2009年11月17日
文楽錦秋公演
2009年11月17日(火)
今日は冷たい雨の日になりました。
皆様、お元気ですか?
昨日は桂さんと、国立文楽劇場にて、文楽錦秋公演『芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)』を鑑賞してきました。
平安時代、天文や占いに秀で、朝廷を中心に広く活躍した陰陽博士・安倍晴明が、父の安倍保名と、信太森(現在の和泉市)の白狐との間に
生まれたといわれる“信田妻伝説”を竹田出雲が脚色した時代物です。
1734年、竹本座にて初演。
人形の三人遣いが、この作品で創始されたといわれる、文楽のエポックメーキングと言える作品だそうです。
葛の葉と保名の間に生まれた幼子との恩愛を描いた「葛の葉子別れの段」の内容は、何となく知ってましたが、そこに至る経緯も初めて鑑賞でき、またその「子別れの段」は、嶋大夫さんの隅々まで情のこもった細やかな語りに、葛の葉の悲しみが胸に刻まれる思いがしました。
「もう、いかに頑張っても私はこんなもんやろぅなあ〜。もう努力は止めて、後は楽して生きる事考えよ〜」
ついつい頭をもたげて来る、そのような怠け心が、嶋大夫さんの渾身の芸を聞かせていただくと、ふっ飛ばされます。
60余年たゆまず積み重ねて来られた芸には、どうあがいたって足元にも及ぶ事はできませんが、今も毎日、芸と真正面からがっぷり四つに組んで精進に勤めてらっしゃるお姿に接しますと、ほんのポッチリでも、死ぬまでに、私の中で、私自身の芸に進歩が見られたら、どんなにか嬉しいことでしょう!!心に届く音が一音でも、声が一声ども出せたら、どんなにか幸せでしょう〜〜という想いが沸き上がります。
また今日から頑張る元気をいただきました。
《芦屋道満大内鑑》
・大内の段
豊竹希大夫、豊竹靖大夫、豊竹呂茂大夫、豊竹芳穂大夫
野澤錦吾、鶴澤清公、鶴澤寛太郎、豊澤龍爾
床の上方の御簾うちで、交替での語りと三味線。
・加茂館の段
口 豊竹咲甫大夫、竹澤団吾
奥 竹本千歳大夫、鶴澤清介
千歳大夫さん、今回は押さえ気味で深みを感じました。
・保名物狂の段
口 豊竹芳甫大夫、鶴澤清馗
奥 竹本津駒大夫、ツレ豊竹つばさ大夫、鶴澤寛治、ツレ鶴澤寛太郎
タテとツレの、次から次へと瞬時にされる、受け継ぎの見事さ!
息をもつかせぬ、とはこの事ですね。
つばさ大夫さん、寛太郎さん、お若い二人のひたむきな姿勢に感動しました。
・葛の葉子別れの段
中 豊竹英大夫、竹澤団七
切 豊竹嶋大夫、鶴澤清友
文楽を続けて見ていて解った事の一つ。
若い頃から積み重ねて積み重ねて、50、60でやっと入口。75才ぐらいからやっとホンマモン!!
『ことば』がこんなに『ちから』があるものなのか、と嶋大夫さんを聴かせていただくと驚嘆します。
「抱きしめて、エェェ、エェ〜、エェェ〜」と伸びる「エェ」の中に、「葛の葉は哀しい」と幾つ言葉を連ねても伝え切れない葛の葉の哀切が込められており、翻って『袖の露』の「うらめし」で「ウ」を延々と伸ばすところにどれだけ恨めしさを込めているか、激しく自省します。
・蘭菊の乱れ
豊竹呂勢大夫、竹本津国大夫、豊竹睦大夫、竹本相子大夫、豊竹呂茂大夫、豊竹希大夫
鶴澤清治、鶴澤清志郎、鶴澤清丈、鶴澤寛太郎、鶴澤清公
夫や子と別れた葛の葉が咲き乱れる菊の花の中を歩む「蘭
菊の乱れ」は、大阪では25年ぶりの上演との事です。
吉田文雀さん遣われる葛の葉の人形、顔が狐の顔から人の顔に早変わりしました。
今日は冷たい雨の日になりました。
皆様、お元気ですか?
昨日は桂さんと、国立文楽劇場にて、文楽錦秋公演『芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)』を鑑賞してきました。
平安時代、天文や占いに秀で、朝廷を中心に広く活躍した陰陽博士・安倍晴明が、父の安倍保名と、信太森(現在の和泉市)の白狐との間に
生まれたといわれる“信田妻伝説”を竹田出雲が脚色した時代物です。
1734年、竹本座にて初演。
人形の三人遣いが、この作品で創始されたといわれる、文楽のエポックメーキングと言える作品だそうです。
葛の葉と保名の間に生まれた幼子との恩愛を描いた「葛の葉子別れの段」の内容は、何となく知ってましたが、そこに至る経緯も初めて鑑賞でき、またその「子別れの段」は、嶋大夫さんの隅々まで情のこもった細やかな語りに、葛の葉の悲しみが胸に刻まれる思いがしました。
「もう、いかに頑張っても私はこんなもんやろぅなあ〜。もう努力は止めて、後は楽して生きる事考えよ〜」
ついつい頭をもたげて来る、そのような怠け心が、嶋大夫さんの渾身の芸を聞かせていただくと、ふっ飛ばされます。
60余年たゆまず積み重ねて来られた芸には、どうあがいたって足元にも及ぶ事はできませんが、今も毎日、芸と真正面からがっぷり四つに組んで精進に勤めてらっしゃるお姿に接しますと、ほんのポッチリでも、死ぬまでに、私の中で、私自身の芸に進歩が見られたら、どんなにか嬉しいことでしょう!!心に届く音が一音でも、声が一声ども出せたら、どんなにか幸せでしょう〜〜という想いが沸き上がります。
また今日から頑張る元気をいただきました。
《芦屋道満大内鑑》
・大内の段
豊竹希大夫、豊竹靖大夫、豊竹呂茂大夫、豊竹芳穂大夫
野澤錦吾、鶴澤清公、鶴澤寛太郎、豊澤龍爾
床の上方の御簾うちで、交替での語りと三味線。
・加茂館の段
口 豊竹咲甫大夫、竹澤団吾
奥 竹本千歳大夫、鶴澤清介
千歳大夫さん、今回は押さえ気味で深みを感じました。
・保名物狂の段
口 豊竹芳甫大夫、鶴澤清馗
奥 竹本津駒大夫、ツレ豊竹つばさ大夫、鶴澤寛治、ツレ鶴澤寛太郎
タテとツレの、次から次へと瞬時にされる、受け継ぎの見事さ!
