かのじょなメイド(百合姫コミックス)(かねだなつみ)

百合度★★★★★(5.5)

オール描き下ろしの百合姫コミックスです。
作者さんは最近は「恋愛チェリーピンク」の顔になっている方で、今旬なティーンズラブ作家さんですね。

作者さんの作風からして、細かい理屈があって相手を好きになることが重要なお話ではなく、多分女子のありのままの可愛さで相手に惹かれていく百合作品になるんじゃ…と予想していたんですが、やはり期待した通りの内容でしたね♪
公式の紹介によると
両親の願いで超お嬢様学校へ通うことになった結子。
だが!!!!!! 結子のおうちは超貧乏…。
お父さん「学費以外は自分で稼げ、以上」
結子「えええええええええええええ!!!!!」
となりながらもバイトを探す結子。
『あれ、でもこの学校、バイト禁止でバレたら退学…』

途方に暮れる結子の前に現れたのがふわふわ天然美少女・のばらちゃん。
のばらちゃん「私のメイドにならない?」
超貧乏な結子が超金持ちなのばらちゃんの…
なんでも言うことを聞くメイドになって、
それを羨むライバル美少女も現れて、
二人のカンケイはどーなっちゃうの!?

初めての恋を丁寧に描いた、一冊まるごと描き下ろしのラブストーリー。
ノラさん節全開な紹介文が素敵なのでそのまま引用してます。できればこの調子で最後までノラさんにレビュー書いてほしいところなんですが(笑)そういうわけにもいかないので、きゃぴきゃぴ成分がなくなってがっかりする人も多いかと思いますが以下は私の文章です。(^^;

女子校だけどのばらちゃんは女生徒に人気があるため、一緒にいる結子は嫉妬で反感を買ってしまいますが、近寄ってくる女の子はみんなのばらちゃんの身分とお金目当てで取り入ってるだけなんで、陰では貧乏少女と付き合ってるのばらちゃんのことを悪く言っているのですが、そんな子たちにものばらちゃんは普段世話をしてくれている感謝の気持ちだと結子と一緒に作ったお花のストラップをあげて、いじわるな取りまき少女たちものばらちゃんと普通の友達として仲良しになれることになって良かったですね♪
その後家にお招きしたのばらちゃんは感謝の気持ちとして花とネックレスをプレゼントするのですが、それは恋人のしるしという意味もあり、それをもらった結子ものばらちゃんのことを小間使いとしてじゃなく気になることを告白、キスを交わして晴れて二人は結ばれるのでした♪

その後家の改築までプレゼントしようとするのばらちゃんがプレゼントが高価なものにエスカレートしていって不安に思った結子は思わずもらったペンダントも一時返してしまいますが、それがのばらちゃんが不器用な故な愛情の表現だと理解し、家の改築は断るもののネックレスはやっぱりもらい、欲しいのはのばらちゃん自身だとキスをまた交わし、のばらちゃんも跡がつくようなエロいキスを鎖骨にしてあげ2人はますますラブラブに♪

いったんペンダントを返すシーンとかお花のブローチを友達が貧乏くさいから捨てちゃおうとするシーンとか、萌えとかそういう意味じゃなくてきゅーんとしちゃいますね。作者さんが描く世界は優しいんで、その優しい気持ちが詰まってるプレゼントが冷たい扱いされてると印象に残ってしまいます。しかし後でそれらも最終的にはあげたい人の元に収まって、良かったなぁと心から思えますね。

「のばらちゃんが欲しい」と言って晴れて結ばれた2人は「くちづけは心のこたえあわせ」と思いつつ唾液が糸を引くほど濃厚なキスしてラブラブ♪

キスはさらにエスカレート。服を脱がないとわからないところにまでキスをしてしまうのばらちゃんが良いですね♪
バイトを始めた結子の後をつけてきたのばらはそこで昔結婚を誓い合った(!?)という女の子まこちゃんと再会してしまい、仕事がすんなりできないのばらちゃんへのフォローも巡って結子とまこちゃんは対立してしまいますがネックレスを追ってためらわずどぶをさらってしまう結子と、そんな彼女にネックレスなんかいいからと気遣うのばらちゃんを見てまこちゃんも自分の涙を流しつつ身を引くことを決意。結子ものばらちゃんを大事にするためには、時には厳しくすることも必要だということを学ぶのでした。

