかし!くちためと一緒に載っていなかった時の回がすごい情熱的で百合度もあって、これが良かったのですよ!
これを読んで読み直してみると、どの回も良かったのが改めて分かると思います。
雑誌で読んだことがある人も、是非単行本で通して読んでみてください。「悪戯ちょうちょ」ちょうちょうおすすめです♪


悪戯ちょうちょ(1) (綾瀬マナ)