息をもつかせぬ、とはこの事ですね。
つばさ大夫さん、寛太郎さん、お若い二人のひたむきな姿勢に感動しました。
・葛の葉子別れの段
中 豊竹英大夫、竹澤団七
切 豊竹嶋大夫、鶴澤清友
文楽を続けて見ていて解った事の一つ。
若い頃から積み重ねて積み重ねて、50、60でやっと入口。75才ぐらいからやっとホンマモン!!
『ことば』がこんなに『ちから』があるものなのか、と嶋大夫さんを聴かせていただくと驚嘆します。
「抱きしめて、エェェ、エェ〜、エェェ〜」と伸びる「エェ」の中に、「葛の葉は哀しい」と幾つ言葉を連ねても伝え切れない葛の葉の哀切が込められており、翻って『袖の露』の「うらめし」で「ウ」を延々と伸ばすところにどれだけ恨めしさを込めているか、激しく自省します。
・蘭菊の乱れ
豊竹呂勢大夫、竹本津国大夫、豊竹睦大夫、竹本相子大夫、豊竹呂茂大夫、豊竹希大夫
鶴澤清治、鶴澤清志郎、鶴澤清丈、鶴澤寛太郎、鶴澤清公
夫や子と別れた葛の葉が咲き乱れる菊の花の中を歩む「蘭
菊の乱れ」は、大阪では25年ぶりの上演との事です。
吉田文雀さん遣われる葛の葉の人形、顔が狐の顔から人の顔に早変わりしました。
2009年11月05日
正倉院展
2009年11月5日(木)
桂さんと、奈良国立博物館で開催中の正倉院展に行ってきました。
精緻な細工を施した、琵琶、碁盤、箱、鏡、皿等、贅を尽くした工芸品の数々、夥しい文字が几帳面に列ぶ写経の巻物等々。
1200年前の物を現在(いま)見ているのだと思ったら、感動で胸が震えました。
1200年の時を経て、当時の輝きそのままに、平成の庶民が大勢こうして詰めかけて目にしているなんて、これらの品々の作製に携わった工人達、写経生達は1200年前、夢にも想わなかった事ですわね。
これぞ人間ならではの営み!!
私たちの音楽も、こういう形には残らないけれど、人から人へ、時を超え、国を超え、伝え伝えたものを受け継いで、只今享受しているわけで、私自身、歴史という大河の一粒子としてここに在ると、改めて思ったことでした。
春日大社から興福寺へと、色づき始めた秋の奈良公園を散策しました。
鹿達も、何百年も受け継いできたヒトとの共存の歴史がDNAにしっかり刻まれてますねん〜と言わんばかりの顔付きで、あちこちでくつろいでおりました。
桂さんと、奈良国立博物館で開催中の正倉院展に行ってきました。
精緻な細工を施した、琵琶、碁盤、箱、鏡、皿等、贅を尽くした工芸品の数々、夥しい文字が几帳面に列ぶ写経の巻物等々。
1200年前の物を現在(いま)見ているのだと思ったら、感動で胸が震えました。
1200年の時を経て、当時の輝きそのままに、平成の庶民が大勢こうして詰めかけて目にしているなんて、これらの品々の作製に携わった工人達、写経生達は1200年前、夢にも想わなかった事ですわね。
これぞ人間ならではの営み!!
私たちの音楽も、こういう形には残らないけれど、人から人へ、時を超え、国を超え、伝え伝えたものを受け継いで、只今享受しているわけで、私自身、歴史という大河の一粒子としてここに在ると、改めて思ったことでした。
春日大社から興福寺へと、色づき始めた秋の奈良公園を散策しました。
鹿達も、何百年も受け継いできたヒトとの共存の歴史がDNAにしっかり刻まれてますねん〜と言わんばかりの顔付きで、あちこちでくつろいでおりました。
2009年10月27日
カリンカリンのコリンコリン
2009年10月27日(火)
お箏や三味線を弾いていると、肩凝りが付き物で、月に2回程、定期的に指圧にかかってほぐしてもらいます。
本番を終えて、この度は一段とカリンカリンのコリンコリン!!
特に心臓を守ろうとばかりに、心臓の周りが硬〜〜くなってたそうで、指圧の先生、大奮闘にご苦労掛けました。
かほど左樣に、心臓縮み上がって、舞台に乗っている訳であります。
舞台は、ただ練習しているだけより幾層倍の勉強をさせていただけます。
それは、聴きに会場へ足を運んで下さっているお客様の力を頂いて、勉強させていただいている訳ですのに、文楽や歌舞伎や落語に足を運ぶようになって思うのは、どうも私たちの分野では、自分の勉強に熱心で、仲間うちの評価には敏感なんですが、舞台人としての意識がどうも薄いのではないか、という事です。
私は、お客様が元気になれるような演奏がしたいと思います。
その為には、先ず私自身が元気溌剌でないといけませんね!!
お箏や三味線を弾いていると、肩凝りが付き物で、月に2回程、定期的に指圧にかかってほぐしてもらいます。
本番を終えて、この度は一段とカリンカリンのコリンコリン!!
特に心臓を守ろうとばかりに、心臓の周りが硬〜〜くなってたそうで、指圧の先生、大奮闘にご苦労掛けました。
かほど左樣に、心臓縮み上がって、舞台に乗っている訳であります。
舞台は、ただ練習しているだけより幾層倍の勉強をさせていただけます。
それは、聴きに会場へ足を運んで下さっているお客様の力を頂いて、勉強させていただいている訳ですのに、文楽や歌舞伎や落語に足を運ぶようになって思うのは、どうも私たちの分野では、自分の勉強に熱心で、仲間うちの評価には敏感なんですが、舞台人としての意識がどうも薄いのではないか、という事です。
私は、お客様が元気になれるような演奏がしたいと思います。
その為には、先ず私自身が元気溌剌でないといけませんね!!
