小2の時に母(以下糞)がパート先のアルバイトの男と駆け落ちした。
父の出張中、俺の登校中に荷物まとめて出て行ったんだが、
そうと知らずに糞が帰って来ないのを心配して、
スーパーまでの暗い道のりを3往復して探したが見つからず
泣きながら夜道を歩いていて警察に保護された。

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そして中3の時に学校帰りに待ち伏せされて、
父とよりを戻したいので一緒に頭を下げてほしいと
真昼間から寝言を言ってきた。





その時は糞に「寝言は寝て言え」とだけ返事して走って逃げた。
誰彼構わず他の生徒に「俺くんってどの子?」と聞いて回るぐらい
最初俺のことが分からなかったくせに。

おかげで学校で尾ひれのついた噂話が広まり
受験に集中できず第一志望を変えざるをえなかった。

俺の母親は祖母であり(糞がいなくなってから同居した)
あんな女には二度と会いたくないと父に訴えたが、父も糞の所在は把握しておらず。
父は再婚はしなかった。

仕事が忙しいのもあったろうが、
一度再婚を勧めたが「なんかもう面倒臭いからいい」と。
ちょっと分かる気もした。

その父は俺が社会人になって2年目に病死した。以来祖母と二人暮らし。

先月、知らない男が訪ねてきた。
祖母は面識があったようだが、男の顔をじっと見てるうちにピンと来た。
糞の身内だろうと思ったら正解だった。弟だった。






糞が死んだらしい。
最後まで俺に会いたがってたそうだ。

その時の様子を語ろうとしたが遮った。だから何?としか思わない。
祖母は一言「覆水盆に返らず」。

糞が男と駆け落ちしたあと、どんな暮らしをしていたのか、
どう思って生きていたか、そんなこと全く興味ない。

○んだと聞いてホッとした。非情だろうがそれが本音。
もう二度と突然現れることはないんだと思うとね。

男は紙切れを1枚置いて「納骨の予定日と納骨先が書いてあるので
最後に会いにきてやってほしい」と言って帰った。

帰ったあと、紙切れは台所で燃やした。