令和5年12月 朝礼
新型コロナ感染症が2類相当より5類になり安堵したのも束の間、この秋は新型コロナ、インフルエンザ、流行性結膜炎、溶連菌感染症の同時流行が起き外来がてんてこ舞いになったり、おまけに治療の要である鎮咳薬等が不足するなどといった状況は、私が医者になって初めてのことです。
これからの少子高齢化の時代に、経済効率を優先するあまり欧米並みに病床数を減らし、その分介護施設を増やし、最期の看取りの場として施設、在宅をと、国は構想しているものの、2040年まで高齢者人口は増え、一方若い働き手人口はどんどん減っていく中、介護にだけ潤沢な労働者を配置するわけにもいかなくなるのは、警察官、消防士、交通運輸の運転手不足が大きな社会的問題を孕んでいることも合わせ誰にも容易に想像のできることです。医療・介護に関してこれから起きることは病院職員は勿論、日本国民全員が我が事として真剣に対峙しなければならない大きな課題です。経済界、政治、医療、介護の分野にもエンゼルスの大谷君、将棋界の藤井君のような存在が現れるのをひたすら期待するのか、DX、ロボテイックスを順次進めていき今流行りの生成AI、量子コンピュータに解決法を託すのか、それらすべてを結集し、課題解決に取り組む事が必要なことは、最近世の中でおきているいろいろな事象を見せられると、自明のこととの思いを強くする今日この頃です。
12月もよろしくお願い致します。
札幌百合の会病院 院長
札幌百合の会病院 院長