その後はまたさらにラブラブになって四六時中ちゅっちゅするようになった2人はクラスでもそのことをからかわれてしまうほど(笑)。
幸せに感じる一方、友達から聞いた飽きられてしまう日が来るんじゃないかという不安もあった結子は、キスをしばらく控えようと申し出たところのばらちゃんにあっさり了承されてしまい、なにやら自分を避けるようになったのばらちゃんが他の女の子とキスをしようとしていて結子の不安は爆発!
しかしこれはサプライズをしようとしていただけで、なんとのばらちゃんは誕生日プレゼントとしてドレスを着せて教会で結婚式&誓いのキス&記念撮影まで用意していたんですね。クラスメートたちに祝福されてるエンディングが美しい♪

ちょっと頼りないけど可愛い女子2人がちゅっちゅしつつ、自分たちの恋が確かなものになるよう成長していく様子が清々しい漫画でした♪

■表紙に映っているのがメイドのヒロインじゃなくてお嬢様の方だとは予想できなかった(笑)。背景には薔薇の花が咲いていますが、これは表紙の女の子が「のばら」ちゃんだからなんですかね(笑)。
手だけ見えてる(笑)ヒロインの全身図はカバー折り返しに映っているんですが、お互いそんなにめちゃくちゃ雰囲気が違うということもないんで、鏡見てるみたいで面白いですね。
百合にしろBLにしろ男女にしろ、ちょいエッチもありな作品って攻めと受けにきっちり分かれているとお話作りも簡単だと思うんですが、このお話はそういう区分が曖昧ですね。キスをしてくるのはのばらちゃんの方からだけどあれこれ教えてリードしてあげるのは結子の方という。どっちも微妙に攻めであり受けでもあります。これが一般TLだと勉強教えるのが男で、間違えたヒロインにHなお仕置きするのも男、女子はひたすら受けるだけというパターンなんですが(笑)。
これは意図的にそうしたというよりは、長年一般ティーンズラブ誌でお仕事をしてきた作者さんが、攻め=男、受け=女のパターンは得意でも、攻めの女の子キャラは描き慣れてないせいもあると思います。一般TL誌でS女×M男の組み合わせは需要も意外に少ないですし。
かねだなつみ先生も百合を描くのはこれがはじめてとのことですが、それはわかるような気がします。私もかねだなつみ先生が描く百合を読んでみたいなぁと思うことはあったものの、この方が同人などどこかで百合を描いてる様子は想像がつかなかったんですよね。なぜかというとやはり攻めの女子キャラを見たことがなかったから。一般TL誌で女の子を可愛く描いていて、百合もいけるんじゃないかと思う方もたくさんいるんですが、そういうTL作家さんが百合を実際に描く上で一番ネックになるのは、攻めの女子キャラが描けないから話を作りづらいということでしょうね。
しかし後書き(カバー下にあります)でかわいい女の子があんあん言ってる姿を描くのが楽しいと仰っている様子自体ある意味百合っぽいんですよね。一般TL誌で活躍されてる方もそういうタイプが多そうですし、潜在的に百合属性があるTL作家さんというのはかなり多い気がします。そのままでは使えないかもしれませんが、この辺の感情をうまく使えば百合作品を描くことは全然可能だと思いました。
ともあれ単に攻めの女子が攻めて受けの女子が受けるだけという単純な話にならなくて良かったですね。

あとがきによると百合漫画のお仕事の依頼を受けたのはなんと4年くらい前とのこと。田中琳先生と同じくらいの時期に話をもらったんでしょうね。他の連載もあったとのことですが、お話作りを考えること自体も多分難航されたんじゃないかと思います。
しかし怪我の功名と言いますか、少しずつじっくり考えたお話は、結果的にとても面白いものになりましたね。
かねだなつみ先生も一般TL誌で連載を続けているうちに技術が上がって良い作品も残し、知名度もあがって、TL作家としてもトップクラスの旬な作家さんになったところで百合ジャンルに来てくれて、こちらとしても嬉しい結果になりました(笑)。

あとがきで作者さんも感謝されてますが、こんな素敵な百合コミックスが出ることができたのも、四年も前からアプローチしつづけていた編集のノラさんの功績は大きかったんじゃないかと思います。
私好みの少女漫画百合単行本が読めて、私からも感謝!