女の子の設計図(紺野キタ)(ひらり、コミックス)


ひらり発、紺野キタ先生の傑作姉妹百合単行本は3月30日頃に発売!予想百合度は★5つです。
今年はこれを越える作品は現れますかね〜。今の時点ではちょっと思いつきません。それくらいレベル高い作品です。
商品ページの紹介によるとやはり「『wicca』、「百合姫」掲載作品『おんなのからだ』を収録」とのこと!
すごい作品が収録されますよ〜。
表紙が来ましたね。女の子二人の姿が全部見えているわけではないですが、花南が感じている青音ちゃんの匂いが漂ってくるような、強力な表紙ですね。

以下アンソロジー、雑誌掲載分の先行レビュー。単行本では青音ちゃんの髪の毛が黒くなります(笑)。

・「女の子の設計図」
「どうしても耐えられないものを切り捨てた。消去法の上に今私は立っている。限られた選択肢しか持ち得ないのだからしかたがないけれど」という冒頭のヒロインのモノローグでまず痺れる。人生を表していますね(笑)。
あと最終話のモノローグもすごいで是非実物買って読んでみてください…!
ヒロインは父親の再婚による生活の変化が合わず、産みの母親の家にやってきて、妹に再会。
新しい生活はなにもかも慣れないけれど、妹青音の優しさにだんだん心を開き始め、それどころか心を惹かれ始めてすらしまいます。

最初は女ばっかりみっちり詰まってる女子高を「女の園なんてゾっとする」などと言ってユーウツに感じていたお姉ちゃんの花南ですが、屈託無く接してきて、隙あらばお風呂にも一緒に入ろうとしてくる妹の青音の存在を心地よく感じ、最後には浮かれてしまうような展開が生々しくて良いですねー。

そういえば紺野キタ先生も妹さんがいらっしゃって、キスとかもしてきそうになる百合属性ありの方で、キタ先生はちょっと苦手そうに語っていたこともありましたっけ(笑)。
最後、背の高い妹の上目遣いの視線に悩殺されてしまう姉が最高(笑)。


ベタベタ抱きついてくる妹に言葉では「ウザ!」と返しつつも、赤くなって内心嬉しそうなおねえちゃんが可愛すぎる!妹が潜り込んできて朝顔が間近にあるシーンもドキドキ☆

さらに向かい合って抱き合って、おでこにもちゅー!
妹は自分を突き放すお姉ちゃんが拒絶してるのではないかと心配してますが、お姉ちゃんが照れて自分の気持ちを隠してるのに気付かないんですね。

重い教科書を全部学校で借りてしまう姉は相変わらず妹をいいように使ってる可愛い小悪魔ですが心境には変化が。お母さんが出張に行った際は姉から「デートしよっか?」と妹にお誘いを。
さらに家に帰ってからは「一緒に入る?」とお風呂も一緒に。

このシーンは個人的にすごい思い入れがありまして…単にエッチなシーンというだけではなく、仲の良くなった姉妹の暖かい交流が現れてるシーンですね。お姉ちゃんが妹に心を開ききったことにも感動!

しかしその後家を出て父親の元に戻ると言い出す姉は、妹のことが本当に好きになってしまったんですね。止めようと思っても止まらないほど妹のことが好き。人として壊れちゃっているから触っちゃだめと泣きながら訴える花南に、妹は自分からキスをして、自分も同じ気持ちなことを態度で示してあげるのでした。

「私たちってヴァンパイアみたい。陽のあたる所へ出たらいけないの」この台詞もしびれますね〜。私もヴァンパイアですよ、ええ(笑)。
キスのあとはセックスまでするのかどうか考えてしまって照れてる2人が可愛いですね。
姉妹で愛し合う自分たちに後ろめたさを感じ、陽の当たる場所に出てはいけない、神様にも罰されるかもしれないと思う2人ですが恋しい人が今は隣にいることは幸せだと感じ、おばあちゃんになっても2人で一緒に暮らしていこうと誓うのでした。
最高!最高!最高!最高の作品でした!

・「少年」
百合でこのタイトルというのがいきなりチャレンジングです(笑)。タイトルは少年ですが別に登場人物が少年っぽい風貌ということもなく、めちゃくちゃ女の子っぽいですね。特に葉山さんが一目惚れした際の音楽室で柔軟してる宮路の柔らかそうな体の曲線なんか女の子以外の何者でもありませんし(笑)。

あなたの中の少年に恋した…などと不思議な告白してきて、デートしながら緊張しまくりで苦しい…と上目遣いで自分を見る葉山さんに宮路もドキドキが止まらなくなってしまうのですが、無自覚なのかもしれないけれど結果的には天才的に誘惑しています(笑)。
そんな葉山さんの言い分だった少年の心云々もボタンを交換することで解決。改めて素の、恋する少女同士の心に戻ってキスを交わす2人なのでした。

・「おんなのからだ」
こちらは百合姫掲載作。こちらも収録されることが決まりました!
読んだことがある人なら知ってると思うけど、これもすごいですよ。
冒頭、朝チュンしてるヒロインが「指にまだお義姉さんの匂いが残ってる」とくんくん自分の指を嗅いで、それに対して激しく恥じらいながらも、差し出された指を咥えて受け入れてしまう義姉…どんだけエロいんですか!(笑)