2009年10月20日
三年先の稽古
2009年10月20日(火)
相撲に「三年先の稽古」という言葉があるそうです。
明日の取り組みに勝つために、あるいは目の前の来場所の為に稽古するのでなく、3年先の為の稽古を心掛けよ、という事です。
落語家の柳家小三治さんが著書の中で取り上げていらして、「寿命の短い相撲取りが三年てぇんだから、落語やる人間は20年30年先を見て稽古しなきゃいけない」と述べておられます。
箏三味線の、この道も然り。
特に三味線は、私にとりましてはとてもとても難しく、音程、音色、、あぁ〜とても目の前の会には間に合わないわ〜と、絶望感に襲われながら練習しています。
でもこつこつ練習を積み上げていく事が、必ず10年後20年後に報いられると思うのです。
って訳で、まだまだ下手くそですけれど、現在(いま)の私の精一杯で、今西真智子さんの素敵な『花の旅』の、替手のお三味線を弾かせていただきます。
『京都三曲協会第20回記念三曲鑑賞会』
10月24日(今週土曜日)
京都府立文化芸術会館
6時半開演
4曲目に出演
10年後の音を重ねて聴いて頂けると有り難いです。
相撲に「三年先の稽古」という言葉があるそうです。
明日の取り組みに勝つために、あるいは目の前の来場所の為に稽古するのでなく、3年先の為の稽古を心掛けよ、という事です。
落語家の柳家小三治さんが著書の中で取り上げていらして、「寿命の短い相撲取りが三年てぇんだから、落語やる人間は20年30年先を見て稽古しなきゃいけない」と述べておられます。
箏三味線の、この道も然り。
特に三味線は、私にとりましてはとてもとても難しく、音程、音色、、あぁ〜とても目の前の会には間に合わないわ〜と、絶望感に襲われながら練習しています。
でもこつこつ練習を積み上げていく事が、必ず10年後20年後に報いられると思うのです。
って訳で、まだまだ下手くそですけれど、現在(いま)の私の精一杯で、今西真智子さんの素敵な『花の旅』の、替手のお三味線を弾かせていただきます。
『京都三曲協会第20回記念三曲鑑賞会』
10月24日(今週土曜日)
京都府立文化芸術会館
6時半開演
4曲目に出演
10年後の音を重ねて聴いて頂けると有り難いです。
2009年10月06日
文楽地方巡業京都公演昼の部
2009年10月6日(火)
この日曜日、文楽地方巡業京都公演昼の部を鑑賞しました。
10月4日11時半開演
京都府立文化芸術会館
チケットを取る時に「三味線と語りを勉強させていただきたいので床のよく見える席を」とお願いしましたら、本当に程あいの、いいお席を頂きました。
「解説」 吉田幸助
開演に先立ち、文楽の歴史と、本日の演目を人形とともに、ユーモアを交えて解説
「卅三間堂棟由来」
『平太郎住家より木遣音頭の段』
中 豊竹芳穂大夫、三味線 鶴澤清丈
芳穂大夫さん、美声。
清丈さんの真剣なまなざしが印象的。
奥 豊竹呂勢大夫、三味線 鶴澤清治
三味線が鳴り出し、語り始められるまでの間、呂勢大夫さんの黒紋付の胸元が大きく波打っているのが、席からよく見えて、これからクライマックスを語ろうという高揚感か、はたまた鶴澤清治さんという凄い方を相手に語る緊張感か、私も手に汗握って聴かせていただきました。
呂勢大夫さん、長い浄瑠璃を心を込めて語られて、お柳の独白、みどり丸が柳を引く場面では胸に迫りました。
清治さんの、ひと撥毎に唸り声が入る程の力の入った三味線に支えられ、語り終えられて頭を下げた時の呂勢大夫さんのお顔も、私の席からよく見えましたが、そのお顔が清々しかったので、あぁ持てる力を精一杯出すことが出来たんやなあ〜と嬉しくなりました。
通らしき隣の座席の年配の男性の方が、「呂勢大夫は力み過ぎやな」とおっしゃり、そのまた隣の女性が「若さやなぁ」と言われました。
芸というのは誠に深く、まだまだ山あり谷あり、遠い遠い道を、皆さん歩いてらっしゃるんですね。
木遣り音頭で先ず力強く弾かれた旋律と同じ旋律が、みどり丸が柳を引くところでは、哀切を込めてゆっくり弾かれ、心に泌みました。
ゆっくり弾かれる時に7のツボを必ず6からスリ下ろすのが、哀切感をさらに高めておりましたが、清治さんの工夫でしょうか、いつでも誰でもそうされるのでしょうか、成る程と、勉強になりました。
「襲名披露口上」
床に吉田清之助改め豊松清十郎さんを真ん中に吉田簑助さん、桐竹勘十郎さんが並ばれ、呂勢大夫さんの仕切りでご挨拶がありました。
「本朝廿四孝」
『十種香の段』
切 豊竹嶋大夫、三味線 竹澤宗助
「嶋大夫!!」と幾つも掛け声が掛かりました。
掛けるタイミングが判れば私も掛けたいものです。
『奥庭狐火の段』
豊竹睦大夫、三味線 鶴澤清志郎、ツレ 鶴澤清馗、琴 鶴澤寛太郎
立体感に満ちた舞台で、八重垣姫の想いが、舞台に舞う狐達の躍動に現れ、耳にも目にも楽しく、大変な満足感をお土産に頂きました。
この日曜日、文楽地方巡業京都公演昼の部を鑑賞しました。
10月4日11時半開演
京都府立文化芸術会館
チケットを取る時に「三味線と語りを勉強させていただきたいので床のよく見える席を」とお願いしましたら、本当に程あいの、いいお席を頂きました。
「解説」 吉田幸助
開演に先立ち、文楽の歴史と、本日の演目を人形とともに、ユーモアを交えて解説
「卅三間堂棟由来」
『平太郎住家より木遣音頭の段』
中 豊竹芳穂大夫、三味線 鶴澤清丈
