海外で働いている妹が、その国で結婚することになった 
父母私の三人はパスポートを取るのも初めて 
弟は高校の修学旅行で海外に行った事があった 

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片言の英語とジェスチャーで何とかホテルまでたどり着いたが 
食事をするのも一苦労だった 




ぐったりしつつも式の前に、相手のご家族と顔合わせを兼ねた会食の予定があり 
ホテルからタクシーでレストランに向かった 
ところが事故のために大渋滞 
もうレストランまで歩いて10分ほどらしく 
治安もいい土地であったために、運転手さんに地図を書いてもらい 
大目にチップを渡し、タクシーを降りた 
しかし途中で曲がり角を間違えて、住宅街の中に迷い込んでしまった 
約束の時間は近づいているし、妹の携帯を鳴らしても繋がらないしで 
家族四人であわあわしていると、中年の日本人女性が声をかけてきた 
事情を話すと、レストランまで同行を申し出て下さり 
日本人に会うのは久しぶりだと、陽気におしゃべりしてくれた 
いつもは明るく人見知りしない母が、疲れのためか途中から黙り込んでしまい 
心配したご婦人が、母の顔を覗き込んで驚いて立ち止まった 
見ると母が泣いていた 
そして「姉さん」とご婦人に抱きついて号泣した 
ご婦人はハッとして「もしかしてM子ちゃん?」と母を抱き返した 

30年以上前に、駆け落ちした母の年の離れた姉(私たちの伯母)だった 
伯母さんが実家を出た時、母はまだ中学生で中年になった母を見ても妹と気がつかなかったらしい 
「私は外国人との結婚を反対されて、無理やりお見合いさせられそうになって駆け落ちしたけど 
両親は孫の海外留学、そして国際結婚を認めるほど軟化したのね」と嬉しそうに笑う叔母に 
「いえ、祖父母は大反対で、留学させるなら母や私たちを相続から外すと言うので 
今は縁を切っています」 
と言うと、叔母は大爆笑して「変わってないのねー」とどこか懐かしそうだった 
そのまま一緒にレストランで会食して、今では妹の親代わりをしてくれている 

あんな偶然があるものなんだなー、と未だに家族で盛り上がっている