紺野キタ先生は普通に一緒にいるだけで色っぽい雰囲気を漂わせることも出来るのに、こんな描写をされたらもうかないません(笑)。
その後、実際初めてエッチするシーンも描かれ、ラストでは男とも別れて公園で女性同士、誓いのキスをしてふたりだけの結婚式…ラブラブすぎる!
紺野キタ先生は百合好きにもネームバリューのある人ですから、多分編集部から無理に指示されてこういうエロティックなシーンを描いたというわけではないと思うんですよね。しかしこの描写…!紺野キタ先生は、私が思っていた以上に、(エロティックな方面でも)百合属性が強いお方なのだなぁと実感しました。

・「li'l flowers」
これはなんと「ひみつの階段」シリーズの実質的な続編。雑誌には不定期で連載されているんです。
ただ出版社が違うし、もうちょっと続くようだから収録は難しいかな〜。
公式サイトによると
「青春だの友情だの、そんな甘ったるいもの…」両親の仕事の都合で寄宿舎に入った朔。同室になった麻子のルーズな生活態度に我慢ならず、部屋替えを申し出るが……? ちょっぴりフシギな寄宿舎ストーリー!
女子同士の寄宿舎モノ。出版社が違うせいかはっきりとは書いてないのですが、制服も同じですし、実質的には「ひみつの階段」シリーズの続編と考えて良いでしょう。

両親の仕事の都合で寄宿舎に入った朔は、同室になった麻子(あだなはうさこ)が、ぬいぐるみを山ほど部屋に持ち込んできて整理がつかなくなって自分のベッドで寝ていたり散らかしすぎてるためにモノがなくなって夜中にガサゴソしているルーズな生活態度に我慢が出来ず、キツイことを言ってしまって、うさこは自分から部屋を代えてもらうように言ってその日以来うさこは朔の部屋から姿を消します。
翌日学校に登校した朔は、まわりの女生徒どころか先生までがうさこの姿に見えてしまうようになってびっくり。かろうじてうさこではない姿だった先生に助けを求め、そして自分の頭がうさこでいっぱいなことに気づき、「うさこ!」と名前を呼んで本物のうさこを見つけ出します。朔が困っていたのは、まわりの女生徒が全部うさこに見えてウザいということではなく、本物のうさこが見つけられないことだったんですね。
そして自分がうさこがいなくて寂しかったことに気づき涙まで流して話し合い和解。2人はまた一緒の部屋で暮らすことが出来るのでした。

「ひみつの階段」であること同様、「百合」であることも明記されてはいない…というかむしろそうではないと作者さんは言いそうな感じではあるんですが、でも普通の百合作品以上に女子同士互いに相手に惹かれあう様子が強く描かれていましたね。相変わらず名作でした。

・「wicca」
こちらはWINGSに掲載されていた作品。出版社が同じだから多分掲載…されるかな?なかなかすごいお話ですよ。
教室で自分をじっと見つめてくる女子みずほにウザいから消えてと言うヒロイン春名ですが、じゃあ消すと言われ逆に自分の取り巻きの女子たちを消され、みずほと2人きりの空間に入れられてしまいます。
みずほのことをウザいからといじめていて、結果的に自殺までさせてしまった春名ですが、そんな行為をするようになったのはみずほが男と付き合うようになって自分より男を取ったことが許せなかったからなのでした。
しかしみずほは春名のことを抱きしめてあげて、幽霊になった後もずっと春名の側にいて見守ってあげ続け、春名もうざいと言いながらも彼女が側にいてくれるのに安心しているようなのでした。
紺野キタ先生怖い百合書くなぁ(笑)。

■どの作品も、紺野キタ先生天才すぎる…と思わずにはいられない作品集でした(笑)。

百合好きにとって紺野キタ先生と言えば、10数年前に一世を風靡した「ひみつの階段」が好きだという人が多いと思います。私もネットで情報を集める前から、この本を見つけてぱらぱら読んだだけでビビっときて、直感で購入して愛読してはいたんですが、ただ正直私はその時は特に百合としてこの作品を読んでいたわけではなかったんですよね。後に百合好きの作るファンサイトがたくさんあって、ようやく百合好きの間で好評な作品だということを気づいて、へええそうなのか〜と思ったくらいで。「ひみつの階段」は好きな作品ではあったんですが、やっぱり元々は百合作品としては読んでなかった気がします。作品としても妄想の題材としても最高な作品なのは間違いないですけどね。
しかしこの「女の子の設計図」を始め、ここ数年で紺野キタ先生が発表している作品は紛うこと無き百合作品!甘い時の破壊力も抜群ですが、それ以上のものもある!
紺野キタ先生は過去の作品群もすごいので評価が高いですけど、それでも今がピークの作家さんと言っても過言ではないのではないでしょうか。素晴らしい。とにかく出す作品出す作品どれも素晴らしい。今紺野キタ先生の作品が読めるファンは幸せですよ。今は百合好きにとって良い時代だなぁということも実感させてくれる作家さんですね。

cotton新装版には百合姫掲載の「Under the Rose」が収録されています。
「知る辺の道」の紹介はこちら。
(収録作の「天使のはしご」は今でもよく読み返しています。何度読んでも泣ける…。名作ですね)
「Dark Seed」(紺野キタ)の紹介はこちら。