芳穂大夫さん、美声。
清丈さんの真剣なまなざしが印象的。
奥 豊竹呂勢大夫、三味線 鶴澤清治
三味線が鳴り出し、語り始められるまでの間、呂勢大夫さんの黒紋付の胸元が大きく波打っているのが、席からよく見えて、これからクライマックスを語ろうという高揚感か、はたまた鶴澤清治さんという凄い方を相手に語る緊張感か、私も手に汗握って聴かせていただきました。
呂勢大夫さん、長い浄瑠璃を心を込めて語られて、お柳の独白、みどり丸が柳を引く場面では胸に迫りました。
清治さんの、ひと撥毎に唸り声が入る程の力の入った三味線に支えられ、語り終えられて頭を下げた時の呂勢大夫さんのお顔も、私の席からよく見えましたが、そのお顔が清々しかったので、あぁ持てる力を精一杯出すことが出来たんやなあ〜と嬉しくなりました。
通らしき隣の座席の年配の男性の方が、「呂勢大夫は力み過ぎやな」とおっしゃり、そのまた隣の女性が「若さやなぁ」と言われました。
芸というのは誠に深く、まだまだ山あり谷あり、遠い遠い道を、皆さん歩いてらっしゃるんですね。
木遣り音頭で先ず力強く弾かれた旋律と同じ旋律が、みどり丸が柳を引くところでは、哀切を込めてゆっくり弾かれ、心に泌みました。
ゆっくり弾かれる時に7のツボを必ず6からスリ下ろすのが、哀切感をさらに高めておりましたが、清治さんの工夫でしょうか、いつでも誰でもそうされるのでしょうか、成る程と、勉強になりました。
「襲名披露口上」
床に吉田清之助改め豊松清十郎さんを真ん中に吉田簑助さん、桐竹勘十郎さんが並ばれ、呂勢大夫さんの仕切りでご挨拶がありました。
「本朝廿四孝」
『十種香の段』
切 豊竹嶋大夫、三味線 竹澤宗助
「嶋大夫!!」と幾つも掛け声が掛かりました。
掛けるタイミングが判れば私も掛けたいものです。
『奥庭狐火の段』
豊竹睦大夫、三味線 鶴澤清志郎、ツレ 鶴澤清馗、琴 鶴澤寛太郎
立体感に満ちた舞台で、八重垣姫の想いが、舞台に舞う狐達の躍動に現れ、耳にも目にも楽しく、大変な満足感をお土産に頂きました。
2009年09月23日
居場所
2009年9月23日(水・祝)
秋の大型連休、皆様はいかがお過ごしでしたか?
連休初日の19日土曜日、大阪の国立文楽劇場大ホールでありました「正派阪神地区第31回箏曲演奏会」に行ってまいりました。
大ホールいっぱいの盛況で、お家元もご出演で、各舞台、それぞれ輝いておられました。
正派家元の中島靖子先生は、雑誌などにちょこっと寄せられる短い文章にも、お心がこもっていて、いつも感銘を受けるのですが、今回のプログラムの「ごあいさつ」の文章も、心に残りましたので、転載させていただきます。
『〜〜平素、それぞれの師匠の許でお稽古を受けております門人達にとりましては、この大きな舞台は晴れの場所。また師匠たちにとりましては、自らの音楽観、姿勢、指導法などのすべてをたくさんの方々に聴いていただける大切な機会でございます。
日本の伝統楽器、日本の伝統音楽に出会い、それに励んで身につけていることの幸せを、人生さまざまな年代でフッと自覚することがあるもので、私は今、八十路に入って、楽しんで奏いているこの楽器との出会いに、心から感謝するようになりました。箏という楽器との出会いが、今回出演する会員それぞれの人生においても、何かの支えになってくれればと願います。〜〜』
80年、箏の家に生きて来られた靖子先生のお言葉は、本当に深いですね。
私は子育ての為、30代の10年程まったく箏から遠ざかり(何せ、もう一生弾かないって思ってましたから)、また再び様々なご縁で演奏活動の道を歩み始めた長崎で、ある日、二十五絃箏で、夫の作曲した『長崎組曲』を練習していた時に、「あ〜〜此処に私の居場所がある〜!!」と思いました。
四十も半ばになっていた、その時から、私は初めて『人生』というものを改めて生き出した気がするのです。
(だから数えてみれば私は、精神年齢はまだ15才の高校生?、、笑)
それから、私はこの『居場所』において、いろんな有り難い出会いをいただき続けています。
いいこと、嬉しいことばかりでなく、つらい事、悲しい事、いろいろあります。
自分も含め、いろんな人の、良い面、美しい面、醜い面、、、いろいろに、少しは逃げることなく直面できるようになりました。
それまでの40数年、いろいろ経験した筈ですが、現在(いま)歩んでいるこの道で、やっと遭遇することを目を見開いて見据え、清濁相飲んで、なんとか我が栄養、滋養として、歩を進めている気がします。
『居場所』を発見できるまで、生きていて良かった♪って思います。
その後も、手術をして初めて『健康』という状態を知った50才の時、伝統芸能に携わるという事について、少し理解し始めた54才の時、、その時その時、生きてて良かった♪って、ホントに思いました。
若くしてしっかり自分の世界と世の中を対峙させているアーティストやアスリートの皆さんは、ホントに凄いな、とまぶしく感嘆します。
若い頃から、そういうしっかりした日々を重ねて来られたであろう靖子先生が、八十路に入って、また新たな境地が開けたとおっしゃるのです。
しんどい事もあるけれど、一つひとつの『縁』を大切に、柔らかいこころを持って、生きてさえいれば、神様は、人それぞれに、人生のターニングポイントを、マラソンの給水地点を、癒しのオアシスを、必ず用意して下さってるんですね。
秋の大型連休、皆様はいかがお過ごしでしたか?
