少女惑星 (百合姫コミックス) 柏原 麻実


柏原麻実先生の初百合姫コミックスは3月18日発売!予想百合度は★5つです。

表紙、ラブラブなカップルも良いですがぽつんと立ってる律花が切ない…。

柏原麻実先生と言えば「宙のまにまに」で(ちなみに「宙のまにまに」にもちょっとだけ百合要素があります…笑)、商業では百合以外の作品の方が成功することが多いのが不思議な方なんですが、ご本人も百合属性は申し分ないですし、今回こそ百合作品で成功するかも…!
良質の百合作品が揃っています♪

以下百合姫掲載分のレビュー。
・「花火が消えないうちに」
幼なじみの夏海のことを高校になってからも大好きなヒロインみどり。夏海がだんだん色っぽくなって、みどりが黒い壁のようだと怖く思ってる男子とも親しげに話してるのを見て、さらに自分が夏海と親しくしているのを馬鹿にしてくる女子高津もいたりして、周りが色めきっているのに対して自分が子供扱いされてしまってぐぬぬと思ってしまっていたところ、夏海が男となにやら示し合わせているのを見て自分が一緒に花火を見に行く予定だった約束を破られたと思い「うそつき!」」と夏海に怒鳴りつけ一人泣いていたのですが、本当は夏海はみどりの好きなおもちゃをあげようとしていただけで本当はみどりのことが好きで、花火の日も一緒に見てこっそりキスも交わしてラブラブなのでした。


・「白線」
運動神経が良くて女子にもモテモテなヒロインりっちゃんはボーイッシュな外見そのままにほんとに女の子が好きな子だったんだけど、真剣に女の子に付き合おうとするといつも相手が引いてしまって悲しい思いをしていた。そんな彼女の前に表れたのは男の子が怖いからと電車にも乗れない千晴。電車で守ってあげたりするうちに特別に親しい仲になっていくりっちゃんだったが、ある日彼女に告白してくる男子が現れ、千晴も彼にだけは悪い気がしなくて…。

最後切ないですが、すごく印象に残った作品です。
やっぱりビターな感じもいれるとかなり良いですねー。古くからある少女漫画的な悲恋を今の作風で描いているのが新鮮。

・「火の女王様と嘆きの下女」
「花火が消えないうちに」にも登場してたいじわるな高津さんのお話。

幼い時病弱なせいで孤独だったところを声をかけてくれたきみちゃんをヒロインちかはずっとお姫様のように思って慕っていた。しかし学校で会ったきみちゃんは仲の良かった女子同士を次々引き裂くいじめっこで、戸惑うちか。きみちゃんは嫉妬しぃの女の子で本当は孤独だったのだけど、ちかが寂しい気持ちをわかってあげて、ちかがずっと側にいてほしいという気持ちも受け入れ抱きしめてあげ、お互い不器用だった2人は凍えることもなく暖かい気持ちになることが出来るのでした。寒い季節のお話にして、冷たさと暖かさの対比を描いてるのが上手い。

・「少女惑星」
前半の、憧れの由美浜先輩にアタックしていくモクちゃんのテンション高けえ(笑)。
しかし由美浜先輩が他の先輩とキスをしているのを見てショックを受けてしまうモクちゃんは、憧れの先輩が他の人とデキてたということ以外にも、女子同士でキスをしていたという事実にショックを受けている自分にも戸惑います。自分が夢見心地で憧れていただけで、実際に女子同士付き合うとはどういうことか考えていなかったことに気づいたモクちゃんはそれまでとは逆に、急に臆病になって先輩の前に出れなくなってしまいます。しかし友達のあーちゃんにアドバイスを受け、自分の自慢の動画を使うことで、先輩と自分の愛のメモリーを披露することで、気持ちが吹っ切れることが出来たのでした。女子同士で付き合っていることを知られるのが怖かったのは由美浜先輩も同じ。そんな先輩とじっくり語り合うことが出来、祝福することが出来てモクちゃんはまたともに輝ける人を見つけようと前向きになることが出来るのでした。
う〜むカシマミ先生渾身の作品ですね。今までの中でも特に良かったです。良かった作品が、最終的に結ばれないお話ばかりなのが不思議ですが(笑)、暗いエンドではなく前向きなエンドで良かったですね。

・「雪の妖精」
体が弱くてクラスに馴染めないヒロインが、転校してきた女の子と仲良くなれて、自分だけの友達が出来たと思うものの、次に会った時はもう転校生は回りに馴染んでいて、自分から離れて行ってしまった…と寂しく思い、きっといじめられてる自分と仲良くしてると自分までいじめられてしまうだろうから嫌がるだろうと、自分から身を引くヒロインですが、転校生は後を追ってやってきてくれて、雪の妖精のように見えた彼女は生身の体で抱きしめてくれるのでした。

しんみり良い感じですね〜。

・「フォーチュン・リング」
この作品は出るはずだった百合天国3巻のために用意したネタらしいです。
髪を脱色してるのではないかと先生に注意されていたところを助けてもらったことから、ミサンガつけてる水泳部の先輩に恋心を抱く後輩の少女の話。

ヒロイン達の競泳水着姿も色っぽいです♪
先輩を思う余り、まるで鎖で縛られたように気持ちががんじがらめになってしまうヒロイン。
先輩のつけてるリングが誰のリングなのか気になって、「どんな、どんな人…っ」と直接聞いてしまう展開はびっくりするほどヒロインが切羽詰ってるのが分かりますね。
しかしもちろん先輩が教えてくれるわけはなく、ヒロインは無様な姿を見せながら失恋に気付く展開が切ない。

この作品はぱいんさんが担当です。
ピュアな百合作品集ですよね。意外と悲恋が多いんですけど、ドロドロしたり暗かったりしたりはしてなくて、悲恋とは感じさせない読後感の良い作品になってるのが上手いですね。

この方は百合姫S創刊号に一度参加されていましたがそれ以外にも「カシマミ」名義で「百合天国」1巻と、2巻、「舞-HiME」アンソロジーに静留×なつき漫画を描いたりされていましたし、百合漫画を商業でも描きたそうな感じはずっと前からありましたよね。


今度こそ、他のジャンルではなく百合ジャンルでカシマミ先生がブレイクするかも…?是非成功してほしいですね〜。