ある日食堂でいつものように愚痴愚痴してると、友達の横に見慣れぬ女子学生Aがいた。
私の「DV彼氏がこんなにひどい」の愚痴の途中で
「こういう人ってさ、結局「カワイソーカワイソー」って言ってもらいたいだけなんだよね」
と、突然Aが隣の友達に言った。

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友達は「ちょ、やめなよ」と止めるがAはかまわず
「奴隷の鎖自慢じゃん」「カワイソーって言われるのが気持ちいいんでしょ?うっざ」
「かまってちゃんきもい」「好きでそのクズ男にくっついてんだろ?だったら愚痴るな」
とすごい早口で言った。

その瞬間、私はパーーーっと目の前が光ったみたいになった。
ああそうか、今のわたしかっこ悪いんだ、こんなにみじめなんだ!ってやっと気づいた。
同情の視線じゃなく、Aの露骨なさげすみの目で見られたことで
「私、こんな目で見られるような生き物に成り下がってるんだ!」って理解できた。
今でもあの瞬間のスッキリ感は忘れない。


その後私は彼氏に「別れる」と宣言し、親にDVを打ち明け、両家で話し合って
正式にお付き合い解消をした。
彼氏からは治療費をもらった。
ロミオメールではなく罵倒メールが一年間ほど届いたが、憑き物が落ちたように
彼が怖くなくなっていたので、放置した。
そのうちメールがやみ、大学卒業。
私は県外に就職し、彼氏もできて平和な暮らしを楽しんでいた。

ある夏、実家に帰省したら元私の部屋に置きっぱなしの学習机に
元彼からの手紙が乗っていた。
親が言うには「ちょっと前に届いたんで、とりあえず置いといた」と。
迷ったがいちおう読んでみた。


謝罪と復縁を願う手紙だった。
「あの頃の俺はどうかしてた」「生まれ変わった俺を見て」と書いてあったが
最後が「また俺に尽くして下さい」だったので破って捨てようかとも思った。
でもやめて、その箇所を赤マルで囲って「ヤダ」と書いて彼の実家にFAXしておいた。
あとでうちの実家に元彼親から謝罪の電話があったらしいが、興味ないので聞き流した。

ちなみにAにはその後、礼を言いに行った。
Aは「私こそむしゃくしゃしてて、やつあたりしてごめん」と謝ってくれた。
その後何度か遊んだが、いい人でした。