連休初日の19日土曜日、大阪の国立文楽劇場大ホールでありました「正派阪神地区第31回箏曲演奏会」に行ってまいりました。
大ホールいっぱいの盛況で、お家元もご出演で、各舞台、それぞれ輝いておられました。
正派家元の中島靖子先生は、雑誌などにちょこっと寄せられる短い文章にも、お心がこもっていて、いつも感銘を受けるのですが、今回のプログラムの「ごあいさつ」の文章も、心に残りましたので、転載させていただきます。
『〜〜平素、それぞれの師匠の許でお稽古を受けております門人達にとりましては、この大きな舞台は晴れの場所。また師匠たちにとりましては、自らの音楽観、姿勢、指導法などのすべてをたくさんの方々に聴いていただける大切な機会でございます。
日本の伝統楽器、日本の伝統音楽に出会い、それに励んで身につけていることの幸せを、人生さまざまな年代でフッと自覚することがあるもので、私は今、八十路に入って、楽しんで奏いているこの楽器との出会いに、心から感謝するようになりました。箏という楽器との出会いが、今回出演する会員それぞれの人生においても、何かの支えになってくれればと願います。〜〜』
80年、箏の家に生きて来られた靖子先生のお言葉は、本当に深いですね。
私は子育ての為、30代の10年程まったく箏から遠ざかり(何せ、もう一生弾かないって思ってましたから)、また再び様々なご縁で演奏活動の道を歩み始めた長崎で、ある日、二十五絃箏で、夫の作曲した『長崎組曲』を練習していた時に、「あ〜〜此処に私の居場所がある〜!!」と思いました。
四十も半ばになっていた、その時から、私は初めて『人生』というものを改めて生き出した気がするのです。
(だから数えてみれば私は、精神年齢はまだ15才の高校生?、、笑)
それから、私はこの『居場所』において、いろんな有り難い出会いをいただき続けています。
いいこと、嬉しいことばかりでなく、つらい事、悲しい事、いろいろあります。
自分も含め、いろんな人の、良い面、美しい面、醜い面、、、いろいろに、少しは逃げることなく直面できるようになりました。
それまでの40数年、いろいろ経験した筈ですが、現在(いま)歩んでいるこの道で、やっと遭遇することを目を見開いて見据え、清濁相飲んで、なんとか我が栄養、滋養として、歩を進めている気がします。
『居場所』を発見できるまで、生きていて良かった♪って思います。
その後も、手術をして初めて『健康』という状態を知った50才の時、伝統芸能に携わるという事について、少し理解し始めた54才の時、、その時その時、生きてて良かった♪って、ホントに思いました。
若くしてしっかり自分の世界と世の中を対峙させているアーティストやアスリートの皆さんは、ホントに凄いな、とまぶしく感嘆します。
若い頃から、そういうしっかりした日々を重ねて来られたであろう靖子先生が、八十路に入って、また新たな境地が開けたとおっしゃるのです。
しんどい事もあるけれど、一つひとつの『縁』を大切に、柔らかいこころを持って、生きてさえいれば、神様は、人それぞれに、人生のターニングポイントを、マラソンの給水地点を、癒しのオアシスを、必ず用意して下さってるんですね。
2009年09月18日
死ぬるのがイヤになった☆
2009年9月18日(金)
先日、最近長く会ってない友達と、久し振りに電話で話しました。
都会で公職を勤め上げ、ご夫婦で田舎家に移り住み、第二の充実した人生を謳歌されてる、10才上の友達です。
「ちょっと疲れたよ〜ん、歳かなぁ〜」って言ったら
「年上に『歳かなぁ』はご法度よ」と叱られました。
そしてこんないい話しを聞かせてくれました。
(聞き覚えなので、間違いがあるかもしれません)
彼女は、先日、[丸木すまさん]という方の展覧会を見に行ったそうです。
[すまさん]は、息子夫婦(画家の丸木俊夫妻)から「お母さん、歳とってすること無いんやったら絵でも描いたら?」とすすめられて、73才で初めて絵筆を持たれ、描かれた絵を見て、息子夫婦はびっくり仰天!!
「私なんかが出していいの?」と言いながら大きな展覧会に出品したところ、たちどころに入選。
高名な審査員をして「我々が永年目指している境地が、まさにここに在る」と言わしめたそうです。
[すまさん]はもう現在は亡き人ですが、[すまさん]が生前、こんな事言わはってん、と彼女が教えてくれた言葉
『絵を描き始めて、死ぬるのがイヤになった』
なんて素敵なんでしょう。
すっかり元気を貰いました。
今週末20日(日)に賛助出演させていただく箏美会の山下慶彰先生も、バイタリティ溢れ、いつも元気をいただきます。
先生のお人柄を写したような、明るく謙虚なお社中で、あぁまことに、親は子の鑑、師匠は弟子の鑑ですねぇ。
箏美会・舟風会演奏会
ウィングス京都(東洞院六角)
午前11時開演。
全16曲
入場無料
お社中の皆さんの合奏をきちんとお手伝いできるよう、私も頑張って(笑)練習してます。
春のおさらい会で賛助出演していただいた竹田先生、平野先生も、たくさんの曲に出演なさいます。
是非お出かけ下さい☆
先日、最近長く会ってない友達と、久し振りに電話で話しました。
都会で公職を勤め上げ、ご夫婦で田舎家に移り住み、第二の充実した人生を謳歌されてる、10才上の友達です。
「ちょっと疲れたよ〜ん、歳かなぁ〜」って言ったら
「年上に『歳かなぁ』はご法度よ」と叱られました。
そしてこんないい話しを聞かせてくれました。
(聞き覚えなので、間違いがあるかもしれません)
彼女は、先日、[丸木すまさん]という方の展覧会を見に行ったそうです。
[すまさん]は、息子夫婦(画家の丸木俊夫妻)から「お母さん、歳とってすること無いんやったら絵でも描いたら?」とすすめられて、73才で初めて絵筆を持たれ、描かれた絵を見て、息子夫婦はびっくり仰天!!
「私なんかが出していいの?」と言いながら大きな展覧会に出品したところ、たちどころに入選。
高名な審査員をして「我々が永年目指している境地が、まさにここに在る」と言わしめたそうです。
[すまさん]はもう現在は亡き人ですが、[すまさん]が生前、こんな事言わはってん、と彼女が教えてくれた言葉
『絵を描き始めて、死ぬるのがイヤになった』
なんて素敵なんでしょう。
すっかり元気を貰いました。
今週末20日(日)に賛助出演させていただく箏美会の山下慶彰先生も、バイタリティ溢れ、いつも元気をいただきます。
先生のお人柄を写したような、明るく謙虚なお社中で、あぁまことに、親は子の鑑、師匠は弟子の鑑ですねぇ。
箏美会・舟風会演奏会
ウィングス京都(東洞院六角)
午前11時開演。
全16曲
入場無料
お社中の皆さんの合奏をきちんとお手伝いできるよう、私も頑張って(笑)練習してます。
春のおさらい会で賛助出演していただいた竹田先生、平野先生も、たくさんの曲に出演なさいます。
是非お出かけ下さい☆
2009年09月14日
空は秋色☆
2009年9月13日(日)
涼しくなったと思ったら、ぶり返して暑くなったりして、、でもキビシイ暑さのようでいて、やはり陽射は秋の光。
空気は、すっかり秋色です。
悲鳴を上げてしまって、ご心配かけました「暗譜」、やっと体に入ってくれました。
まだボロボロ抜けますけれど、あらまし体に入ると、練習が楽しくなってきます。
暗譜のかかり始めは、なかなかやる気になれなくて、練習始めても、すぐ他のことをやりたくなるのですが、あらまし入ったあたりから、また一回、もう一回、、と弾きたくなるのです。
「花の旅」という曲で、10月24日、京都三曲協会の演奏会で弾きます。
★10月24日(土)京都三曲協会「三曲鑑賞会」
「花の旅」
箏 壇浦麻記子
唄・三絃 今西真智子
三絃替手 飛山百合子(彰茶)
胡弓 金井彰柳
その他「飛騨によせる三つのバラード」「磯の春」「二十絃箏のための四つの小品集」「岩清水」「八重衣」
在京諸流派の演奏家の出演です。
京都府立文化芸術会館 2000円 午後6時半開演
問い合わせ 京都三曲協会075−841−3099
出演者もチケットを預かっています。
是非お出かけくださいね。
涼しくなったと思ったら、ぶり返して暑くなったりして、、でもキビシイ暑さのようでいて、やはり陽射は秋の光。
空気は、すっかり秋色です。
悲鳴を上げてしまって、ご心配かけました「暗譜」、やっと体に入ってくれました。
まだボロボロ抜けますけれど、あらまし体に入ると、練習が楽しくなってきます。
暗譜のかかり始めは、なかなかやる気になれなくて、練習始めても、すぐ他のことをやりたくなるのですが、あらまし入ったあたりから、また一回、もう一回、、と弾きたくなるのです。
「花の旅」という曲で、10月24日、京都三曲協会の演奏会で弾きます。
★10月24日(土)京都三曲協会「三曲鑑賞会」
「花の旅」
箏 壇浦麻記子
唄・三絃 今西真智子
三絃替手 飛山百合子(彰茶)
胡弓 金井彰柳
その他「飛騨によせる三つのバラード」「磯の春」「二十絃箏のための四つの小品集」「岩清水」「八重衣」
在京諸流派の演奏家の出演です。
京都府立文化芸術会館 2000円 午後6時半開演
問い合わせ 京都三曲協会075−841−3099
出演者もチケットを預かっています。
是非お出かけくださいね。
2009年09月08日
訃報
2009年9月8日(火)
京都の老舗「琴伝」さんの当代当主、畑忠男さんがご逝去されました。
ご葬儀は
・通夜9月8日(火)7時〜
・告別式 9日(水)2時30分〜
いずれも京都五条ブライトホールです。
箏を弾く者にとって、お琴屋さんは大事な大事な存在です。
糸の強さの好みを心得、瞬時の判断で舞台を見好いように設定し、時には奏者の精神的なメンテナンスまでしてくれはります。
時には戦友ですらあります。
忠男さんは私が子供の時から、そうして支えてきて下さった方です。
心よりご冥福をお祈りいたします。
京都の老舗「琴伝」さんの当代当主、畑忠男さんがご逝去されました。
ご葬儀は
・通夜9月8日(火)7時〜
・告別式 9日(水)2時30分〜
いずれも京都五条ブライトホールです。
箏を弾く者にとって、お琴屋さんは大事な大事な存在です。
糸の強さの好みを心得、瞬時の判断で舞台を見好いように設定し、時には奏者の精神的なメンテナンスまでしてくれはります。
時には戦友ですらあります。
忠男さんは私が子供の時から、そうして支えてきて下さった方です。
心よりご冥福をお祈りいたします。
2009年09月05日
叫び
2009年9月5日(土)
また暗譜に苦しんでおります。
「今日までに、明日までに、、」と掛け声かけるばっかりで、ちぃっとも先へ進みません。
で、考えばかりが、あちこちへ寄り道します。
道を歩く時に目的地だけを目指してあくせく小走りで歩くより、その地点、その地点の周囲の景色を楽しみながらゆっくり歩いた方が絶対愉しい如く、曲を相手にあ〜でもない、こ〜でもないと、やっさもっさしてる、その状況こそが面白いわなぁ、などと考えてみます。
またまた、考えてみれば、取り組んでいる「古曲」さん達は、それこそ何百年も生き抜いてきた、つわもの揃いです。
そんな簡単に覚えてしまう方が失礼やんか、などとも考えてみます。
いろいろに自分を慰めてみたところで、結局、先ず第一歩、とにもかくにも脳みそのシワの間にねじ込まん事には、景色を愉しむも、つわもの振りを味わうも、ありませんのでございます。
習いに来ている方々には、いつもエラそうに訓戒を垂れてるんですよ。
1才でも若いうちに、1曲でもたくさん覚えておきなさい。
覚える、というのは、ず〜っと覚えてるって事なんよ。
演奏会の時暗譜で弾いて、その後は忘れて弾けない、というのは、「覚えられる」というだけで、ホントに「覚えた」事にならへん。
暗譜する程弾き込んで、演奏会に臨むのは、それはそれで、大切な心意気で、それでこそ、その演奏会に足を運んで下さるお客様のお心に応える、大事な「礼」です。
それは「演奏会マナー」
数知れない多くの先輩達によって慈しみ、磨き、伝えられてきた「古曲」様に対する礼としては、あれもやったことある、これもやったことある、けど、どんなんやったかな〜〜で終わらず、1曲でも2曲でも、繰り返し繰り返し本当に体に入れて、自分はこの曲をこう弾きます、と空の上の諸先輩に胸を張って言える曲をお持ちなさい。
まだ発足して日の浅い社中ですから、皆さんお稽古の日も浅くて、せいぜい「さくら」「六段」「黒髪」「夕顔」くらいまでですけど、それでも、師匠の言うことを、ハハァ〜〜と平伏して承り、それぞれのペースで頑張って取り組んだはります。
あ〜〜、師匠も頑張らなくてはなりません。
お願いやから、入ってくれぇ〜〜!!
また暗譜に苦しんでおります。
「今日までに、明日までに、、」と掛け声かけるばっかりで、ちぃっとも先へ進みません。
で、考えばかりが、あちこちへ寄り道します。
道を歩く時に目的地だけを目指してあくせく小走りで歩くより、その地点、その地点の周囲の景色を楽しみながらゆっくり歩いた方が絶対愉しい如く、曲を相手にあ〜でもない、こ〜でもないと、やっさもっさしてる、その状況こそが面白いわなぁ、などと考えてみます。
またまた、考えてみれば、取り組んでいる「古曲」さん達は、それこそ何百年も生き抜いてきた、つわもの揃いです。
そんな簡単に覚えてしまう方が失礼やんか、などとも考えてみます。
いろいろに自分を慰めてみたところで、結局、先ず第一歩、とにもかくにも脳みそのシワの間にねじ込まん事には、景色を愉しむも、つわもの振りを味わうも、ありませんのでございます。
習いに来ている方々には、いつもエラそうに訓戒を垂れてるんですよ。
1才でも若いうちに、1曲でもたくさん覚えておきなさい。
覚える、というのは、ず〜っと覚えてるって事なんよ。
演奏会の時暗譜で弾いて、その後は忘れて弾けない、というのは、「覚えられる」というだけで、ホントに「覚えた」事にならへん。
暗譜する程弾き込んで、演奏会に臨むのは、それはそれで、大切な心意気で、それでこそ、その演奏会に足を運んで下さるお客様のお心に応える、大事な「礼」です。
それは「演奏会マナー」
数知れない多くの先輩達によって慈しみ、磨き、伝えられてきた「古曲」様に対する礼としては、あれもやったことある、これもやったことある、けど、どんなんやったかな〜〜で終わらず、1曲でも2曲でも、繰り返し繰り返し本当に体に入れて、自分はこの曲をこう弾きます、と空の上の諸先輩に胸を張って言える曲をお持ちなさい。
まだ発足して日の浅い社中ですから、皆さんお稽古の日も浅くて、せいぜい「さくら」「六段」「黒髪」「夕顔」くらいまでですけど、それでも、師匠の言うことを、ハハァ〜〜と平伏して承り、それぞれのペースで頑張って取り組んだはります。
あ〜〜、師匠も頑張らなくてはなりません。
お願いやから、入ってくれぇ〜〜!!
2009年09月03日
芸談
2009年9月2日(水)
山下先生のおさらい会で、賛助する曲のひとつ「星のように」は、松本雅夫先生の作品です。
松本先生とは、ずっと以前、京都邦楽グループで先生に委嘱して作っていただいた「桂」という曲を演奏しましたのを機縁に、まだまだ未熟でしたのに、なんだかその演奏をエラく気に入っていただいて、それから先生がお亡くなりになるまで、いろいろと折に触れ、親しくさせていただきました。
「星のように」の十七絃筝を弾かせていただくのですが、松本先生らしい、清ら
かでストイックな音の流れで、練習しておりますと、しみじみ先生のことを想い出して、胸が熱くなります。
よく先生がおっしゃっていたのは、「何よりも何よりも、『音色』が命ですよ」「音色を大切になさいよ」ということです。
箏の爪も、自らいろいろ考案されてました。
野坂先生も、「たくさんの音の粒を並べるよりも、たった一音に想いを込める」ことの大切さ、「一音成仏」ということを、よくおっしゃいます。
ようやく私も、この頃になって、「先ず音色」と思えるようになりました。
音も、声も、これぞ!!という「ひとつの音」「一声」が出せれば、他には、な〜んにも要らない、と思います。
中澤先生は、よく「耳を磨いて、上等の耳を持つようにならな、あきまへんえ〜」とおっしゃいます。
ホンモノの芸を、自分の耳で確信して聞き分けられるようになりたいものです。
安藤鶴夫さんという、深く落語を愛された方の本を今、読んでるんですが、その中に次のような文章がありました。
「わたしは、かならずしも、古い落語ならみんないいなどとは思っていない。
あらゆる古い芸がまたそうであるように、誰の、なに、ということが大事である。
『船徳』という落語なら誰がやってもいいというのではなくって、桂文楽の『船徳』というものに感動したのである。
それにまた芸というものは、ふしぎなもので、そのときどき、さらにその演者の人間や年齢の、成長や逆に衰えなどの変化で、いつでも動く。
そこにまた芸を鑑賞する者のおもしろさも、かなしさもあるようだ。」
(改行無しの長い文章でしたので段落は飛山がつけました)
落語を「古曲」に置き換えれば、、、いいえ古曲に限りませんね、現在私の携わっている音曲全般に当てはまる見解です。
まさに「芸」は生き物、真摯に向き合う人の言葉は、全て、すぐれた芸談たりうるものです。
素晴らしい先生方からたくさんの素晴らしい言葉を聞かせていただき、また心に触れる文章に日々出会えて、幸せなことです。
山下先生のおさらい会で、賛助する曲のひとつ「星のように」は、松本雅夫先生の作品です。
松本先生とは、ずっと以前、京都邦楽グループで先生に委嘱して作っていただいた「桂」という曲を演奏しましたのを機縁に、まだまだ未熟でしたのに、なんだかその演奏をエラく気に入っていただいて、それから先生がお亡くなりになるまで、いろいろと折に触れ、親しくさせていただきました。
「星のように」の十七絃筝を弾かせていただくのですが、松本先生らしい、清ら
かでストイックな音の流れで、練習しておりますと、しみじみ先生のことを想い出して、胸が熱くなります。
よく先生がおっしゃっていたのは、「何よりも何よりも、『音色』が命ですよ」「音色を大切になさいよ」ということです。
箏の爪も、自らいろいろ考案されてました。
野坂先生も、「たくさんの音の粒を並べるよりも、たった一音に想いを込める」ことの大切さ、「一音成仏」ということを、よくおっしゃいます。
ようやく私も、この頃になって、「先ず音色」と思えるようになりました。
音も、声も、これぞ!!という「ひとつの音」「一声」が出せれば、他には、な〜んにも要らない、と思います。
中澤先生は、よく「耳を磨いて、上等の耳を持つようにならな、あきまへんえ〜」とおっしゃいます。
ホンモノの芸を、自分の耳で確信して聞き分けられるようになりたいものです。
安藤鶴夫さんという、深く落語を愛された方の本を今、読んでるんですが、その中に次のような文章がありました。
「わたしは、かならずしも、古い落語ならみんないいなどとは思っていない。
あらゆる古い芸がまたそうであるように、誰の、なに、ということが大事である。
『船徳』という落語なら誰がやってもいいというのではなくって、桂文楽の『船徳』というものに感動したのである。
それにまた芸というものは、ふしぎなもので、そのときどき、さらにその演者の人間や年齢の、成長や逆に衰えなどの変化で、いつでも動く。
そこにまた芸を鑑賞する者のおもしろさも、かなしさもあるようだ。」
(改行無しの長い文章でしたので段落は飛山がつけました)
落語を「古曲」に置き換えれば、、、いいえ古曲に限りませんね、現在私の携わっている音曲全般に当てはまる見解です。
まさに「芸」は生き物、真摯に向き合う人の言葉は、全て、すぐれた芸談たりうるものです。
素晴らしい先生方からたくさんの素晴らしい言葉を聞かせていただき、また心に触れる文章に日々出会えて、幸せなことです。
2009年08月31日
出演情報
2009年8月31日(月)
明日から9月。
そして政治も、新しい季節へと移行することになりました。
「普通に暮らせる」世の中であるよう、見守りたいです。
皆様、お元気ですか?
今年の夏は、梅雨明けが記録的な遅さで、インフルエンザがじわじわ拡がり、政治の先行きが不透明で、なんとはなしに、暑さなども、中途半端な感じのまま、8月が去ろうとしていますが、それなりに夏の疲れはあったようで、このところ私の周りは、みんな「しんどい、しんどい〜〜」って言ってますよ。
私はおかげさまで、まあまあ元気で、相変わらず「やる気まんまん」なことを言っては、周りを疲れさせています(笑)
秋の行事に向けて下合わせが連日続いて、こちらも相変わらず、あせっております(汗)
ホームページが不調で、更新できませんので、こちらでこの秋の、おおまかな出演情報を載せます。
★9月6日(日)市民邦楽会 「八橋」で出演
京都会館第2ホール 前売り1500円 当日1800円
12時開場 12時半開演
問い合わせ 京都市芸術文化協会075−213−1003
★9月20日(日)山下彰慶社中おさらい会に賛助出演
「御山獅子」「星のように」「松の双葉に」に出演
京都ウイングスホール 無料 11時開演
問い合わせ 山下彰慶先生 075−391−1133
★10月24日(土)京都三曲協会「三曲鑑賞会」
「花の旅」で出演
京都府立文化芸術会館 2000円 午後6時半開演
問い合わせ 京都三曲協会075−841−3099
★11月29日(日)三味線組歌の会
大阪国立文楽劇場 2500円
京都當道会会員として「下総ほそり」に出演
★12月6日(日)堀志津子社中おさらい会に賛助出演
ギオンコーナー 無料
それからぐっと先取り情報です。
★2010年9月5日(日)長崎教室おさらい会
メルカ築町ホール
お近くの方、どうぞお気軽にお越しください!!
明日から9月。
そして政治も、新しい季節へと移行することになりました。
「普通に暮らせる」世の中であるよう、見守りたいです。
皆様、お元気ですか?
今年の夏は、梅雨明けが記録的な遅さで、インフルエンザがじわじわ拡がり、政治の先行きが不透明で、なんとはなしに、暑さなども、中途半端な感じのまま、8月が去ろうとしていますが、それなりに夏の疲れはあったようで、このところ私の周りは、みんな「しんどい、しんどい〜〜」って言ってますよ。
私はおかげさまで、まあまあ元気で、相変わらず「やる気まんまん」なことを言っては、周りを疲れさせています(笑)
秋の行事に向けて下合わせが連日続いて、こちらも相変わらず、あせっております(汗)
ホームページが不調で、更新できませんので、こちらでこの秋の、おおまかな出演情報を載せます。
★9月6日(日)市民邦楽会 「八橋」で出演
京都会館第2ホール 前売り1500円 当日1800円
12時開場 12時半開演
問い合わせ 京都市芸術文化協会075−213−1003
★9月20日(日)山下彰慶社中おさらい会に賛助出演
「御山獅子」「星のように」「松の双葉に」に出演
京都ウイングスホール 無料 11時開演
問い合わせ 山下彰慶先生 075−391−1133
★10月24日(土)京都三曲協会「三曲鑑賞会」
「花の旅」で出演
京都府立文化芸術会館 2000円 午後6時半開演
問い合わせ 京都三曲協会075−841−3099
★11月29日(日)三味線組歌の会
大阪国立文楽劇場 2500円
京都當道会会員として「下総ほそり」に出演
★12月6日(日)堀志津子社中おさらい会に賛助出演
ギオンコーナー 無料
それからぐっと先取り情報です。
★2010年9月5日(日)長崎教室おさらい会
メルカ築町ホール
お近くの方、どうぞお気軽にお越しください!!

